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肩こり、首こり×神経ブロック

肩こり、首こりは国民病で女性の第1位の症状、男性の第2位の症状で、まずは、「正しい姿勢の意識とその時間を作ること」と言う事を前回noteしました。

今回は、それでもダメだった場合、ペインクリニックではどうするか?

肩こり、首こり×神経ブロックについて少し解説します!

トリガーポイント注射

「トリガーポイント」は、索状硬結(筋肉が異常収縮して硬くなった)として触知でき、その部位に圧痛点があり、そこを押すといつもの痛みが再現される場所を言います。

長時間の同じ姿勢や、悪い姿勢による筋肉の緊張 → 筋収縮 → 血流低下 → 筋肉へ栄養が行きにくくなる → 筋肉が弛緩(緩く伸びにくくなる)→ 血流改善しない →痛み物質も滞る → 硬い痛いまま。。。という悪循環に陥っていると考えられてます。

トリガーポイント注射は局所麻酔薬などの薬液をトリガーポイントに注射する方法で収縮し活性化した末梢神経に薬液を注入して、発痛因子の希釈、筋緊張の緩和、血流改善をはかる事を目的に行います。

後頭神経ブロック

後頭神経は7つある首の骨(頚椎)の頭に近い2~3番目から分岐している神経で、後頭部から眼精疲労に伴う頭痛、頚部痛に有効な神経ブロックです。

両耳の高さの真ん中の後頭部の飛び出た外後頭隆起から2.5cmほど外側に、左右1本ずつ大後頭神経、その外側に小後頭神経が走行しているため、後頭部に計2〜4箇所に薬液を注入します。

頚椎椎間関節ブロック

頚椎は、前側(腹側)は椎間板で連結し、後方(背側)は椎間関節(1/2、2/3、3/4、4/5、5/6、6/7)で連結しています。

首こり、肩こりの原因の多くは筋・筋膜性疼痛のみならず、ストレートネックなどの頚椎の並びの不整に伴う、こりや痛みである事も多いです。特に首の根元の5/6、6/7の椎間関節症による症状は肩〜肩甲骨と背骨の間のこりや痛みが特徴です。

頚椎椎間関節ブロックは、うつ伏せ(腹臥位)か横向き(側臥位)で超音波やレントゲン(透視)で椎間関節を確認して関節に薬液を注入します。

肩甲背神経ブロック

肩甲背神経は頚椎の4〜6番目から肩甲骨と背骨の間を通って下に伸びています。首の根元から肩こりの原因のキモとなる筋肉(肩甲挙筋、大・小菱形筋)を支配してる神経です。肩こりに対する神経ブロックでは1番最初にやる価値のある注射です!

星状神経節ブロック

胸から上の領域の痛みやしびれに対し古くから行われてきた方法です。痛みやしびれなどを司る感覚神経に対してではなく、色々なストレスに反応し自分ではコントロールできない自律神経にアプローチして血流を改善して痛みやこりを和らげます。

ある程度、有効性(エビデンス)が確立されていますが、1度に片側だけしかできないのが難点です。

硬膜外ブロック

首や背中に施行するには技術的にかなり難しいので、施行するドクターの経験とテクニックが必要です。神経の本幹や自律神経にも薬液が投与できるので強い効果が期待できます。基本的に筋肉のコリだけの肩こりには適応はなく、頚椎の疾患や神経症状が強い場合に考慮されます。

色々と専門的に書いてしまいましたが、神経ブロックの利点

1. 痛みや血流の改善効果

2. 痛みやコリの悪循環から逃れられる可能性

3. 繰り返しおこなうことで効果や効果時間が長くなる事が多い

4. 保険適応である

です。

患者さんから、神経ブロックは麻酔薬だし一過性で対症療法ではないのか?と聞かれたりしますが、痛みは持続的な刺激を脳に伝え続けることで増幅し、悪循環に陥ります。その悪循環を一次的でも断って刺激を休ませる事が重要で、もぐら叩きのように何回かブロックをリピートする事で、効果や効果時間が長くなると言われています。ストレッチやマッサージをしているのに良くならない。骨には異常はないと言われた。鍼灸でも良くならない。などなどお困りの方は、細い針でおこないますし、さほど痛い手技ではないので難治性でお困りの方はブロックを一度受けてみて頂けたらと思います。



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