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夜更けの思索宮

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時には哲学を、古代ギリシャを、あるいは皮肉やのイタリアの彼氏のような、ちょっといつもの場所をはなれて遊ぶ
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2021年1月の記事一覧

ブローデル『物質文明・経済・資本主義 15-18世紀 日常性の構造』 第3章 余裕と通常ー食べ物と飲み物ー

たらふく食べる贅沢 東洋において5世紀に登場した贅沢な食卓は、ヨーロッパにおいては15世紀にもなってから、それもイタリアの裕福な都市だった。また、『贅沢』と言うことは、質は2の次で、『たらふく食べる』といことを意味した。つまり、15世期以前のヨーロッパには洗練された食事はなく、むしろ中国の方が料理の多彩さと言う意味では進んでいたのである。  ヨーロッパの食事は、大量の肉、これが贅沢の象徴だった。そのころの保存の効かない肉を食べるために、香辛料を探し求めて高騰した。一方、中国