見出し画像

イングリッド・バーグマン

先日第93回アカデミー賞が発表された。

中国人女性監督クロエ・ジャオの、
外国語作品「ノマドランド」が、
作品賞、監督賞をダブル受賞に、
主演女優賞受賞の快挙だ。

映画の歴史で、最も古い名作といえば、
「風と共に去りぬ」だろうか。
1939年第12回アカデミー賞で10部門を受賞する。

だが僕にとっては、1943年第16回アカデミー賞で、
作品賞と監督賞を受賞した「カサブランカ」だ。

「As Time Gose By」の旋律と、ハードボイルド。

この年「誰がために鐘は鳴る」のほうで、
主演女優賞ノミネートのイングリッド・バーグマンは、
1944年第17回の「ガス燈」で受賞する。

僕が子どもの頃から憧れた女優だ。

ある意味失礼かもしれないが、
もう息を呑むほどの美しさ、なのだ。

「カサブランカ」ではハンフリー・ボガートと、
「誰がために鐘は鳴る」ではゲイリー・クーパーと。

ケーリー・グラントとの共演は、
1946年のヒッチコック監督「汚名」で実現する。

実は「風と共に去りぬ」のプロデューサー、
セルズニックは同時に「別離」を製作したが、
これがイングリッド・バーグマンの、
アメリカ映画デビューだった。

この「別離」を観て、
ヘミングウェイが「誰がために鐘は鳴る」は、
彼女以外考えられない、と言ったそうな。

セルズニックは翌1940年に、
ヒッチコック渡米1作目「レベッカ」で、
第13回作品賞を続けて受賞する。

同じ年、作品賞ノミネート止まりだったのが、
チャールズ・チャップリン監督、脚本、製作、主演で、
彼の最高傑作とも言われる「独裁者」だ。

ちなみに1941年第14回アカデミー賞で、
作品賞ノミネート止まりの「市民ケーン」は、
若きオーソン・ウェルズの初監督作品として、
高く再評価されている。

これらが第二次世界大戦中に製作されたのだから、
アメリカという国は本当に恐ろしい。

イングリッド・バーグマンは、
後にスキャンダルに苦しむが、56年の「追想」で復帰し、
見事2度目のアカデミー主演女優賞を獲得。

旧友ケーリー・グラントが、代理でオスカーを受け取った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?