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デジタルで未来を明るく! 「D for Good!」スタート

『インターネット白書』『SDGs白書』(発行:インプレスR&D)という2つの年鑑を企画・編集しているインプレス・サステナブルラボでは、研究員によるニュースサービス「D for Good!」(ディー・フォー・グッド  #d4gjp )を始めます。DはDigitalの頭文字で、個と個がつながるインターネットを指しています。for Good!はソーシャルグッドで、SDGs経営の観点でもよく触れられる「三方良し」(売り手良し、買い手良し、世間良し)の意味を込めています。

『インターネット白書』と『SDGs白書』

『インターネット白書』 は、インターネットのインパクトを社会、ビジネス、技術の観点から報告しようと1996年に第1号を発刊し、最新刊の『インターネット白書2021』(副題:ポストコロナのDX戦略)で25号目を迎えました。今や5Gなどモバイルネットワークの高速化が進み、報告するサービス事例も増えましたが、人やモノがつながり、新しいことを創り出す基盤としてのインターネットは普遍的なものです。

一方『SDGs白書』は、国連でSDGs(持続可能な開発目標)が採択されて4年がたった2019年、行動の10年に向かうタイミングで第1号を発刊し、この2021年5月には、2号目となる最新刊『SDGs白書2020-2021(副題:コロナ禍の先の世界を拓くSX戦略)』を発刊しました。

この白書では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に拡大する中でのSDGsへの取り組みを振り返るとともに、エネルギー転換、サーキュラーエコノミー、生物多様性、SDGs教育、日本の貧困問題、プラスチックごみなどの様々な社会課題に、いろいろな立場の人たち(ステークホルダー)が「つながる」ことで取り組んでいることを報告しています。そして、コロナ禍においてそのオープンなつながりを支えているのがインターネットであり、デジタルテクノロジーの役割です。

【インターネット白書やSDGs白書で扱ってきたこと】
●People:ライフスタイル
ソーシャルディスタンス、働き方改革、移動、オンライン教育・スキルアップ、ネット消費・巣ごもり消費、リモートコミュニケーション、社会貢献、起業、オンラインエンターテインメント、防災 etc.

●Digital:インターネット、デジタルテクノロジー
リモートコミュニケーション、5G、ビッグデータ解析、マッチング、IoT、リモート、デジタルツイン、AR/VR、クラウド、EC、AI、ドローン/ ロボティクス、ブロックチェーン、暗号資産、キャッシュレス、シェアリングエコノミ―、MaaS、インターネットガバナンス、オープンデータ etc.

●Sustainability:社会課題
SDGs、サーキュラーエコノミー、エネルギー転換、カーボンニュートラル、地域活性化、ダイバーシティ&インクルージョン、生物多様性、ウェルビーイング、ESG  etc.

DXとSX、できるところから始める

『SDGs白書』の企画者であり、第1号からの編者である慶應義塾大学 SFC研究所 xSDG・ラボと、xSDGコンソーシアムが2021年3月に発表した「コロナの経験を踏まえたSDGs達成へのカギとなる12の方策」では、方策の多くがデジタルテクノロジーの活用によって実現するもので、その方策1ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)とSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の融合が新しいビジネスモデルを作ると述べられています。

【コロナの経験を踏まえたSDGs達成へのカギとなる12の方策】
方策1.オンライン・デジタル技術の活用
方策2.テレワークの定着化と多様性ある働きかた
方策3.都市構造の変化への迅速な対応
方策4.産業構造の変化への迅速な対応
方策5.移動の変化
方策6.サプライチェーンの改編
方策7.価値観の変化に伴うライフスタイルやビジネス変革への対応
方策8.再エネ利用の促進と気候変動対策の経営・政策への統合
方策9. 対面とデジタルを融合した教育
方策10.生態系・自然と人間との適切な距離・関係を維持した開発
方策11.BCPの検証と対応
方策12.感染症対策の徹底
(出所:慶應義塾大学 SFC研究所 xSDG・ラボと、xSDGコンソーシアム)

実際には、サステナビリティを目指す多くの取り組みはまだ試行錯誤の段階で、ビジネスにおいてはトレードオフに直面することもあります。例えば、私たちの『インターネット白書』『SDGs白書』では発行を持続するために、POD(プリント・オンデマンド)の仕組みを利用して大量印刷をしない無在庫販売の方法を採っていますが、これまでの出版ビジネスから考えるとイレギュラーなことばかりです。

それでもデジタルとサステナビリティを前提に考えていくと、これまで当たり前だと思っていたビジネスの進め方が持続性を持った「未来のかたち」に変えられることを実感しています。この25年ほどの間にインターネット上で多様なビジネスが生まれてきたように、サステナビリティに向けた取り組みも、トライアルを繰り返しながら参加者を増やしていくのだと思います。

デジタル × サステナビリティの話題をお届け!

D for Good!では、「デジタルで未来を明るく!」を掲げて、デジタルとサステナビリティがクロスする話題を週2回程度、お届けする予定です。『インターネット白書』(DX分野)や『SDGs白書』(SX分野)の取材活動で見聞きしたデジタル関連のニュースの中から、サステナビリティ推進のヒントにつながる話題をピックアップしていきます。

具体的には次の事柄を扱う予定です。

①コロナ後のニューノーマルなライフスタイル/ビジネススタイルに合うデジタルサービス、取り組みの紹介

②サステナビリティ推進のヒントとなるオープンデータ、オープンソース、リサーチデータ、デジタルプロジェクトの紹介(白書の中身も少し紹介)

③それらのベースとなる政策や知っておきたい動きなど

先に紹介したPODの事例のように、インプレスインプレスグループ内のトライアルや、白書の中で解説されていることも共有していきますので、いろいろな実践例を読んでいただき、明るい「未来のかたち」に思いをはせていただければ幸いです。

【D for Good!の目指すもの】

三元図



 挨拶文:錦戸陽子(インプレス・サステナブルラボ主席研究員)