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夜更けの思索宮

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時には哲学を、古代ギリシャを、あるいは皮肉やのイタリアの彼氏のような、ちょっといつもの場所をはなれて遊ぶ
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#文化

「武士道」は遊びであり、文化を形作る

 今回はホイジンガの「ホモ・ルーデンス」読書会の2回目です。今回は、「2. 遊び概念の発想とその言語的表現」と、「3. 文化創造の機能としての遊びと競技」です。  ヨハン・ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』は、遊びが通常の真面目なこと以外の部分であるという一般的な考えを覆すために、遊びが文化の形成や社会的な機能において重要な役割を果たすことを論じています。彼は、遊びが単なる娯楽や時間つぶしではなく、真剣で深い文化的意味を持つものであることを示しています。 遊びの重要性  ホ

『時』に生きるイタリア・デザイン-3: 「倫理的な観点」から認識されるイタリアデザイン

 第2回で多様なものを統一していくイタリアデザインについてみていきました。それができるのは、多様な考えの中でも一貫している、反インダストリー、反大量生産といったデザイナーの社会を見る皮肉的(irony)な視点です。戦後生まれたラディカルデザインは、そのものがもつ本質を再発見することを目指しました。今回はその後のイタリアデザインの展開についてみていきます。 イタリアのポストモダン宣言 1980年のベネツィア・ビエンナーレには初めて建築部門が加わり、ディレクターのパオロ・ポルゲ

イタリア人の家族主義と根源的「不信の文化」

 今回は、『イタリア的:「南」の魅力』ファビオ・ランベッリ第4章 「イタリア政治の不思議な世界-カーニバルとユートピアのあいだ」です。 イタリアの右翼と左翼  通常、右翼保守的、左翼革新的というふうに使われるが、イタリアでは異なっており、右翼は、ファシスト、自由主義、キリスト教系の政党で、左翼は社会主義や共産主義とされる。90年代初頭の政界の大再編が起こり、フファシスト的な要素が弱まり。キリスト教派と共に「国民連盟」となる。ベルルスコーニが新党を結成に、1993年に「がん