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【5/6】ナチスドイツやホロコーストについてネットで読める記事まとめ20

未練がましく何度も書いているが、私は3月下旬から4月上旬にかけての約3週間、バルト三国とポーランドとチェコを周遊する旅行を計画していた。ところが、世界がこんな状況なので、この旅行はもちろん無期限延期となる。しばらくは「悲しくなるので旅行地に関するものを目に入れたくない……」とナーバスな状態が続いていたが、最近は「そうは言ってもしかたねえな」と吹っ切れてきたので、旅行前に勉強用にと集めていた、ナチスドイツやホロコーストに関する記事をこの機会にまとめてみようと思う。ポーランドに行く予定だったので、当然ながらアウシュヴィッツ博物館を訪れるつもりでいたのだ。

なお私は雑食なので、政治や歴史に関する記事から、映画や建築に関する記事、サブカル・オカルト・キワモノ記事までごった煮になっている。このnoteはあくまで自分の勉強記録用だけど、基本的には無料で全文読めるものだけを集めたので、興味のある記事があったら開いてみてもらえると嬉しい。あと、キワモノ記事に関しては「こいつ趣味わりぃな」と思うかもしれないが、許してほしい。言い訳すると、私はナチスそのものはもちろんのこと、ナチスが後世の文化に与えた影響とか、他いろいろ、より多角的な視点から「ナチスドイツとはなんだったのか?」を自分なりに考えてみたいのである。

1.アウシュヴィッツ博物館について

まずは、アウシュヴィッツ博物館で初の外国人ガイドを務める中谷剛さんの記事。私は連絡をとってOKをもらっており、本来であればこの中谷さんにアウシュヴィッツを案内してもらう予定だった。戦争を経験した世代が戦争の惨劇を伝えていくことはもちろん大切だが、戦争を経験していない世代だからこそ、考えられることもある。

2.ホロコーストの否定

Wikipediaの「ホロコースト否認」のページもけっこう興味深く読んだ。否認論を裏付ける査読付き論文は、2019年時点においては存在しないという。日本でも高須医院長がアウシュヴィッツは捏造だとするツイートをして炎上したことがあるけど、陰謀論がなぜ、どのような人たちによって広まるのかなどについて考えたい。

3.ホロコースト否定論者との闘い

大学教授をしているデボラ・E・リップシュタットは、ある日突然、英国の歴史学者デイヴィッド・アーヴィングに名誉毀損で訴えられる。リップシュタットが書籍の中で、アーヴィングの「ホロコーストは存在しない」という主張を、史実をねじ曲げているとして否定したからだ。その実際の事件をもとにした映画が『否定と肯定』(私もまだ観てない)。ホロコースト否定論者と法廷で闘うことはもちろんのこと、この裁判がミソジニーにも結びついているとこの記事に書かれており、愕然とする。

4.ホロコーストとアフリカ系ドイツ人

ナチスが政権を握っていた時代のドイツで、ユダヤ人だけでなくアフリカから移住してきた黒人たちも強制収容所に送られていたという記事。この時代のドイツにおけるアフリカ系移民のことはほとんど知らなかったので、興味深く読んだ。

5.ヒトラーの人間性

ホロコーストは、ヒトラーという「たった1人の悪人」が行ったものではない。「個人」にそんなことができるはずがない。惨劇は、民主主義の欠陥とか、凡庸な悪とか、いろいろな要素が合わさった「システム」が引き起こしたものだーーというのが、私の基本的な考えだ。しかしそれはそれとして、ヒトラーが人としてどういう人物だったのかは、ちょっと気になってしまう。上の記事などを読むと一瞬「やっぱり人としておかしいところがあったんだ」と思ってしまうけど、これくらいの「おかしさ」を持っている人ならそこらへんにたくさんいるし、私もそのうちの1人でないとは言い切れない。

6.ナチスは左翼?

