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通ってた喫茶店

私は大学時代、あんまり友達を作れないタイプでした。
所属していた軽音サークルはほとんどが別学部の子で、同期には1人も同じ学部の子はいなかった。
だから授業もお昼休みも基本的には1人だったし、1人でのキャンパスライフが本当に大好きだったな。

1人が平気だからとは言え、昼になるとほぼ満席状態になる食堂に行くのは気が引けたので、大学から徒歩5分にある古い喫茶店に毎日通っていました。
そこは軽食を作るおばあさんがお二人とマスターのおじいさん一人のお店で、シニアたちの憩いの場。
若い人が来てるのは見たことなくて、だからこそ私にとっては何も気にせず紅茶と煙草を楽しめる居場所だったな。
大学から近いのに学生が来ない落ち着いた喫茶店は、結構穴場だったのかも。

たまに紅茶にブランデー入れてくれたり、お茶菓子やお土産物をもらったりととっても良くしていただいてました。
その喫茶店に通いたいがために授業にしっかり出ていた節があるくらい好きな場所。

でも、私が卒業する年度の年末に閉業されてしまいました。理由はわからなかったけど、突然のことで本当に悲しくて悲しくて。
心の拠り所が一つ減ったような気分になった。

そんな私にとって特別な思い出となってる喫茶店は、通りかかってももぬけの殻で。

しかし、今日久しぶりに近くを通ると居抜きで別のお店になっていました。
なんというか、なんとも言えない悲しさとか寂しさとかがじわじわと湧き上がってきました。
すごく辛い。
こんなに寂しくて辛い気持ちになったのは、ここ数年でこれが一番です。
別に、今のお店の感じが気に入らないとかそういうのは全くなくて、私の大切な思い出が上書きされた気がしてるだけの、自分勝手な悲しみなんだけども。

いつか再開してくれるかもとか色々考えてたのもあって、思い出は無くならないのに喪失感がすごくて吐き出したくなりました。

あのお店以上に美味しい紅茶も、あたたかい空間も、私はまだ地元を出てから見つけられてないよ。

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