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何もしないともっと暑くなる――国連と参加メディアが「1.5℃の約束」キャンペーンで「個人でできる10の行動」を呼びかけ

国連広報センターは、メディアと共同で展開している気候キャンペーン「1.5℃の約束 - いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」の一環として、SNSムーブメント「何もしないともっと暑くなる」をスタートさせた。このキャンペーンでは、8月1日~9月30日の期間、SNS投稿を通じて市民に気候変動を食い止めるためのアクション(行動)を呼びかけ、その輪を広げることを目指す。

国連事務総長、猛暑に対する緊急の呼びかけ

昨夏の猛暑を上回る可能性がある今年、異常気象による安全な暮らしや健康への脅威に対する懸念が世界各地で高まっている。日本においても同様の状況が広がっている。

欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」によれば、2023年6月以降、13か月連続で月ごとの世界平均気温が観測史上最高を記録している。2024年7月21日には世界の平均気温が観測史上最高を更新し、翌22日にさらに更新された。また、国連の世界気象機関(WMO)は、2024~2028年の5年間のうち、少なくとも1年は世界の年間平均気温が1.5℃の上限を超える可能性が80%であると予測している。

この状況を受けて、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が「異常な暑さに対する行動の要請」を発表し、緊急の呼びかけを行った。提示された対策には、特に脆弱な立場の人々や労働者を守るための対応、暑さに対するレジリエンスの強化、地球の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるための気候行動が含まれている。グテーレス事務総長は「異常な暑さは人間の化石燃料使用によって引き起こされた気候変動が原因であり、この問題が悪化することは明らかである。しかし、私たちには解決策があり、命を守り影響を最小限に抑えることができる」と述べている。

7月25日、グテーレス事務総長は、猛暑について報道陣に報告し「世界は気温上昇の課題に立ち向かわなければならない」と言及した。UN Photo/Mark Garten

気候変動の抑制に一人ひとりができること

グテーレス事務総長の言葉にもあるように、地球の平均気温の上昇を止めるためには、その原因となる気候変動を食い止める必要がある。これには、政府や企業、自治体の取り組みに加え、一人ひとりが具体的な行動を起こすことが求められている。国連広報センターが展開する「1.5℃の約束」キャンペーンは、そうした一人ひとりの行動を促すことを目的としたものだ。

2024年のキャンペーンでは、国連が推奨するActNow(※)「個人でできる10の行動」を中心にSNSムーブメントが展開され、個人に気候変動を呼びかけている。この10の行動は、移動手段から使用する電力、食べ物、そして声を上げることに至るまで、個人が実践できる内容を取り上げている。

「個人でできる10の行動」リスト

①家庭で節電する
②徒歩や自転車で移動する、または公共交通機関を利用する
③野菜をもっと多く食べる
④長距離の移動手段を考える
⑤廃棄食品を減らす
⑥リデュース、リユース、リペア、リサイクル
⑦家庭のエネルギー源を替える
⑧電気自動車に乗り替える
⑨環境に配慮した製品を選ぶ
⑩声を上げる

イラストを交えた「個人でできる10の行動」リーフレットは、以下からダウンロードが可能である。
ActNow「個人でできる10の行動」リーフレット

※ActNowは、個人レベルでの気候アクションをグローバルに呼びかけることを目的として、2018年に始動した国連のキャンペーンである。

国連とメディア・団体が連携する「SDGメディア・コンパクト」とは

「1.5℃の約束」キャンペーンは、国連とメディア・団体のグローバルな連携の枠組み「SDGメディア・コンパクト」に加盟する日本のメディア有志によって共同展開されている。2024年で3年目となり、165社(7月18日現在)が参加している。インプレスホールディングスもその一社であり、Impress Watchなどインプレスグループのメディアのほか、同社の研究組織であるインプレス・サステナブルラボでも『D for Good 』における記事やSNS投稿を通して、本キャンペーンを発信している。

文:遠竹智寿子
フリーランスライター/インプレス・サステナブルラボ 研究員

トップ画像:iStock/Tomwang112
編集:タテグミ

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