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Genichiro『Formula EP』リミックス後記

序文


2014年2月、自分がはじめて人前でDJをしたときに共演をしたのがgさんだった
共演したのは神戸のキテンというスペースで開催されていたネオコウベシティというイベントで、確かニシムラさんなどのレギュラーの方々以外に、ゲストでgさんと自分、といったような布陣だった記憶
もともとツイッター上でしか面識はなく、その日は初対面だったのだが、前飲みの場に現れたgさんが開口一番に「わらかん、サン・ラ聴こうや!!」と言ってきたのを今でも昨日のことのように思い出せる その衝撃がすごすぎて、逆にそれ以外のことはあんまり覚えていない
そういえば、その日はKotetsuさんや文筆家の神野さんもいらしていて、明け方みんなでファミレスに行った パフェを突っつきながら粋な夜電波の話などに熱狂する3人を見ながら、自分はその辺を通っていなかったので「みんなすごいな〜」とただただぼんやり眺めていた gさんと神野さんはミスチルが好きだったので、その話題に参加できた記憶はある 蘇生のアルバム版の長いイントロいいよねみたいな話を、確かしたと思う 「二車線の国道を〜♪」と歌っていたgさんの姿は記憶にしっかりとあるので、きっとしてる


その日の自分のプレイリスト


話は変わるが、gさんは、いつも自分が投げかける突拍子もないアホみたいな質問にも、なんやねんと初手では言いつつも真面目に返してくださったりする(この間もイベントの最中に「曲ってどのタイミングで繋げばいいんですかね、、?」という質問を投げかけ困らせてしまったが、最終的にはむちゃくちゃ論理的な返答をいただけてすごかった)

そんな感じ?で、なんだかんだもう知り合ってから10年も経ち、とにかくgさんにはお世話になりまくっている 大学でワークショップを企画した際なども快く引き受けてくださったり、(その節は有村さんや小松さんにもお世話になりました、、)、書いていて思い出したが、gさんのepのジャケを作ったこともあった
(もう消えてしまったのでネット上では聴けないけど、三毛猫ホームレスさんのリミックスだけサンクラに残っていた↑)
そういったこれまでの関係性もあり、今回リミックスを作るに際して、かなり肩に力が入っていた
毎回もちろん気合を入れてやっているけれども、今回は特に、、、


〜以下、リミックス完成までの日々〜

2月半ば リミックスの依頼をgさんからいただく

4月頭 パラデータ到着
仕事であまりにもグロッキーになっていたこともあり、gさんに相談し5月中までには仕上げる目標で制作開始

5月末 リミックス(下記バージョン)完成
微調整、ミックスの猶予として6/9を締め切りに再度設定してもらう

6/4 どうしても仕事との調整がつかず、6/21を完全デッドとして再度締切を調整していただくことに、、、

6/21 結局イチから作り直し、ノンビートの下記バージョンを仕上げ、gさんに送信

4つ打ちの方向(↑)でも作り直したのだが、展開が思いつかず没に

gさんと相談すると、両バージョン入れてもいいのでは?と一言
「ジャケができるまではまだ微調整しても大丈夫!」という優しい言葉に甘えて、ハウス方面のリミックスをどのように仕上げるか、ここからまた2ヶ月近く頭を悩ませていくことになる

また、リリースタイミングが9月、それに伴った某催しの日時も正式に決定 ということでデッドが9月と完全に定まる

8月 酷暑の中、約2年間お世話になったサンレコの編集部を退職
あらべぇこと荒井優作氏のワークショップに参加させていただいたり(セラピーのような体験だった、、)、パソコン音楽クラブのイベント「Texo」を観に行ったり、ガクヅケの単独や大学お笑いの夏の大会の決勝などに足を運びつつ、頭の片隅では「リミックスをそろそろ仕上げなくては、、」という気持ちがずっと浮かんでいた

9月上旬 ハウス方面のリミックスを結局また作り直し、以下の2パターンが出来上がる(そのうち一つは「Formula(MASAKI KAJI remix)」として収録された)


gさんや聞いてくれた友達からの評判もそれなりで、この方向性でいくか、、、とようやく踏ん切りがつく

9/12  gさんから完成版が到着 あまりのすごさに面食らうとともに、リミックスの出来に自信を失ってしまう

–––– 時は遡り、8月某日
囲碁将棋、エバース、ダイタク、石井ブレンドという「まるで自分のために開催されたのか?」というくらい自分が好きな布陣が揃っていた日の大宮よしもとの劇場に足を運ぶ
1公演目を見終わり、2公演目までの間、下の階のブックオフを物色して時間をつぶすことに
途中、古本コーナーで見つけた村上春樹の『職業としての小説家』になぜか不思議なほどに引力を感じて思わず手に取って少し立ち読みをする
小説の書き方や制作ルーティン、また、書くテーマの見つけ方やこれまでやってきた試行錯誤、小説を書き続けるためにやってきた体力作りなどなど、そういった内容がただひたすらに朴訥と書かれているだけなのだが、自分的にはそれがあまりにも音楽制作に通じるものとして読めてしまい、単行本で持って帰るのもめんどくさいな、、とも一瞬思ったが勢いで購入した

時間軸は再度戻って9/12 落ち込んでいても仕方ないので、なんとなく先日購入した『職業としての〜』をあらためて読んでみる
そのあまりの実直さ––ただひたすらに毎日書いて、書き上がったらそれをまた何度も書き直してを繰り返している姿を読んでいるうちに、またやる気がふつふつと少しずつ出てきた
自分の説明だとこの本の魅力が1ミリも伝わらないような気がするので、、もし気になった方は古本屋などでぜひ探してみてください 読んだら元気が出ます、きっと

9/22 そんなこんなで同じように毎日作って作り直しての地味な作業を繰り返したのち、最終バージョンの新しいリミックスが完成する↓

なんとなくこのときは最近購入したregelbauの中古盤やsex tagsの昔のリリースなどを何度もリファレンスとして聞き返していたのだが、結局全然違うものができた
とにかく臆せずバシャバシャになっちゃってもいいからリバーブをめっちゃかけることと、ワンコードで突っ走ることだけを意識していた気がする
あと、いつもと違って、ある程度まで詰めたらどのトラックもすべてオーディオ化してしまった あとに引き返せないようにすれば自然とできるのでは、、?的な期待があった気がする

この日はリミックスも夕方までになんとか完成したので、見に行きたかった南極ゴジラをキャンセルせず観劇することができて本当によかった 絶対に終わらせて観に行くぞ、、という気持ちがあったからこそできたといっても過言ではないかもしれない
(↓映像版の配信が始まったようなのでぜひ!!)

9/23 ノンビートのバージョン、9月上旬にできたテックハウスバージョン、最新の勢い系の全3タイプをミックス/マスタリングを行い、納品

10/1  祝リリース
https://g-blackglass.bandcamp.com/album/formula-ep

毎度のことながら、uemayaさんのアートワークが最高、、、

自分のリミックスは、gさんのご厚意もあり3タイプとも収録していただけたので、「むちゃくちゃ迷いに迷ったんだな、、」というとこも面白がりつつ聴いてもらえれば幸いです、、

というか自分のリミックスはさておき、gさんの曲がダブバージョン含めむちゃくちゃヤバいので、そちらだけでもぜひ聴いてみてください!
あと、フォーミュラってタイトルかっこいいですよね。レースの方の意味なのか、「公式」とかの単語としての意味合いなのか、そこまでは教えてもらってないので今度聞いてみたいと思います


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