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学振日記① 学振って?心理系M2の奮闘記

学振採用に向けて喘ぐ己の姿を実況

このブログを始めてからそろそろ1年です。大学院入学をきっかけにブログを始めたので,今年度私は修士課程2年生(M2)となったわけです。最初は修士課程を出てから民間企業に就職するつもりだった私も今ではすっかり長期入院コースにはまってしまいました。より長く研究に励むことができるようになるのは素晴らしいことなのですが,それは将来への不安からの解放を意味するものではありません。研究者として少しでも安定した将来を迎えたいなら,M2の間にやるべきことがいくつかあります。その中で最も重視して取り組むべきものこそ学振と呼ばれるものです。
この「学振日記」は,日々学振にあえぐ自分の姿を実況することで,学振に関するノウハウを蓄積するとともに臨場感あふれる一つの読み物を作り上げることを目的としています。学振に採用された人がその軌跡をブログとして残しているケースはよく見ますが,不確定な未来への道筋を実況形式で記録するというケースはそれほど多くないですよね。そういった意味でもこの学振日記には新奇性・有用性があるのではないかと思います。
なお,学振日記などというタイトルではありますが,一般的な「日記」のように毎日更新できるわけではありません。採用の可否が決定する時期まで,せいぜい10回程度の更新に留まろうかと思います。その点に関してはご了承のほどよろしくお願いします。

学振ってそもそも何?広義の学振と狭義の学振

学振学振といいますが,そもそも学振とは何なのか。私も学部生のころは「ガクシン」なるものに採用されると博士後期課程の生活が楽になる,ということを聞いたことがある,というような感じでした。しかし今となっては他人事ではないので,しっかり調べておく必要があります。
学振という単語それ自体は「日本学術振興会」の略です。つまりは研究助成などを行っている団体の名前そのものを指します。だた,修士課程の大学院生が言う「学振」とは,学振が設置している特別研究員という制度のうちの,特に「DC1」という区分のことを指す場合がほとんどです。特別研究員の区分には採用開始時の身分によってDC1・DC2・PDとありますが,このうちDC1は博士後期課程1年生から3年間の採用となります。
参考のためリンクを貼っておきます。

要は,毎月20万円ほどの研究奨励金(生活費)がもらえる制度です。ただでさえ定職につきにくい研究者という仕事なので,毎月お給料をいただけることのありがたさといえば言葉にするまでもないと思います。さらに研究奨励金とは別に1年あたり最大150万円の研究費をいただけるので,先生の脛をかじる必要もなくなります。研究者志望の大学院生がこぞって学振DC1への採用を目指すのはいわば当たり前なわけです。

ただ,DC1に採用されることにはもっと大きなメリットもあります。それが「肩書きが増える」ことです。それもただの肩書ではなく,DC1の狭き門を突破できる実力を証明するものです。学振に採用されたという実績は今後の研究者生活のどの局面にもついて回るものであることから,少なくとも私の在籍する基礎寄り心理学の分野では,研究者志望のM2の学生は特別な理由がない限りDC1を目指すことが推奨されています。

意気込み

というわけで,この学振DC1というのが私の目下の課題となっています。申請書の提出期限を約一か月半後に控えた4月にこの奮闘記の投稿を開始したわけですが,この先に何が待ち受けているのか私はまだ何も知りません。申請までの残り期間で私はどんなことに取り組むのか,どんな思いで申請までの期間を過ごすのか,そして何より採択の可否は?
ただ一つ,これが自分自身にとって意義深い日記になることだけは間違いありません。ぶっちゃけ実績もライティングスキルもない自分がこの狭き門を通り抜けられるとはあまり思っていないです。でも何かの間違いでDC1に採用されることになったら,私の実名は学振のホームページから全世界に公開されることになります。そうなった場合には潔くこのブログでも本名を晒すことにします。まあせいぜい更新が途絶えないように頑張っていきます。

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