🐍ちゃんズに見るピッチデザイン① Luis Frias編

ご無沙汰しております。

今週末のスプリンターズSですが、昨年の仇を取るべく

◎マッドクール
◯キミワクイーン、ウインマーベル
▲メイケイエール
△ジャスパークローネ、ナムラクレア
☆ナランフレグ

で勝負したいと思います。もしかしたら変わるかもしれません。よろしくお願いします。

さて、今回からは続くかもしれないし続かないかもしれないシリーズ物をやっていきます。

今季に入り、D-backsは主に若手投手を中心に変化球の配球をいじったり新たな変化球を投げさせる取り組みが目立ちます。

もちろん以前から取り組んでいた可能性もありますし、選手個人で取り組んでいた可能性もありますが、かなり多くの投手が配球を変えているので、個人的にはチーム主導であると推測しています。

そこで、今回から不定期でD-backs投手陣のうち、今季に入って大きく配球を変えた投手を1人ずつ取り上げ、簡単にレポートしていきます。

初回は今季MLBに定着を果たした剛腕リリーバーLuis Frias(ルイス・フリアス。以下フリアス)を取り上げます。

年度別成績と所感


画像はFangraphsより

※本来であればもう少し見やすく加工するところですが、本シリーズはあくまでもショートレポートということで(書く側の)気軽さを重視しスクショとします。

昨季はAAAで無双しながらもMLBでは苦戦することを繰り返しており、これは今季もほぼ同様。このまま反復横跳びを繰り返してオプション切れになるのかな、と思っていましたが、今季に入って少し状況が変わりました。

オールスター以前は6.2イニングで8K/7BB、防御率10.80と大爆死していたのがオールスター以後は20.2イニングで14K/10BB、防御率(などというカスみたいな指標で投手を評価するのは愚かなことですが)1.74と、四球の数が抑えられ失点も少なくなりました。

何か大きな変化があったのでは……と調べた結果が次の項になります。

配球の変化

以下に昨季と今季の変化球割合、そして平均球速(mph)を示します。

2022年
フォーシーム 62.4% (96.9)
スライダー 32.6% (85.4)
チェンジアップ *5.1% (89.7)

2023年
カッター 48.1% (90.6)
フォーシーム 37.3% (96.1)
スライダー 11.8% (83.9)
チェンジアップ 2.9% (89.2)

フォーシームとスライダーの割合を大きく減らし、カッターが50%近くを占めるようになりました。

球速帯で見ると、スライダーを昨年までよりも遅くし、スライダーとフォーシームのほぼ中間にあたる球速帯のカットボールを投じています。

これは変化量を見ても同様で、カッター(図中茶)フォーシーム(図中赤)とスライダー(図中黄色)の中間程度の変化をするボールになっているようです。

図はBaseball Savantより

なお、スライダーの変化量も少し調整したようで、2022年に投げていたものに比べて2.5インチ(6cm)ほど横方向に大きく曲がるように変更しているようです。


結果&ちょっとだけ考察


結果としてみると、この変更はフリアスの投球にかなりの恩恵をもたらしました。フリアスはこれまで球速はありながらもなかなか相手打者を打ち取ることができず、粘られた末に四球やハードヒットを浴びることが多かった印象でした。

カットボールをレパートリーに加えたことで四球割合が5%(18.9→13.5)以上低下。また、特筆すべきはハードヒット率で、44.8→36.5と8%も低下させました。相変わらずストレートは打たれまくっていますが、カウントを整えつつ空振りも取れるボールとしてカッターを使うことで、ストレートに頼らざるを得ない状況を減らすことができたのが成績改善につながっていそうです。

来季以降はどうなるかわかりませんが、このまま改善を続けていけば勝ちパターンを担える可能性もあるのではないでしょうか。


この記事が参加している募集

野球が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?