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D-89(カバー)振り返り

 どうも、Cyphiaです。今回は先日公開した動画「D-89(カバー)」の制作を振り返ります。

1.きっかけ

 事の発端は友人のBugrapから「D-89のカバーをやりたいので手伝ってほしい」という相談を受けたこと。その頃にはすでにボーカルとして鰹侍の参加も決まっていたと記憶している。彼もまた友人の一人である。

 これが2020年の9月半ばの出来事だった。当初の予定では私の担当はMIXと動画用のイラスト制作だったが、やがて動画制作・投稿も私の担当となった。以前いくつかYoutubeに動画を投稿した経験があり、簡単な動画ならすぐに作れるだけの環境が揃っていたためである。

 カバーする楽曲「D-89」は石鹸屋http://sekken.sakura.ne.jp)というバンドの東方アレンジ楽曲である。コミックマーケット72で頒布された「トウホウパンチライン」というアルバムに収録されている。

2.制作過程

 制作過程について説明する。

 まずBugrapが制作した伴奏の音源データをもとに仮の伴奏音源を制作した。ギターやベース、ドラムなどのパート別の音源(実際はもっと細かい)を1つのトラックに落とし込む作業である。各音源の音量やパン(音の左右の位置)を調節したりイコライザーで音のバランスを整えたりといった細かい調整が必要となる。とはいえこの段階では当然ながらボーカルは入っていないのである程度形になったところで作業を打ち切った。

 次にこの伴奏音源を使ってBugrapと鰹侍の二人によるボーカルのレコーディングが始まった。確か10月の終わり頃だったと思う。もともとはソロボーカルの曲だったのであらかじめパートの割り振りが行われた。最初のレコーディングが終了し、MIX作業を行うことになった。しかし歌のレコーディングの経験がさほど無かったということもあり、後日またレコーディングを行うことになった。

 そこで私は最初のレコーディング音源を使ってボーカルミキシングの練習をすることにした。何を隠そう私はボーカルミキシングの経験が皆無だったためネット上の解説記事や動画を参考に作業を進めた。ピッチ補正ももちろんだが発声タイミングも調整する必要があり、本当に細かい作業になった。

 人間のリズム感というのは結構シビアなものらしく、数ミリ秒ズレただけでも多少の違和感を感じてしまう。そのためピッチ補正より先にタイミングを補正した。タイムラインに配置したボーカルの音声クリップを細かく切り刻み、伴奏のタイミングに合わせて再配置するという地味な作業だ。ちなみにDAWはFLStudioを使っている。

 次はいよいよピッチ補正だ。一旦ボーカルだけの音源を書き出したものをNewtoneというピッチ補正プラグインに読み込ませてピッチ補正を行った。ピッチに関してはプラグインのつまみを回すだけで自動的に正規の位置に補正してくれたが、音程が外れている部分に関しては手動で動かさねばならなかった。私はカバー元の曲を何度も聴き込み、可能な限り音程を覚えることにした。

 初めてのボーカルミキシングで分かったのは、まず何より先にボーカル音量の均一化とタイミング補正をすることの重要性だった。ここをキッチリ決めておかないと後の音程補正作業が非常にやりにくいのである。

 2度目のレコーディングが行われたのは11月7日で、最初のレコーディングよりも多くのテイクを受け取ることになった。どのテイクも最初より上達していて、ボーカルミキシングの作業に入る前にどのテイクを使うか選出する必要があった。Aメロ、Bメロといった区切りよりもっと細かく、フレーズ単位で音源を選びつなぎ合わせた。こうして選ばれた音源をとりあえず伴奏に乗せ、ミキシングに入る前に彼らにチェックしてもらった。鰹侍はそれを聴いてセルフダメージを受けたりしていたがその後の作業は滞りなく進められた。最初のレコーディングの音源で練習したおかげでプラグインの扱いには慣れていたし、彼らのボーカルも上達していたためかなりスムーズに作業が進んだ。最終的にボーカル入りの音源が完成したのが11月18日で、その後は動画関係の作業をすることになった。

