統合失調症 人格が変わってしまった娘を取り戻したその後 副作用?

『統合失調症 人格が変わってしまった娘を取り戻すまで』を書き終えてから3年が経ちます。元々、誰かに見ていただきたいという気持ちよりも自分の覚書として書いていました。なので書き終わった時はもう「これで終わり」と思っていました。

でも、2年、3年と過ぎるにつれてまた続きを書こうかなという気持ちが出てきてはいました。

つい先日、マユさんからコメントや支援をいただきました。もう3年も前の記事でも読んでくれる人が居て、その後を気にかけてくださってると知り背中を押していただきました。

大雑把に3年間を振り返ると、卒業してからの1年間は2か所の施設に通って前向きでした。でも次の年は引きこもりになり、1年間殆ど外に出ずゲームやテレビで過ごしていました。そしてまた復活。今度は別の場所でのショートステイ(施設に数日宿泊すること)も受け入れてくれました。

月に2度のショートステイは1泊から2泊に伸びました。他に通っている施設は週に1~2度。基本的には家が大好きだけど外に出ることも嫌がらない。まずまず順調でした。

でも、私が昨年病気になりまた少し変わりました。

痛みや苦しみにもがいている私を見ていた彼女は我儘を言わなくなり、私を思いやるようになり、我慢を覚えました。何度も何度も「お母さん大丈夫?どこか痛いところない?」と聞いてくれます。ベットに寝てばかりの私の邪魔をしないよう、静かに過ごしてくれていました。

ただ、我慢しすぎたのか、妙な行動をとるようになりました。

椅子に座ったかと思うとすぐに立って2階の仏壇を拝みに行く。大好きなおじいちゃんに呼び掛けているのかな。戻ってきたと思ったらテレビを着けるけど3分も見れば消してしまい、また他に何かすることを探す。とにかくじっとしていなのです。何かに突き動かされているようでした。夜も布団に入ったかと思うと起きだしてくる。また布団に入る、出る。2時間ほど繰り返して疲れてやっと眠るといった感じでした。

娘はたまにイライラしたりわがままを言ったり、やたら上機嫌でひたすら喋ったり、とにかく日々色んなことが起こるのでそれが病気のせいなのか単なるわがままなのか判断がとても難しいのです。ですから最初はまた何か始まったなという感じで受け止めていました。

でも、1週間後くらいから手足がムズムズするといい始めました。手をパンパンと叩いたりぎゅっと握り締めて耐えていました。ある日、立ったり座ったりソワソワしているときに「あー!もう!じっと座っていたいのに!」って言ったんです。

やりたくてやってるんじゃないんだ。もっと早く気づいてあげれば良かった。急いでネットで調べてみました。アカシジアという精神薬の副作用と似ていました。

病院に連絡してできるだけ早く担当医の空いている時間をとってもらい診察を受けました。

先生はもうずっと長く飲んでいる薬の副作用が今出るというのは考えにくい。何かが娘に影響しているのでは?と聞かれ、私がずっと病気で苦しんでいることを話すとその影響が大きいかもしれないとのことでした。

以前、一番最初に診てもらった先生(娘の幼稚園友達のママ)に言われたことがあります。「あなた達はとても強い絆で結ばれていて、特にお嬢さんはあなたが全て。だからいつもあなたを気にかけてる。」

これだったのでしょうか。娘は私の苦しみを自分の身体にも取り込んでしまっていたのかも。


私の状態はというと吐き気・胃の痛み、首の痛み・頭の中が燃えるような灼熱感・震え・動悸。MRIも血液検査をしても身体は健康体と出てしまうのです。数日おきに襲ってくる痛みや苦しみに心が負けそうでした。何より辛かったのは健康体ですと言われ吐き気止めだけを処方されて返される時の悲しみ。

原因不明の病気は2か月ほど経ってやっと症状の半分は首の骨が削れて神経に触り、それが酷い肩こりとなってしこりまで作ってしまって、それが首にある自律神経に影響していたとわかりました。それと薬の副作用や年齢によるホルモンバランスの乱れ。ストレス。たくさんのことが重なっていました。

その頃かかりつけのお医者さんに言われた言葉に納得しました。「人間の身体は複雑すぎて何が原因だとはっきりわかったら医者も苦労しないんだよ。わからないことのほうが多い。でも、痛みを除く薬はあるでしょう。それで楽になるのなら薬を使えばいいんですよ。痛みがなくなれば気分も良くなる。そしていい方向に向かっていけるでしょ。」

そのとおりでした。薬で痛みを逃せば気分も明るくなるし、頑張ろうという気力が出てきました。良くなってくれば薬を少しずつ減らして、また必要な時に飲めばいいんだって。娘も同じなんですね。

だから娘の副作用のお薬と睡眠薬を頂いてからは症状が出たらすぐに飲ませるようにしました。できるだけ不快な状態を早く取り除いてやりたかったので。私が元気になってきたこともあってか奇妙な行動はすぐに収まりました。睡眠薬も1週間ほど使っただけで最近はすんなり眠れるようになっています。


私の病気の原因の一つである自律神経の誤作動(交感神経と副交感神経のバランスが乱れると起きるそうです)。これは娘の病気に似ていると思いました。統合失調症も脳の誤作動ですよね。自分の意志ではないのに勝手に脳が違ったことを命令してしまう。本人にとってどれほど辛いことかをこの時にやっと本当に知りました。

娘はどんなに辛かったんだろう。知的障害もある娘には自分自身を分析する力もなく、幻聴や怒り、悲しみをわかりやすく親に伝えることもできずにいたのでしょう。可哀そうに・・・何年も経ってやっと家族は少しずつ行動や言動から察することができるようになりました。ごめんね、遅くて。

でも、まだ他にもわかってあげられていなかったことがあったんです。

それはまた次回に。




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