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日本の“裏”を知る本100冊【2017年7月号第1特集】

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記事一覧

文芸界が次に狙うのは、サカナクションに杏、そしてR-指定! ネクスト又吉先生を探せ!!「あいつに小説書かせたい」座談会

――芥川賞を受賞した又吉直樹などに象徴されるように、このところの文芸界では“二足のわらじ作家”の存在が目立つ。一説によると『火花』ヒット以降、文芸系出版社の編集者たちは、「ネクスト又吉」探しに躍起になっているとか。文芸編集者たちがひそかに狙う「次の才能」について、話し合った。

読書芸人として、さまざまな編集者から高い評価を得ているメイプル超合金・カズレーザー。彼を射止めるのはどこの出版社だ!?

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【宗教学者・島薗進】が警鐘を鳴らす!生死をコントロールできる“科学の宗教化”がキケン!

――昨年から今年にかけて、「長生きは幸せなのか?」と問う本が続々刊行されている。高齢化社会が叫ばれて久しく、昨今では、平均寿命100歳時代が来るともいわれる中、その死生観を宗教学者はどう捉えているのか? 話題の書とともに、話を聞いた。

『九十歳。何がめでたい』(小学館)

 現代社会において、長生きする過程には数々の“苦痛”が待ち受けている。そんな中で長生きすることは、本当に幸せなことなのだろう

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「攻撃的二元論」が幻想的な争いと陰謀論を生み出す!カルト教団から日教組、ナチスまで過激派集団の思想“元ネタ”本

――日本では右派、左派ともに過激な思想・行動を特徴とする集団が増加し、アメリカにおけるトランプ政権の誕生は、イスラム原理主義へのカウンターとも見られている。敵味方をハッキリと選り分け、敵対勢力の殲滅をもくろむこれらの過激な組織は、一体どこに思想のルーツを持っているのか?

『世界の「テロ組織」と「過激派」がよくわかる本』(PHP研究所)

 テロや戦争などの過激な行動を起こす集団や国家は、どのよう

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学者もミュージシャンも魅了したカルロス・カスタネダの思想の危うさとは?



『ドン・ファンの教え (新装版)』(太田出版)

 日本では1970年代初頭から翻訳書が発売され、哲学者の鶴見俊輔、宗教学者の島田裕巳、中沢新一、社会学者の見田宗介、ミュージシャンの細野晴臣らから熱烈な支持を受けたカルロス・カスタネダの『ドン・ファン』シリーズ。人類学者である著者が、古代メキシコの伝統を引き継ぐ呪術師、ドン・ファンのもとで修行し、哲学的な対話や意識の変容を綴る内容だ。

 だが

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話題の3人のジャーナリストが描く安倍晋三首相の姿とは?『総理』はただのヨイショ本!現役記者が読む「安倍本」

――山口敬之『総理』『暗闘』、阿比留瑠比『総理の誕生』、青木理『安倍三代』。“保守街道”をひた走る安倍晋三。彼を描いたルポ本も花盛りだ。そんな「安倍本」を、新聞記者らはどう読むのか? 何人かの現役記者に徹底取材!

元TBS記者・山口敬之著『総理』『暗闘』/『総理』は16年6月、『暗闘』は17年1月、共に幻冬舎より刊行。『総理』は17年4月に文庫化。

 安倍晋三首相自身、ないしその政策を素材とし

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金日成が日本軍をやっつけた話にスッキリ!北朝鮮の体制を批判する脱北ラッパーが読んだ物語

――2016年、「金正恩は豚野郎」と批判し、注目を集めた脱北ラッパー・姜春革。12歳まで過ごした北朝鮮で読んだ、“強烈な”物語とは?

 私が生まれ育った北朝鮮では、学校や地域に図書館もなかったし、街に本屋もありませんでした。

 平壌や都市部は別でしょうが、私が育った地域では子どもが普段手に取れる本といえば、学校で与えられた教科書のみ。もし教科書以外の本に触れるとしても、その内容はほぼ100%、

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元北朝鮮「作家同盟」作家が初告白!金一族が主人公でなければ発禁!?人民を扇動する北朝鮮文学

――連続する弾道ミサイルの発射や金正恩氏の過激な発言など、今、北朝鮮関連の話題がメディアに登場しない日はない。しかし、彼らの文化について報じられることはほとんどないだろう。そこで本稿では、北朝鮮文学、そして北朝鮮の作家たちの動向を見つめ、同国民にとって文学がどんな役割を果たしてきたのか迫ってみたい。