ナチ党は正式名称を「国民社会主義ドイツ労働者党(Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei)」というらしい。社会主義と入っているので左翼なの? と政治がちんぷんかんぷんの私が読んでも納得できた記事。右か左かで考えるのってすっきりするしわかりやすいけれど、もちろん現実はそんなに単純ではない。

7.ポピュリズムってなに?

この記事は前後編なのだが、どちらかだけでもお腹いっぱいになると思う(私はなった。もともとこの分野に詳しい人はそんなことないのかも)。「ポピュリズム」を「なんか調子いいこと言うけど本質的なことがない」くらいの雑な理解をしていた私にとっては、なかなか興味深い記事だった。ナチス政権の誕生はヒトラーの能力というより、ワイマール共和国のエリートたちの失敗の結果だと解説している。安易に「ポピュリズム」という言葉を使うと、本質を見失ってしまいそうだ。

8.独ソ戦について

日本人にとっての第二次世界大戦といえば太平洋戦争であり、私もまたそのイメージを持っていた者として例外ではない。「独ソ戦」は、なんか世界史の教科書に3行くらい出てくるやつである。その程度の、ぼんやりとした知識しか持っていなかった。しかしこの地域を旅行すると決めたとき、ちょうどベストセラーになっていたので、大木毅氏の『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』(岩波新書)を読む。ヒトラーとスターリンという、独裁者同士による戦争で何が起きたのか。この記事を読んで興味が出たら、本も読んでみるといいと思う。

9.あだ名が「みどり」のハンナ・アーレント

『エルサレムのアイヒマン』を書いたハンナ・アーレントについて、著書はもちろん、その人柄とか人生にも私は興味を持っている。上の対談はとても面白くて、学生時代のアーレントがいつも緑色の服を着ていたからあだ名で「みどり」と呼ばれていたとか、親しみやすいエピソードが登場する。そして、このアーレントの不倫相手が、あのマルティン・ハイデガーである。

10.ハイデガーのナチズム加担

ハイデガーとアーレントの、政治哲学と歴史と恋愛をめぐるエピソードがわりと好きな私。不倫とはいえ、一時は愛し合い固く結ばれた2人であったのに、ハイデガーはなぜユダヤ人であるアーレントを排斥しかねないナチズムに加担していったのか。というか、ハイデガーは本当にナチズムに加担していたのか。問題の「黒いノート」では「ユダヤ的」という言葉が確かに否定的な意味で使われているが、ユダヤ人を迫害するナチスそのものが「ユダヤ的」であると皮肉り、つまりこれはナチス批判として理解されるべきものだと考察している記事がこれ。

11.ナチスと映画表象① 『サウルの息子』

ナチス映画論──ヒトラー・キッチュ・現代』はまだ読んでいなくて、これから読むつもり。目次をみる限り、この本の中でもネメシュ・ラースローがゾンダーコマンドを描いた映画『サウルの息子』が言及されているみたい。ゾンダーコマンドとは、強制収容所で殺害された人々の死体を処理する囚人のことで、彼らもまたユダヤ人だった。ネメシュ・ラースローがタル・ベーラの助監督をしていたことは知らなかったな。『サウルの息子』は、ナチスドイツやホロコーストを描いたこれまでのどの映画とも、確かに異なっていると思う。

12.ナチスと映画表象② レニ・リーフェンシュタール

レニ・リーフェンシュタールについては、大学でまず「ナチスに加担した映画監督」と教わったので、当然ながらそのイメージがずっとある。が、近年は彼女の美的な表現については再評価しようという動きがあるらしい。リーフェンシュタールの映画はそんなに美的だとも面白いとも大学生当時の私は思わなかったので、長く関心の外にあったのだけど、最近は彼女の映画の何が「美的」なのか、「ファシズム的」な表象とは何なのか考えるために、改めて観てみたいなと思っている。

