【薔薇のない】エアロスミスとイチバン【棘】

はいこんにちは。
ミニマリスト化が止まらない作詞家、藤橋です。
PCとスマホとギターがあれば何も要らないです。あと松屋。
心で繋がった人がどこかにいてくれれば充分なんですよ、人生って。

知らんけど。

恒例の自己紹介はこちら。
【恥の多い】自己紹介【生涯】|ふじP (note.com)

さて、
今日は1年後に解散するロックバンドの新曲
「薔薇のない棘(仮)」の歌詞についてです。

と言うのも。

みなさん、これ変なタイトルだと思いませんか?

つまり
言い間違いか勘違いで
「棘のない薔薇」が逆になってしまったのではないかと。
思ってる方いませんかね??

実は、先日のライブで
確かリハか何かの時だったと思うのですが
Vo雪田くんが「薔薇のない棘!」と言った時
「逆!」という声が聞こえてきました。
バンド内から。マジか。
あぁ、伝わりにくいタイトルを付けてしまったな。
と、少し反省したのを覚えています。

ちょっと、語らせてください。

アメリカに、エアロスミスというバンドがいます。

ぼくは帰国子女ということもあり、
友人から「この歌詞どういう意味?」などと難しい質問をされることが多くありました。
日本語の歌詞の意味も分からんのに英語のそれを聞いてくる、頭の悪い友人たちでした。

1997年、ちょうど大学生活が始まった頃だったと思います。
エアロスミスの「Nine Lives」というアルバムが発売され、
友人がそれを買ったと自慢してきました。
大学一年目にして出席日数がヤバいことになる頭の悪い友人でした。

収録曲は以下のとおり。

  1. Nine Lives

  2. Falling in Love

  3. Hole in My Soul

  4. Taste of India

  5. Full Circle

  6. Something's Gotta Give

  7. Ain't That a Bitch

  8. The Farm

  9. Crash

  10. Kiss Your Past Good-Bye

  11. Pink

  12. Falling off

  13. Fall Together

  14. Attitude Adjustment

  15. Fallen Angels

タイトルをざっと眺めつつ、ぼくは言いました。

「なんかFallという言葉が多いけど、薬とかやってるのかな」

友人は答えました。

「ほんとだ、5曲ある」

4曲です。

おおかた5曲目の「Full」を読み間違えたのでしょう。頭の悪い友人でした。

そんな自然な流れで
ぼくはこのアルバムを聴くことになるのですが
名曲揃いの中、「Hole in My Soul」が気になりました。

ちょうど自分が手痛い失恋をした時期だったのも重なり、
心にぽっかりと穴が空く感覚を覚えていたところに
Hole in My Soul(魂に空いた穴)です。
曲もカッコよく、だいぶ聴きました。1000回とか。たぶん。

Aerosmith - Hole In My Soul (youtube.com)

この曲の一節に、こんな歌詞があります。

~~~~~~~~~~~~
'Cause there's a hole in my soul
That's been killing me forever
And it's a place where a garden never grows

There's a hole in my soul
Yeah, I should have known better
'Cause your love's like a thorn without a rose
~~~~~~~~~~~~

ぼくなりの和訳がこちら。

~~~~~~~~~~~~
心に穴が空いちゃった
そいつがずっと苦しめてくるんだ
ここじゃ草木も育たない

心に穴が空いちゃった
先に知っとけばよかったよ
きみの愛が薔薇を咲かせない棘だったなんて
~~~~~~~~~~~~

ぼくはこの
「thorn without a rose」という言葉が大好きです。

薔薇の花の美しさを期待できるからこそ
棘という攻撃的な存在も許容できるのに
その期待に反してただ痛いだけで終わるという
なんともやり切れない言葉です。
ぼくもそんな経験をたくさんしてきました。そんな経験をさせてしまったことも多いと思います。

さて、イチバンの歌詞の話に戻ります。

この新曲の主人公は、地味で覇気のない少年です。
そして少年は、彼からしたら高嶺の花と言える女性に恋のような感情を抱きます。
けど本気で好きになったら自分が傷付く結果に終わるのは火を見るより明らか。
なので彼は、気のない素振りをしつつ、彼女が友人としている会話に耳を傾けたりします。
本当は気になって仕方ないのですが、そんなことないと自分を騙し続けます。

彼なりに、過去に傷付いた経験があるのでしょう。
「どうせぼくなんか」という「心に空いた穴」を抱えて生きています。
そんな心持ちでは、成果という草木も育たない。
かと言って、リスクを省みない大勝負にも出ることもできない。
ただひたすらに、自分を傷付ける棘を育てている。
そしてそれが、後の自分を作る大きなファクターとなっていく。

このように、例えるなら痛めた顎で味のないガムを噛み続ける行為のことを

青春

と呼びます。

新曲の歌詞(仮)の一部はこちら。

~~~~~~~~~~~~
おしゃべりのあの子 海の見える町から来たって
名前についた糸ヘンは誰と紡ぐためだろう
薔薇のない棘に水をやる日々よ 果てしなく
狂い咲きの青春
~~~~~~~~~~~~

このように、
ここの言葉は「薔薇のない棘」で初めて成り立つのです。

拙い文章で恐縮ですが、
今後曲をお聴きの際に少し思い出してくださると
ちょっと楽しみが増えるかな、という気持ちで書かせていただきました。

ちなみに頭の悪い友人はどこかに消えてしまいました。元気かな。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではでは。



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