日成が主人公! 金日成万歳!
『不滅の歴史』シリーズに代表される、金日成が“ヒーロー”となる小

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EXILE/三代目J Soul Brothersの小林直己が激白――言語遊戯(リテラチュア)から肉体言語(ダンス)へ…EXILEと村上春樹の共鳴

――日本を代表する大作家・村上春樹。新刊が出るたびに、本屋にハルキストが集結しマスメディアを巻き込んで一種の“祭り”状態にもなる彼だが、最近では揶揄や批判も多い。そこで、今ここであえて純粋に村上春樹の文学的魅力を再評価できないかと思い、私たちは意外な人物の元へ足を運んだ。はてさて、「EXILE」と「村上春樹」その2つが結びつく日が来ようとは、誰がいったい想像しただろうか――。

<本誌には掲載でき

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【ジャーナリスト/評論家・武田徹のオススメ本】美談としての戦後史観を覆すタブー破りの近代史セレクション

――中公新書から出された『応仁の乱』がバカみたいに売れている。日本史関連の書籍としては異例のことだというが、知られざる史実をつまびらかにしたような本当に面白い書籍は、ほかにもあるのではないか――。そんなヤバい“日本史”本15冊を、歴史学者や社会学者、ジャーナリスト、お笑い芸人らに紹介してもらった。

武田徹(たけだ・とおる)

1958年生まれ。国際基督教大学大学院比較文化研究科卒業。恵泉女学園大

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【東大卒芸人・藤本敦士のオススメ本】北里柴三郎は、幻の受賞者?黄色人種を差別したノーベル賞の闇

――中公新書から出された『応仁の乱』がバカみたいに売れている。日本史関連の書籍としては異例のことだというが、知られざる史実をつまびらかにしたような本当に面白い書籍は、ほかにもあるのではないか――。そんなヤバい“日本史”本15冊を、歴史学者や社会学者、ジャーナリスト、お笑い芸人らに紹介してもらった。

藤本敦士(ふじもと・あつし)

よしもとクリエイティブエージェンシー所属。07年結成の漫才コンビ・

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【歴史研究家・河合 敦のオススメ本】魏志倭人伝から歴史教科書まで変化するこの時代に歴史を学び直せ!

――中公新書から出された『応仁の乱』がバカみたいに売れている。日本史関連の書籍としては異例のことだというが、知られざる史実をつまびらかにしたような本当に面白い書籍は、ほかにもあるのではないか――。そんなヤバい“日本史”本15冊を、歴史学者や社会学者、ジャーナリスト、お笑い芸人らに紹介してもらった。

河合 敦(かわい・あつし)

1965年、東京都町田市生まれ。多摩大学客員教授。早稲田大学大学院博

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【東京大学史料編纂所准教授・岡美穂子のオススメ本】ポルトガル人に国外へ連れ出された大航海時代における日本人奴隷の実態

――中公新書から出された『応仁の乱』がバカみたいに売れている。日本史関連の書籍としては異例のことだというが、知られざる史実をつまびらかにしたような本当に面白い書籍は、ほかにもあるのではないか――。そんなヤバい“日本史”本15冊を、歴史学者や社会学者、ジャーナリスト、お笑い芸人らに紹介してもらった。

岡美穂子(おか・みほこ)

1974年、神戸市生まれ。人間・環境学博士(京都大学)。スペイン、ポル

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【社会学者・赤川学のオススメ本】セックスで電気が発生する!?表舞台では語られない【性の歴史】

――中公新書から出された『応仁の乱』がバカみたいに売れている。日本史関連の書籍としては異例のことだというが、知られざる史実をつまびらかにしたような本当に面白い書籍は、ほかにもあるのではないか――。そんなヤバい“日本史”本15冊を、歴史学者や社会学者、ジャーナリスト、お笑い芸人らに紹介してもらった。

赤川学(あかがわ・まなぶ)

東京大学大学院人文社会系研究科准教授。近代日本を舞台としたセクシュア

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正反対の結末に泣いた原作者から、成り上がり根性でモメた原作者まで……ハリウッド原作レイプ6選

――こちらの記事では、ハリウッドで“原作レイプ”がまかり通る理由を説明したが、ここでは具体例を挙げていこう。

■「本の世界の魔法」を借りて原作者を追い払う!
『ネバーエンディング・ストーリー』

[1984年]ミヒャエル・エンデ VS ウォルフガング・ペーターゼン監督
世界的ベストセラーである原作を、当時の最新SFX技術を惜しみなく使い映画化。しかし、映画の「本の世界“ファンタージエン”の力を借

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