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夜更けの思索宮

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時には哲学を、古代ギリシャを、あるいは皮肉やのイタリアの彼氏のような、ちょっといつもの場所をはなれて遊ぶ
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#ニコマコス倫理学

Nature Centeredな考え方の基礎は節制ではないか?とアリストテレスは問う

 アリストテレスの「二コマコス倫理学」第三巻<性格の徳>の構造分析、および勇気と節制を読む。この第三巻読んだところ、あまり節制の議論は出てこない。以下では、人と社会との関係性において、私たちの選択、節制ことが、アリストテレスの目指す善・徳にとって鍵になることを示す。 行為と目的の関係 私たちは、自分の欲求・満たしたい目的に向けて、行為を選択する。アリストテレスは、行為には2種類、「自発的」行為と「非自発的」行為があり、それらを、行為の始点によって区別する。つまり、始点が「外

共に行動することで、徳を共創することの意味

 今回は、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』の第二巻を読む。ここでは、性格の徳について説明している。以下に、主なポイントをまとめる。 (上部写真はEffectuation Conferenceの名物イベントのEffectual Dinner、持ち寄った材料でみんなの夕食を共に作る。) 2つの徳「性格の徳」と「知的徳」徳の種類によって「性格の徳(Ethics of Character)」と「知的徳(Intellectual Virtues)」の2種類に分けられる。性格の徳と