 動画はそこまで凝った編集をしなかったので、私が制作したイラストをバックに曲が流れるというシンプルなものになった。動画制作と並行して三人のユニット名やら動画のクレジットや説明文やらを考えていた。動画で使用したイラストは、まずDiscordの通話でBugrapに構図やイメージなどのヒアリングを行いラフを作成した。それをもとに工程ごとにチェックしてもらいながら制作した。10月中には完成していたと記憶している。

 11月23日、いよいよ動画が完成した。投稿日についてあれこれ話し合ったがどのみちTwitterでの告知経由の視聴者が大多数だろうという予想のもと、動画自体はすぐに投稿して好きなタイミングで告知してもらうということで落ち着いた。

3.投稿してから

 Youtubeの他、ニコニコ動画にも動画を投稿した。いずれも私が管理しているチャンネルである。投稿から1週間以上経過した現在、動画のアナリティクスを見てみると両方とも投稿初日が最も再生数の伸びがよかった。告知などを行っていたためこれは当然である。面白いのはYoutubeよりニコニコ動画の方が倍以上再生数が多いことだ。

 詳しく見てみるとYoutubeはTwitterからのアクセスがほとんどなのに対し、ニコニコ動画はおよそ3割がサイト内検索からのアクセスだった。ニコニコ動画は検索がまともに機能している上に便利なタグ検索機能もあって新着動画が視聴者の目に留まりやすい。そういった点が影響していそうな気がする。ともかく当初の予想以上に動画の再生数が伸びたのは喜ぶべきことだろう。

4.墨田川リザレクションの今後

 今更だがBugrap鰹侍、そして私Cyphiaの3人から成るユニットは「墨田川リザレクション」と言う。3人が世界観を共有し、各々書いているオリジナル小説に由来する名前だ。今回は既存楽曲のカバーだったが今後はオリジナル楽曲を制作する予定だ。

5.Bugrapの個人的なコメント

 今回の主催と言う名の主犯、Bugrapです。このノートを見ている皆様、はじめましての方ははじめまして。そうでない方は、普段イラストをRTしまくっているRT芸人とお思いでしょう。9割方間違ってはいません、なんせ可愛いのが大好きなのでw

 大体書きたいことはCyphiaが書いてくれているのである程度手短にちょっとだけコメントを。

 今回カバーした曲、石鹸屋の「D-89」は私が同人音楽および東方Projectという作品。そして二次創作と言うモノを知った切っ掛けとドハマリする切っ掛けとなった思い入れの強い曲の1つです(語りたいことは多くありますが無駄に長くなりそうなので省略させて頂きます…w)。長い間のブランクやモチベの低下によりそれなりに苦労しましたが、最終的に形として残せて一安心といった所。

 さて今回、なぜこの墨田川リザレクションを建てようと思った経緯ですが、個人的にやっているデスメタルバンド「Cadaver tomb」(以下CT)の楽曲制作が思うように捗らず、メタル以外での何か別の刺激がほしいというのと3人で何かしようと言いつつ何年過ぎたよという理由からです。突然の言い出しにも関わらず協力してくれたCyphiaと鰹侍には感謝しか有りません。

 現在、CTの活動は停滞気味なので墨田川名義でのオリジナル曲を書いている途中です。とは言ってもマイペースがモットーで進めている為、次の作品の発表までにはまだ大分時間が掛かりそうといった次第です。

 一言というには大分長くなってしまいました。また何時かひょんな時に作品の発表をするやもしれません。それではまた何れ。

 最後にカバーを聴いて下さった方々と関わってくれた二人に再度感謝を。

                               Bugrap

墨田川リザレクション
 Bugraphttps://twitter.com/Bugrap7
 鰹侍https://twitter.com/katuo_samurai
 Cyphiahttps://twitter.com/Cymphis

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