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「世界で最も持続可能な100社」に日本企業は何社入っている?

「企業のサステナビリティ」への取り組みを検証・評価し、順位を付ける「世界で最も持続可能な100社(Global 100)」を取り上げる。

「世界で最も持続可能な100社」とは?

毎年、ダボス会議(世界経済フォーラム)の開催に合わせ、「世界で最も持続可能な100社」(以下、Global 100*)というランキングが発表される。カナダの出版・調査会社のコーポレート・ナイツが、世界の主要企業を対象に、環境、社会、ガバナンス(ESG)、ダイバーシティなどの取り組みを評価し、持続可能性の高い企業上位100社を選出するもの。

対象となるのは、売り上げ10億米ドル以上の上場企業である。まずは数千社のノミネートの中から“財務状況”と“製品カテゴリー”によるスクリーニングが行われる。基準を満たした企業は、24項目から成るKPI(重要業績評価指標)によってスコアリングされ、順位が付けられる。

KPIには、エネルギー生産性、廃棄物生産性、サプライヤー評価、CEO報酬と従業員報酬の比率、事故死者数や離職率などが含まれ、今年は新たにクリーンエネルギー投資、有給休暇、経営・取締役の人種多様性が加わった。現在のGlobal 100の評価指標はSDGsの課題とリンクしていると言っていいだろう。

「2021 Global 100」のトップ10

今年1月に発表された2021年版では、8080社が評価対象となった。選出された企業のトップ10は以下の通り。

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1位のシュナイダーエレクトリックは、前年の29位から最上位に浮上。同社は、ここ数十年、データセンターなどの分散型エネルギー資源や電化・エネルギーの効率・再生可能性を向上させるスマートソリューションに焦点を移し、現在、こうした持続可能なソリューションからの収益が全体の70%を占める。また、今回は、多様性への取り組みも高く評価された。

日本企業は100社中5社、2013年以降減少の理由は?

日本からは、エーザイ、シスメックス、コニカミノルタ、積水化学工業、武田薬品工業の5社がランク入りしている。

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2020年版に入っていた花王、パナソニック、トヨタ自動車はランク外に、エーザイとシスメックスは返り咲く結果となった。日本企業としては最上位のエーザイは、クリーンな収益と投資、従業員の安全性と安定雇用などの点が特に高く評価された。

Global 100の過去のデータをさかのぼってみると、2005年の開始当初から日本企業はランク入りしている。同年にはデンソーやリコーなど5社が、2006年から2012年までの間は十数社が100位内に選出されていたが、2013年には4社に激減、その後は5社前後となっている。

例えば2009年には、イオン、ダイキン工業、JR東日本、ホンダ、クラレ、三菱重工業、日本郵船、NTTデータ、NTTドコモ、パナソニック、リコー、積水化学、損保ジャパン、凸版印刷、トヨタ自動車と、15社が名を連ねていた。

日本の企業数が急減した2013年の前年のデータを見ると総合スコアが20%の企業もランク入りしている。一方、2021年版では100位のNVIDIAの総合スコアが49.8%、つまり現在では50%は必要というわけだ。

欧米が優勢、今後のアジア国の動向にも注目

今回の2021年版の100社を地域別で見ると、欧州46社、北米33社、アジア・太平洋18社、中南米2社、中東・アフリカ1社となっている。欧州と北米で8割となり、上位10社の企業を見てもこれら地域の企業で占められている。日本5社の総合スコアは60%以上と以前より高くなってきてはいるものの、それ以上に欧米を中心とした企業が“サステナビリティ”に本気を出してきた結果だろう。

来年以降の動向、特に現在は1〜2社しかランク入りしていない中国をはじめとするアジア勢がどう動いてくるかにも注目していきたい。

文:遠竹智寿子
フリーランスライター/インプレス・サステナブルラボ 研究員

*Global 100 – The most sustainable corporations in the world
https://www.corporateknights.com/rankings/global-100-rankings/

トップ画像:iStock.com/Boonyachoat
編集:タテグミ