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25歳男、高校生にボコられて泣く

ぼくは11ヶ月前、24歳でボクシングを始めた。

そして1週間前に初めての試合があり、高校生に負け、悔しくて泣いてしまった。

高校サッカーの引退試合でも、周りが号泣している中、ぼく1人泣かずにいたので、悔し泣きなんてもう一生しないと思っていた。

試合から1週間が経ち、だいぶ心がおちついてきたので、ここで一度、11ヶ月間のボクシング人生を振り返ってみよう。

軽い気持ちで始めたボクシングに、こんなにのめり込むことになるとは。

◆ ◆ ◆

もともと健康目的でフィットネスジムに通っていたけど、いまいち楽しくなかった。

あまり真剣に取り組んでいなかったこともあり、累計するとそれなりの時間を費やしているのに、筋肉や体力以外これといったスキルが身についていないのもさみしい。

何かスポーツがやりたいと思い、前々から興味があった格闘技について調べてみた。物理的に強くなるとメンタルが安定しそうなイメージがあった。

柔道や剣道は、学生時代に部活で取り組んでいた友人が結構いて、2~3年がんばっても彼らより低いレベルにしか到達できないのは嫌な感じがして、候補から外した。

個人的に一番かっこいいイメージがあったボクシングについて調べてみると「毎日練習すれば1年程度でプロになれる」という情報が入ってきた。

どうやらボクシングのプロライセンスをとるというのは、プロ野球選手になることより、自動車の運転免許をとることに近いらしい。

「防具なしで試合をしても簡単に大怪我をしない」くらいの実力を身につければ、ライセンス取得自体のハードルはそれほど高くないようだ。

「毎日練習すれば1年程度で」という部分が、社会人から新たなスポーツを始める時の目標としてちょうど良いと思った。また練習の強度が高いため、1日の練習時間は1~2時間程度とのこと。これなら無理なく仕事と両立できそうだ。

近所のボクシングジムを検索してみると、自宅から徒歩15分ほどの距離にあるジムが見つかった。

黒い背景のホームページに「事前連絡等は必要ありませんので、営業時間内に直接ジムにお越しください」と書いてある。めちゃくちゃ怖い。

コロナ禍の中だったけど、今やらないと一生やらない気がしたので、思い切って始めることにした。(少なくとも現在までジム内で感染者は出ておらず、また練習中もマスクの着用が義務付けられている)

勇気を出してジムに行ってみる。

学生時代にいた「普段は優しいけど絶対に怒らせちゃいけない先輩」と同じ雰囲気の人がたくさんいて萎縮してしまったけれど、全体的に丁寧に対応してくれて、ロープを飛んだりシャドーボクシングをしたり、サンドバッグ、ミット打ちと1時間くらいつきっきりで指導してもらった。

予想以上に、ものすごく楽しくて、その日のうちに入会を決めた。

(後から知ったけど、最初にミットを持ってくれた人は現役の東洋太平洋チャンピオンだった)

これが約11ヶ月前のこと、当時24歳だった。

◆ ◆ ◆

それから現在までの間、日曜の定休日を除き、ほぼ週6のペースでジムに通った。

始めてから3ヶ月くらいで、明らかに才能がないことに気がついたけど、それと同時に、日々着実にレベルアップしていることもまた確かだった。

考えてみれば、上達のペースを周りと比較することなく、自分の成長だけにフォーカスしてスポーツに取り組んだのは、ボクシングが初めてだったように思う。

またボクシングは個人種目なので、自分の取り組みが100%自分に返ってくるという点も、それまで団体競技しか経験がなかったぼくには新鮮だった。

最初の方は一人もくもくと練習するだけのことも多かったけど、毎日通っていると、少しずつ声をかけられる回数が増えてきた。

トレーナーさんもプロの選手もアマチュアの選手も学生も、みんなそれぞれの視点からアドバイスをくれる。

高校生や中学生からアドバイスをもらうというのは、今までにない経験だったし、最初は怖いと思っていた人たちも、今では全然怖くない。

同じジムの選手の試合をみるために、後楽園ホールにも何度も足を運んだ。
ぼくと同い年の選手のデビュー戦も、東洋太平洋チャンピオンの防衛戦も観た。

全てが新しかった。何か大きなきっかけがあった訳じゃない。気がついたらボクシングが生活の一部になっていた。練習を続けて、ゆっくりと、少しずつだけど着実に上達していった。

◆ ◆ ◆

そして1ヶ月前、初めての試合が決まる。ジム内での非公式の試合だ。

相手は、ぼくより数ヶ月早くボクシングを始めた高校生。
練習の時間帯があまり被らなかったこともあり、正確な実力はわからないけど、ぼくよりは強そうで、だけど全く敵わない相手ではないと思った。

試合が決まると、1人のプロの選手が声をかけてくれて、以来つきっきりで練習を見てくれるようになった。

ぼくが不利だと思って気を利かせてくれたのか、誰かに頼まれたのか、詳しいことはわからないけど、本当にありがたい。

試合までの期間が限られていたので、今のぼくにできそうで、かつ効果的ないくつかの動きを教えてもらい、それらをひたすら練習した。

その選手が練習に来られない日も練習メニューを組んでLINEで伝えてくれたし、実践練習の動画を送ると分析してアドバイスをくれた。

一生懸命練習したし、実際この期間でかなり上達した。

初めての減量も経験した。

4キロちょっとの減量なので、プロの選手に言わせると「なんてことない重量」らしいんだけど、これが想像の倍きつかった。

最後の2キロが全然落ちない。食事の量は減っているのに、練習量は普段より多い。計量直前の一番きついタイミングで微熱が出たのもしんどかった。

たくさん指導してもらって、一生懸命練習して、苦しい減量にも耐えて、、
絶対に勝ちたいと思った。こんな気持ちになったのは高校の部活以来だった。

試合中は、これまでにないくらい集中できて、自分からどんどん前に出ることができた。

それはよかったけど、明らかに技術やスピードで劣っていた。

ただがむしゃらに前に出るだけのぼくとは対照的に、相手は冷静にぼくのパンチを見ていた。

パンチを打つ時に生まれたスキに、何度も繰り返しカウンターを当てられ、まるでモグラ叩きのモグラを演じ続けているかのようだった。

結局ぼくが当てた数の2倍くらいのパンチをもらってしまい、判定で負けてしまった。

◆ ◆ ◆

試合の映像を見返しても、明らかにぼくの動きはノロいしダサい。

ボクシングを始めて、もうすぐ1年になるが、今の実力ではまだまだプロにはなれないだろう。

かなり序盤から気づいてはいたけれど、やはりぼくにはボクシングの才能がないようだ。

だけど、才能がない分野で、情けない姿を晒しながら上達していくのも、これはこれで悪くない。少なくとも、今の自分のことは嫌いじゃない。

何の意味があるかとか、何に繋がるかとか、そんなことはどうだっていい。

やりたいからやる。悔しいからやる。苦しくてもやる。

こうしてぼくは強くなっていくのだ。

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ダン(25)

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