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ガチ短歌作品

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後々、歌集に載せる事を前提にする作品集。  ある観点から作歌している。  今年はここを重点にしてやる。
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2022年4月の記事一覧

逸脱者

【巧妙な手口】

逸脱者 メインストリームに音重ね現代音楽と大衆とコアと

現代短歌の超克などは押しつけず少しずつ液化してゆくInstagram

戦争は口のるカツカレーこそ第三神話は海越え、叫ぶ

【石川五右衛門】

【ここ最近のハイライト】

知らざる者が知らざる計画に遣わされスマホは闇の光に寄り来

【短歌談義】
私の思いを超え
神はその計画に私を遣う
何も知らずに神の計画に参与することになる

著名な本の「噂は適者生存させてきた」
翻って、
「ゴシップは蜜の味」
ちょっと禁忌くらいがいい

【ここ最近のハイライト】

兄のプレイリストを盗み聞いたあのKJは我が音楽革命

【短歌談義】
 句割れ句跨りを多用
 塚本以降のリズムは口語でもできる
 革命歌のピアノならぬ、ラップという音楽革命
 液化の代替が盗み聞きなのだと思う
 無意識本歌取り
 何よりも兄はいつまでも兄

歳時記は越えた

嗚呼その舌を汚すなかれや若者はスラングを知った顔でつぶやく

ワックスを付け始めたる をのこあり「歳時記は越えた」と歌人に言い来る

荒地から信仰の息吹き塵なる我の 隗より始めて培う背景

ガリラヤのうみ

【復活祭】
【イースターおめでとうございます】

朝駆ける婦人の脚は細からね汗と日焼けと皺と復活の朝

復活の後のエマオへの道すがら見えぬイエスと何色の空

空く腹より人が語りし神の国 魚を分つガリラヤのうみ

【ガリラヤのうみ】

ライフステージ

【レント】【4月17日復活祭】
【聖金曜日】

世を愛す 故に独り子を死に渡す父なる神のはかれぬこころ

若気の至り 悪さもしたが裸一貫罪人のまま罪を赦され

君と生きてゆきたい恋を実らせたいライフステージを越えたい君と

大半が童貞独身 聖職者に性への恨みは癒えない男根

もうそこに私はいない 舌を汚し己の顔に換えるジョーカー

【ライフステージ】

救いの予定

【レント】【復活祭4月17日】
【来週の日曜日はイースター】

許されぬ罪を抱えて洗礼に与り罪はキリストが贖う

汗に背を濡らして初夏は我が頬を乾かし打つなら我が頬を打て

一抹の不安が髄に刻まれて低い噂を肴にはしない

父祖たちの心に抱くわだかまり時を隔てて神は人となる

信仰告白 罪人のまま神に赦され神を愛して神に愛される

【救いの予定】

花、そして花。

【レント】【復活祭4月17日】
【来週の日曜日はイースター】

塚本は誕生祭より復活祭を多く詠んだ『眩暈祈禱書』

祝祷にこうべを垂れて 安息日よりそれぞれの働きに遣わされる

風は温く腋臭にシャツは汚されて汗の季節よ! 花、そして花。

ネクタイを直して奉仕ができないことに悲しむ 人の定義は仕事

幾つもの「できない」に崩されて大人らしくない大人になった

【花、そして花。】

金曜日は、土。

【レント】【復活祭4月17日】

蔵書から歳時記を取る 春めいた風にくしゃみを堪えきれずに

恋ふ我のくちびる寒し 酔わなければ言えぬことある、寂しい男

しじまを割く 乾いた笑いに笑む君の心は誰を殺めるために

ゴミ収集車 臭って春を横切って「灰へ」我らの金曜日は、土。

捨ててある物をまじまじと眺めている復活祭は死をもち祝う

【金曜日は、土】

SPECIAL OTHERS

【レント】【4月17日復活祭】

春は風の季節 寒もどり爪を気にする我に気がつく

聞きたいこと話したいこと居たいこと君は恋から逃してくれぬ

時を得ない恋だからこそ青空は鳥一羽さえ飛ばしてくれぬ

【時を得ない恋】