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【ARI】【25周年】祝!プレーオフ進出決定! #ガラガラヘビの喉の奥【あり担①⑦】

日本時間10月1日アストロズとの試合中。
8回裏無死ランナーなしカウント3-2の場面、対象チームのCINが負けたことにより、ダイヤモンドバックスが6年ぶりのポストシーズン進出を決めました!

2021年は13連敗のあと17連敗、ビジター23連敗など散々に負けまくって52勝110敗、
昨年2022年は74勝88敗。若い力の芽生えとダブルエースの誕生に確かな手ごたえを感じたシーズンでした。
そして今年2023年84勝78敗で若い力の開花とダブルエースの確立によりワイルドカード3枠目に滑り込み。
辛かった再建期を超え、着実にチームは力を付けていきました。



月別に振り返ってみると、
開幕10試合LAD-SD-LADのいじめのような日程を設定されるも6勝4敗と勝ち越してスタート。
なお開幕カードでLAD相手に2勝2敗。このカードを負け越さずに終えたのは2018年以来の快挙。
その勢いのまま4月を15勝12敗でスタートすると5月は17勝10敗でさらに加速。
6月6日に首位に立つと、6月12日には最大となる4ゲームをつけ、16勝11敗と3か月連続の月間勝ち越しを記録。

落とし穴は7月に。月間8勝16敗と大きく借金を抱えたことはもちろんのこと、7月9日~8月11日の間には5勝21敗。
最大15あった貯金を食いつぶし、借金2まで転落。その間LAD、SFに一気に抜かれ、ゲーム差は13まで拡がりました。

しかし、8月12日からは12勝6敗と持ち直すと、9月はワイルドカード争っていたCHC相手に6勝1敗と大きく勝ち越すなど、月間15勝12敗でギリギリ逃げ切り。

月間成績
3月 1-1
4月 15-12
5月 17-10
6月 16-11
7月 8-16
8月 12-15
9月 15-12
10月 0-1

それではポストシーズン進出を果たしたチームを振り返って見ることとしましょう。



topic1.新戦力の活躍

シーズンオフにVarshoを放出し、Lourdes Gurriel Jr.Gabriel Morenoを獲得。
Gurriel Jr.がオールスターに選ばれるなどキャリアハイの155安打と24HR 82RBI OPS.772を記録。
チームにとって不足していた右の外野手の長距離砲としての役割を果たしました。

Kellyの故障で正捕手としてスタートしたMorenoの経験不足を憂う声がありましたがそんなものどこ吹く風。
元々評価の高かった打撃でその才能を見せたのはもちろんのこと、盗塁阻止数22個はMLB4位、阻止率38.6%はMLB1位でした。
57勝37敗。キャッチャーとして最も評価すべきはこの数字でしょうか。
Morenoがスタメンマスクを被ったときのチーム成績です。
WARもチーム4位の4.3を記録し、ファンにとっては待望の正捕手誕生となりました。

Varsho1枚で2つの補強ポイントと補ったこのトレードを敢行したHazenGMの慧眼が光ります。

HazenGMの動きはこれだけに留まりませんでした。

久々に買い手として迎えたTDLでは長年の懸念であったクローザーとしてPaul Sewaldを獲得。
Gurriel Jrの獲得で一旦解消したかに思えた右の外野手問題にもさらなるチャレンジをしTommy Phamを獲得。

Sewaldは移籍後の成績ERA3.57 FIP5.07 WHIP1.47と内容は手放し褒められたものではないものの、結果としてはセーブ機会15に対し13のセーブを記録。
「試合が終わったときに1点リードしてればいいんでしょ」を地で行くピッチング。
上述の苦しんだ8月後半の戦いではチーム12勝の中で7セーブを記録しチーム.に大きく貢献しました。

