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最近の映画の感想

『ブレットトレイン』を見てきました。
ネタバレあります。

好きな作家さんと好きな役者さんで嬉しいと思って、勢いでついったーに書いたものを載せておきます。
つくづく感想を書くというのは難しいですね。
情報に間違いがないように注意して書いたけれど、間違っている部分もあるんだろうなと思うので、憶測のみのものは削除しておくことにしました。

好きな作家×好きな役者


 伊坂幸太郎さんの作品は今現在文庫で26冊持っている。それぞれ三回は読んでいる。そのほか図書館で借りて読んだものもある。たぶん今一番はまっている作者さん。
 一番好きな話は『オーデュボンの祈り』。見知らぬ島にたどり着いた主人公、しゃべるカカシ、謎多き住人たち、過去と未来のつながり、島にかけているものは何? を探すお話。ファンタジーとミステリーの融合みたいなお話が本当に好み。
 ブラピも大好きな役者さん。一番好きな役は『12モンキーズ』(1995)のジェフリー。タイムトラベルしながらウイルステロの犯人を探すお話の中の重要人物。奇妙な動きやしゃべり方がたまらなく好き。目と口元の表現はこの頃から天才的に上手かった。

ありえないジャパン×かっこいいアサシン×蘭がいないコナン

 そんな二人が関わっているブレットトレインは見逃せない。マリアビートル好きだし、ハリウッド化嬉しいし、どんなかな~とわくわくしているところに届く情報は、へんてこりんな日本と、東北新幹線じゃない列車、知らない登場人物。
 期待外れだったらどうしようと初日の映画の日は回避したものの、やっぱり興味が上回って見に行ってきた。
 うん、ありえないジャパン×かっこいいアサシン×蘭がいないコナンだった。
 原作は東京から盛岡へと向かう新幹線の中で物語は進む。映画では、東京から京都へ向かう謎の夜行列車になっていた。東京はきらきら原色ネオン輝く街だし、富士山は謎な位置にあるし、途中の駅のホームには銃や金属バットを持った殺し屋たちがあふれてた。昔の映画に出てきたような『日本じゃないジャパン』そのもの。昔はいらっとしたこともあったけど、エンタメとして楽しめるようになったのは耐性がついたからか、こちらが年をとったからか、ていねいに虚構の世界を作ってくれたからか。

 プリンスがまさかの女の子。原作のあのいや~な王子の感じを出せるのかなと思ったけど、これはいい感じ。
 ちなみに原作では、性根腐った王子の残虐ないじめの話がひたすら続くシーンがある。誰でもいいから早く王子を殺してくれと思う。アル中のダメ親父木村がかわいそうに思える。
 めちゃくちゃかわいくて天才的に人たらしで残酷なところ、女の子だとさらに際立ってた。よれよれな木村のおじさんとの組み合わせも絵面的にいい。より誘拐犯ぽく見える。「演技派だな」とレモンにばっさりきって捨てられる泣き顔が最高にきれい。ラスト、感動のご対面のとき、そうきたか!となって女の子に変えた意味がわかった気がした。

 タンジェリン(ミカン)とレモン。大好きな二人。原作で「芥川龍之介と梶井基次郎」と自己紹介するのが好き。
 二人がそれぞれ倒れたシーン、静かに寄り添う姿に泣けた。ずっと一緒に過ごしてきたんだもの。あんなに言い合ってても大好きだったんだよねぇ、お互いに。
 トーマスの話はするなというけれど、トーマスを理解して覚えていたタンジェリン。レモンが倒れる前にプリンスに伝えた言葉は原作とは違ったけれど、トーマスシールは大活躍。やっぱりトーマスの予習必須。キャラの名前と設定くらいは知っておいて損はない。
 永遠にトーマスの話ししながら二人で仕事して欲しかったけど、タンジェリンと一緒に復讐出来てよかった。悲しいけど原作よりは救いがあったね。魂の双子、万歳!

 エルダー(木村の父)の殺陣めちゃくちゃかっこいい。真田さんいくつになってもかっこいいから、雰囲気だけでもう百点満点。あんな狭い車内で刀振り回すなんて正気じゃないと思ったけど、シートもざっくり切っちゃうから空間的には全然問題なし。その破壊力はまるで斬鉄剣。車体に挟まって抜けない刀に押しつけられそうになるシーンが、なぜかすごく印象に残ってる。あと、さやに納める前に刀の血を払って、レディバグの靴に付いちゃうシーンも。表情も所作もいちいちかっこよかった。ああ、真田さん絡むとかっこいいしか言えない。

 後半はコナンの緋色の弾丸と重なった。
 「くそっ! ブレーキがきかねえ!」ってブラピがベルトからふくらむサッカーボールを出しそうだった。京都には観光中の蘭と園子がいそうだった。クラッシュのシーンで「らーーーんっ!」て新一の声が聞こえた気がした。レモンは哀ちゃんポジ。

 レディバグは最初から最後までかわいい。レモンとの「顔を覚えているか?」のやりとりのところは、あまりに繰り返されたからブラピとかぶってしまった。
 そういえばレディバグ(七尾)の必殺首折り要素がなかった。あの設定はわりと好きだったんだけど、派手さはないし、今回のシナリオでは難しそう。
 塾講師に見える男、鈴木がいないのも少し寂しいけれど、たぶん名前通り見た目の派手さはないからカットしたんだろうな。
 鍵が開いちゃうシーン、めちゃくちゃ大声で笑いたかったけど腕をつねって押さえた。原作でも大好きなシーン。
 マリアに出会えたときのブラピの涙に母性本能が騒いだ。ぐすぐすしちゃっておめめこすっちゃって、めっちゃかわいい。
 車壊れて二人で歩き出す京都の街のシーン、ありえないほど大きい五重塔と朝焼けが水墨画のようでもありとても美しかった。それまでカラフルデジタルメカニカルな感じの画像だったから、ほぼ一色で表現されたこのシーンは日本リスペクトが感じられてすごく心に残った。……手前に映る街はめちゃめちゃだけどね。

 ほぼ人がいない劇場だったけど、ずっと一人で笑っててごめんなさい。東京から京都まで、二時間の長旅は頭空っぽになるほど楽しかった!!

 原作『マリアビートル』も伏線回収が気持ちいいから、ぜひ読んでほしい。

公開後に別名義で書いたものを転載しました。

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