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よなよな58 よなよな講話

ばな子

ギンギラギンにさりげなく

ちょっと見たこと、聞いたこと、そうしたほうがいいと言われたことに、人はどれだけ縛られているんだろうとたまにゾッとします。
作った野菜はみんな大切にいただく系の話もそのひとつです。
うちの屋上の陽当たりが異常で、サボテン以外はなかなか育たないんだけれど、とにかくチャイブとパクチーがもう食べられないほどに硬く育って、結局使わないで鑑賞してるだけ。わさわさ来いよ!と思っていた明日葉はまだおひたしになるほどにも育たず。
うちには実がなるにはオスとメスが必要なはずのオリーブが離れたところに2本あって、1本は屋上でもう20年もの。もう1本は玄関のところの巨木で8年もの。小さな苗を買ってきたのに8年で信じられないくらいの巨木になった。そしてどちらもなぜか花を咲かせて実をつけるけど、異性はどこから来たの?鳥が運んできたの?だとすると球根を全部掘り返す鳥たちもまんざら悪い仕事してないよね、って感じです。
そういうことをみんな人がコントロールして仕事にしたのが農業だけど、うちは見てるだけでいいや、という感じです。オリーブのアクも塩につけるくらいじゃだめみたいだし。それでも実を見ると嬉しいというかかわいいんですよね。一生こういうことばっかりしていたい。役立たないことを。
温暖化もプラスチック軽減も、私たちにはほとんどどうにもできない。焼け石に水という意味ではなく、個人レベルでどうこうできることではない。先日も単なる短いエンピツ(アイラインをひくやつ?)が4000円くらいで売っていて、ひとつも環境に配慮してないものが入ってないって書いてあったけど、なんのギャグだと思えてしまう私は、若い人たちに比べて全く純粋じゃないのだろう。

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よなよな、人生について意味なく語り合うばな子とまみ子。 全然違うタイプだからこそ、野生児まみ子の言うことを聞くとばな子こと小説家吉本ばなな…