Tommy Phamは195-47 .241 OPS.720と見かけの数字上は平凡だったものの、
8月12日のSD戦では連敗を9で止める決勝打、
8月21日のTXE戦では2点を追いかける延長11回ウラに逆転サヨナラタイムリー、
9月7日のCHC戦では先制ソロ&ダメ押し2ランなど一人で試合を決める活躍が目立ちました。

また、地味ながらのちに大きな意味を持つようになった動きとしては、TBからDFAとなったRyan Thompsonを拾った事でしょうか。
次の項目でも取り上げますが、移籍後は13試合で失点1と救援陣の救世主となりました。


topic2.救援陣の踏ん張り


ここ数年、救援陣の構築に頭を悩ませていましたが、今年は少しその状況が好転したように感じます。
特に勝負の9月の成績は目を見張るものがありました。

12.0IP ERA0.75 WHIP0.58 Ryan Thompson
10.1IP ERA0.00 WHIP1.06 Andrew Saalfrank 
13.0IP ERA1.98 WHIP0.95 Luis Frías
11.0IP ERA0.00 WHIP0.63 Miguel Castro
11.0IP ERA3.27 WHIP1.09 Kevin Ginkel
 8.0IP ERA2.25 WHIP1.00  Paul Sewald
11.2IP ERA2.31 WHIP0.94 Bryce Jarvis


上述のThompsonは火消しも跨ぎも何でもこなし、またこの救援陣の中では数少ないポストシーズン経験者(20年にTBで9G ERA1.93)としても貴重な存在。

9月4日にMLB初登板を果たしたSaalfrankはそのまま失点0でシーズンを完了。対戦数は少ないものの左打者に対してAVG.077と強さを見せています。
右の剛腕Friasは球種割合を変化させ四球が少なくなったことにより成績が安定。詳しくはふりさんがまとめてくださっているのでそちらをご覧ください→🐍ちゃんズに見るピッチデザイン① Luis Frias編

月ごとの成績があまりにも極端なCastroは1度投げさせてみてダメなら即座に見切りをつけ、年間通して勝ちパターンとして稼働したGinkelとクローザーのSewaldに後ろを任せる運用になるでしょう。

5Gで11.2IPとロングでの起用となるJarvisはWC初戦のキーマンとなりそう。Pfaadtが投げるということで、長い回はあまり期待できないでしょうから、3周り目の上位打線と対峙するであろう5回~6回を投げることになるでしょうか。



topic3.攻撃パターン


チーム得点746(748) BA.250(.248) OBP.322(.320) OPS.730(734)

( )内に示したリーグ平均と比べると分かる通り攻撃力はほぼ平均。普通。特徴のないのが特徴。

特徴であり、誇れる点は盗塁数166個
MLB2位の数であり、リーグ平均117個を大きく上回ります。
単独スチールだけでなく、1,2塁からのダブルスチールも多用します。

もう一つの特徴は三塁打の数。44本はMLBトップ
HRは166本と少ないながらもOPSで平均を保てている要因と言えるでしょう。(ちなみに二塁打274はぴったりリーグ平均と同数)

最後の特徴。
こちらは誇れるかどうかは怪しいですが、送りバント36個はMLBダントツトップ(2位はOAKの28個、最少はATLの2個)
1点を追うタイブレークの裏の攻撃で送りバントなどという目を疑うような攻撃も見られました。

盗塁や送りバントで塁を進め、古来の日本チックな戦術をベースに戦いに挑みます。


topic4.展望


トップまで登り詰めるという期待は一切していません。今年の戦力分析のnoteでも書いたよう、最初のターゲットは2024年
若い選手の多いまだまだ発展途上のチーム。
ポストシーズン常連のMILの胸を借り、1試合でも多くこのポストシーズンを経験し、来年以降の持続可能な強さの基盤としてもらいたいものです。


ポストシーズン進出を決めた際は本拠地チェイスフィールドのプールに飛び込んで喜びを爆発させた選手たち。
歓喜の飛び込みはあと何度見られるでしょうか。


ヘッダー画像:球団公式X(旧Twitter)より
成績参照:FanGraphs baseballreference


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