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夜更けの思索宮

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時には哲学を、古代ギリシャを、あるいは皮肉やのイタリアの彼氏のような、ちょっといつもの場所をはなれて遊ぶ
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#地中海

『地中海世界』フェルナン・ブローデル - 海

地中海の唯一の豊かな漁はまぐろ漁 学生の時、訪れたギリシャで食べたのは、ヤギのチーズとオリープがたくさんのったサラダとムサカだった。海に囲まれているのに、魚が少ないと感じたことを思えている。「水産資源としての地中海は貧しい」とブローデルはいう。それもそのはず、google mapが示す地中海は深く、魚が好むプランクトンなどの餌がない。そのため、限られた種類の、少量の魚しか取れないのだ。 道としての地中海 一方、「交通路」として地中海は、地中世界の「富のための道具」である。今

『地中海世界』フェルナン・ブローデル - 陸地

先日、FBで安西さんが読書会をすると話していて、それも題材は欧州の文化に関する本フェルナン・ブローデルの『地中海世界』だと知り、合流することにしました。その最初の一章を1000文字制限でお送りします。 ~~~~~~~~~~~~~~ 「節制」を運命付けられた土地 地中海というと何を思う浮かべるだろうか?アマルフィのアッズーリ色に染まる空、海はブル・カプリ。イタリアには青緑色を語り色に地名が多く使われている。それらに彩られた豊穣の光景を浮かべるのではないか。  しかし、ブ