13.アメリカ文学におけるナチス

ストレートに「ドイツ文学におけるナチス」を考えるなら、当時のドイツから亡命したトーマス・マンやヘルマン・ヘッセのことを調べてみるといいんだろう。が、私の興味はちょっとずれていて、どちらかというと「アメリカ文学におけるナチス」みたいなほうが気になっている。そこでトマス・ピンチョンの『重力の虹』を読んでみたものの、難しくてあんまり意味がわからなかった……主人公が勃起した地点にナチスのV2ロケットが落下するという面白設定小説なので、いつか再挑戦したい。「ドイツ文学におけるナチス」では、『闘う文豪とナチス・ドイツ―トーマス・マンの亡命日記』という本があるので読んでみたい。

14.ドイツとバウハウス

みんな大好き北欧家具。その北欧家具は、実はドイツ・バウハウスの影響を受けているらしい。違いは材料で、北欧は「木」で、バウハウスは「鉄」なんだとか。そのバウハウスは、1932年にナチスによって閉鎖されている。理由は外国人教師が多かったことと、バウハウスを支持していた社会民主党や共産党の力が弱まったため。バウハウスの理念のもとになった「アーツ・アンド・クラフツ運動」のウィリアム・モリスも好きだけど、デザインと社会主義が結びつく感覚が不勉強なのでいまいちわからなかったり?

15.バウハウスのルーツ、アーツ・アンド・クラフツ運動

……と思っていたらこんな記事を見つけた。産業革命によって生まれた低品質な工業製品へのアンチというわけか。しかしここに来るともうナチスはあまり関係なく、私の勉強は大幅に脱線している。デザイン学校なんか潰さなくてもいいじゃんと思うけど、ナチスの「世界観戦争」においてはそういうわけにもいかなかったのだろう。

16.ナチスの逃亡先としての南米①  UFO基地

ここからは一部、若干キワモノ臭が。ウシュアイアの火球事件も気になるが脱線するので置いておき、ナチスの残党が戦後アルゼンチン・チリをまたぐパタゴニア地域に逃亡し、潜伏しながら兵器開発をしていたのでは……との疑惑を解明するため、佐藤健寿さんが南米に視察に出かけたという報告。「エスタンジア」が、UFO基地の隠語なのではないかと書いてある。が、視察の結果として、もちろんそんなこたぁないことが判明する。

17.ナチスの逃亡先としての南米② アルゼンチン各所

UFO基地は都市伝説だとしても、ナチスの逃亡者が南米に隠れていたことは事実。アドルフ・アイヒマンも、名前を変えて南米に潜伏していたところを逮捕されている。まだ潜伏している人いるのかな。さすがにもう全員、世を去ったのだろうか。そして、彼らの娘や息子たちがどのような人生を今後歩んでいくのか気になる(が、表に出てきたらバッシングの標的になることは明らかなので、そっとしておいてあげたい気持ちも)。

18.「死の天使」ヨーゼフ・メンゲレ

南米に潜伏していた人物として、私がどうも気になって夜な夜な調べてしまうのが「死の天使」の異名を持っていたナチスの医師ヨーゼフ・メンゲレである。ここには書けないような数々の人体実験を行ったとされ、とりわけ興味を持っていたのが、双子だったという。ブラジルのカンディド・ゴドイという村では高確率で双子が生まれるため、南米に逃亡したメンゲレが、この村でなんらかの遺伝子操作・人体実験を行っていたのではないかという噂がある。

19.ヨーゼフ・メンゲレを描いた文学

そのヨーゼフ・メンゲレについて、オリヴィエ・ゲーズという作家が『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』というタイトルで小説を書いている(私はまだ読んでいない)。夜な夜な調べてしまうくらいなら本を1冊読んだほうがいいと思うので、コロナが終息してこの旅行を実現するまでに読もうと思っている。

20.メンゲレの人体実験の生存者

メンゲレの人体実験の生存者、エバ・コールさんの動画を、上の記事から見ることができる。私は英語が苦手なので何を言っているのか全部はわからない……もうちょっと英語を真面目に勉強したいと思う記事。そして下の記事は、そのエバ・コールさんが亡くなったことを報じている。

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以上。また興味深い記事があれば追加するかもしれません。




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