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夜更けの思索宮

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時には哲学を、古代ギリシャを、あるいは皮肉やのイタリアの彼氏のような、ちょっといつもの場所をはなれて遊ぶ
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2023年5月の記事一覧

時代の要請によって出現した詭弁家ソフィストは思想的には根無し草か?

 いよいよ「ソフィスト」の概要があきらかになる2章を読んでいきます。前回まで、哲学者が絶対的真理をもとめ対話するのに対して、ソフィストは相対主義者であり他の主張に対して、詭弁術を駆使して反駁するものとして描かれます。さらに、お金をもらって徳を教育し、通常はそれらを受けることができない若年で政治的な野望を持つ層から歓迎される指導者でもあります。議論を闘う術・プロセスにはたけていても、何を主張して闘うのか、徳そのものをどのように教育したのでしょうか? 詩的世界から現場に降りてき