冬山の中のダイビングポイント「潮騒」
だいぶ昔のことです.栃木県のハンターマウンテン塩原スキー場によく行った時期がありました.ハンターマウンテン塩原スキー場へは,東北自動車道の那須塩原インターか,あるいは日光インターから,日塩もみじラインを経由して行きます.
日塩もみじラインに入る前は,それほど雪は積もっていませんが,標高が高くなると,本格的な雪道になります.当時,私はフロントエンジン・リアドライブのスカイライン(R30)に乗っていました.後輪駆動の車は,ちょっとでも無理な運転をすると,ハンドルが取られてしまいます.憧れのスキーヤー,ステンマルクの滑りのように,無理無駄のない運転をする必要がありました.でも,スキー場への行き帰りの道は,ワクワクする,楽しい時間でした.
スキー場からの帰り道,雪道の日塩もみじラインを出ると,少しホッとした気持ちになったことは否めません.その日は日光・鬼怒川温泉方面側に向かいました.いつもなら,そのまま日光インターから東北自動車道にのって,途中のサービスエリアで食事を取るのが常でした,
東武日光線の新藤原駅付近で,赤と白のダイビングフラッグの下に「潮騒」と書かれたラーメン店の看板を見つけました.看板はやけに明るく輝いていたように記憶しています.山の中のダイビングポイントだなと思いながら,駐車スペースに車を駐めて食事をとることにしました.チャーシュー麺と餃子を注文しました.チャーシューは,驚くほどの厚切りでした.
店の中は.結構,広くて,スキー帰りの客より,地元の人が多いように感じました.ラーメン店によくある騒がしさはなく,客が大勢いるのに,なぜか,落ち着ける雰囲気でした.食べ終わってから,店主に,看板のことを聞きました.店主がダイバーで,店の看板を作るときにダイビング・フラッグを使うことを考えたそうです.私もダイバーであることを告げると,とても喜んでくれました,ハンターマウンテンに行った帰りに何回か立ち寄りました
ふと,「潮騒」のことを思い出して,ストリートビューで店がどうなっているのか知りたくなって見てみました.店も看板も見つけることはできませんでした.昔のことですから仕方ありません.
私より若い店主が,今度は,どこかの海岸通りで,ダイバーを相手にラーメン店をやっていてほしいな.もし,そうであれば,水カンのエジソンをヘビーローテーションしながら,深夜に車を運転して行ってみたい気がします.
それでは,また,何時か何処かで.