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ネットで知り合った友人と起業して1年ちょっとのふり返り

1年ちょっと前に、ネットで知り合った友人と株式会社ダンミカを創業した。

起業して2ヶ月半の時点で書いたnoteの終わりに

来年の今頃には、もっと良い報告ができますように。

と書いたので、あらためて現状の進捗をふり返ろうと思う。

「良い報告」ができるかはかなり微妙だが、なんとか存続しているので、リアルな報告はできるはず。飽きるまで読み進めていただけるとうれしい。

やってきたこと

資金調達や、会社としての受託開発はせず、自分の食い扶持はそれぞれが勝手に稼いだ。
(2人ともエンジニアなので、それぞれが業務委託などの仕事を受注した)

毎日18時にgatherに集まって打ち合わせ。進捗報告や今後取り組むことの相談、問い合わせなどの対応方針を調整して、それぞれの作業に入る。

キリの良いところで解散し、各自空き時間で作業を進め、翌日の18時にまたgatherに集まる。

そして2022年5月に、株式会社ダンミカ初のサービス、HyperFormをリリースした。

それからは、ユーザーインタビューをしたり、問い合わせサポートに力を入れたり、上がってきた声をもとにサービスをブラッシュアップしたり、導入事例インタビューをして記事を公開したり、ひたすら地道な改善をくり返して今に至る。

気がついたら1年が経っていた。

「すごく充実していてあっという間だった、サイコー!」というよりは
「まだこれしかやってないのに、1年も経ってしまった」という感覚が強い。

ここからは、どのあたりに「やり切れなさ」を感じているのかについて書いていく。

食えるようになるまで遠すぎる

ありがたいことに、HyperFormのユーザー数はある程度順調に伸びている。

リリースから半年で、無料ユーザーを含めると400人以上の会員登録があった。バズった時に一時的に増えたとかではなく、毎日1~2人ずつ着実に増えている。

営業やプロモーションなどに、お金も工数もあまりかけずに、2人で細々とやっている割には悪くない数字だと思う。

ユーザーからの反応も良い。IFTTTを使ってTwitterでエゴサーチをしているけど、ほとんどが好意的な反応だし「既存ユーザーにおすすめされて使い始めました!」という声もよく聞く。

最近はSEOも強くなってきているようで、「問い合わせフォーム系のツールをググったら辿り着きました」という声を、以前より明らかに多く聞くようになった。

にもかかわらず、HyperForm1本で食べていける見通しが全く立たない。

サーバー代などはなんとか売上から賄えているけれど、税理士やバーチャルオフィス、会計ソフト、均等割とかまで考えると普通に赤字である。

ぼくら2人の人件費を無視した上での赤字。

いわゆるスタートアップのように大規模な投資をしている企業の赤字と、細々と着実に積み上げる道を選んだぼくたちの赤字ではわけが違う。

月額980円というプライシングが1つの原因であることはほぼ間違いないけれど、どうやってテコ入れするのが良いか、いまだに悩み続けている。

1年前の時点では、苦戦しているトーンの記事を書きながらも

「ウチら最強だし、1年あればMRR100万くらいいけるでしょ〜」

みたいな気持ちも心にあったんだけど、現実は意外と甘くなかった。

思うようにサービスをリリースできなかった

もともとは、HyperForm以外にもプロダクトをポンポンとリリースしていく予定だったけど、結局この1年HyperForm1つしかリリースできなかった。

HyperFormに思ったよりユーザーがついたこと、ユーザー対応や細かな改善をしっかりやったこともあるけど、何より大きな原因は「投入時間の少なさ」だと思う。

フリーランスの仕事に一定の時間を投入するのはしょうがないし、プロボクサーを目指しているので、毎日ボクシングの練習に時間を割くのも、最初から分かっていたことだ。

でもそれ以外の時間を全てダンミカの活動に当てることができているかというと、全くそんなことはない。

普通に本とかマンガとか読むし、YouTubeで昔やってたゲームのプレイ動画をダラダラと見ちゃうし、最近はめちゃくちゃな頻度でおばあちゃんの家に行っている。

生活は安定してるし、株式会社ダンミカとしても、プライベートの活動も、すこしずつ前に進んではいる。胸を張って言えるほど順調ではないが、かといって全くダメなわけでもない。

それでも、本気で1つのことに全力投球している人の人生に触れることがあると、「おれの人生、ホントにこれで良いのか?」という気持ちになったりもする。

何かを変えなきゃいけない気もするけど、変えなきゃいけない切実な理由はない。最近は、1人で焦ってることこそが問題で、今のペースのまま着実に進むのが、なんだかんだ1番良い結果に繋がりそうな気もしてきた。

この辺のモヤモヤは、きっとしばらく無くならないだろう。

よかったこと

ここまでいろいろ書いてきたが、決して悪いことばかりではなかったので、良い面にも目をむけよう。

まず1年間止まることなく活動が続いたし、今も休止や解散をする雰囲気は無い。

去年の時点では「1年くらいやって明確な結果が出なかったら、どちらかが嫌になってやめちゃうんじゃないか」みたいな心配をしていたけど、別にそんなことはなかった。

儲かってはいないけど一定の反響をもらえたので、お客さんとご飯を食べに行ったり、計4社のVCの方から声をかけてもらって雑談したり、サービスリリース前にはできなかった経験もできて楽しかった。

慣れやテンプレ化でスピードが上がった作業も多く、今後他のサービスをリリースする時には、HyperFormの時よりずっと効率的に動くことができると思う。

共同創業者のmikkameさんとの相互理解も深まったように感じる。

たくさん揉めただけあって、相手の嫌がるポイントなど、お互いに掴めてきた感じがあるし、すべてに100%で打ち返さず、良い感じに力を抜いてコミュニケーションを取れるようになった。

本番だと思って取り組んでいたから悔しいけど、仮にこの1年間をトレーニング期間と捉えれば、それなりに質の高いトレーニングができたと言えそうだ。

これからどうしたいか

もう少し、サービスをリリースするペースを上げていきたいと思っている。

欲しいものを形にするのは単純に楽しいし、リリースすることで得られる学びも多いし、くり返すことでスピードも速くなる。

売り上げを立てることと比べて、自分たちでコントロールできる部分が大きいと思うので、がんばりたい。

取り組み方についても、心にモヤモヤを抱えながらもひとまずは、確変を狙って派手な行動をするのではなく、地道な改善を続けていこうと思う。

時間のかかる作業を細分化してボトルネックを見つけたり、時間の使い方を工夫したりして、少しずつスピードアップしていく。

来年の今頃にはもっと良い報告ができますように。


この記事はエンジニアと人生Advent Calendar 2022 2日目の記事です。

またnoteメンバーシップでも記事を書いているので、ご興味あればぜひ🙏


最後まで読んでいただきありがとうございました!