春を楽しむ その1 スパゲティーニを桜鯛のラグーで
ここんところ、ずっとず〜〜〜っと定番が続いていたので、新しいものつくりた〜い、の欲がむくむくと。
???ずっとず〜〜〜〜っと、てセリフどっかで聞いたような。”おきゃくさん来なくて、パンケーキばっかりになっちゃうよ””僕パンケーキ好きだけど。焦げてなければ””猫は気楽でいいわね。パンケーキみたいにまんまるになっちゃうから”だったかな。魔女宅のキキとジジの会話。記憶がかなり怪しいですが、っていつもですね(笑)。おばあちゃんの薪のオーブン、憧れです。
ま、あれがまた食べたいって言われるのも嬉しいものですが、やっぱりたまには新しいものチャレンジしたいなあ、と。
とある時、いつもバラエティ豊かで見目麗しいお料理をされているユイじょりさんが3月8日の鯖の日にÇa va?と鯖のラグーパスタつくられていて。
そういえば、魚のラグーでパスタ作ったことのないこと思い出して。
あれ〜、蛸とか烏賊は?と思し召しかもですが、彼らは軟体動物頭足類で、太古の昔のアンモナイトの流れを引く、大昔は殻をお持ちだった由緒正しい家系(?)の御曹司で、新参者の脊椎動物硬骨魚類のお魚さんとは重みが違うのでございます、って何の話やねん、ですね(笑)。いえ、小学校のころの愛読書、魚貝の図鑑にそう書いてあったの思い出して。あのマル食 おいしい とか 食べられるがまずい、とか書いてあるのが楽しくて。由緒貧しい山育ちで食べるはおろか見たことも聞いたこともないお魚さんたちに想いをはせていた、ってそのころから食欲で生きてたったことでwww。
ということで、人生初の魚のラグーのパスタに挑戦してみました、の今日のお話です。
ユイジョリさん見習って鯖がいいかなぁ、と思ったのですが、ここで問題勃発。丸ごとしか売ってなかったのでございます。鯖だけでなく鯵とかイサキとかも。まだ魚の捌き修行中で、骨入りのパスタなんて作ってしまったら命がない!ってことはないですが(笑)、もうちょっと練習してからにしようかと。ええ、びびりなもので。
缶詰は温めると匂いでNG出るのでこちらも命の危険(?)が。ほんと、地雷原たくさんあって、いかに踏まないように進むかを楽しめるかにかかってて。ということで、変わり映えしなくてご覧になる方に申し開きもアジの開きもございませんが鯛を使って。
桜鯛の季節でもございますし。
といつものようにのたのた書いてたら、いこまゆきこさんが鯖の味噌煮缶で作られて、のミーソソースでパスタ。これなら匂いOKになりそうだし、八丁味噌は常備してあるし、非常食の鯖味噌煮缶もあったのに、と、先達はあらまほしき、を地でいってしまいました(笑)。
今日のお題
春の鯛の繊細な美味しさを生かしてパスタに仕上げる
悲しいかなお初だと、どこにどのくらい何を入れたら味になるか全くイメージがわかないので、手探りで味をみながら調整していくしかなく、作ってる間中、はらはらどきどきのスリルンルン、って楽しんでますがwww。
アクアパッツァをベースにすることも考えたのですが、骨が混じりやすいのと味がやさしいから、違う方がいいかな、と。日高シェフ、切り身での作り方も紹介されてましたが、骨がないとアサリとか加えないと旨みが足りないですし。これがほんとの骨抜き、なんて。
悩み始めるとずぶずぶと沈んでいって、どこいくのや〜、ちょっと”そこ”までって、深海2000でも潜れないような日本海溝の底まで行ってしまうので、アクセントの酸味と旨味を足すくらいにトマトピュレを加えた鯛の出汁をベースに全体をバランスさせようと頑張った、の今日のお話です。
パスタを作る
優しくてサラッとしたソースになりそうなので、久々のスパゲッティーニにすることに。細くなるほどしっかりコシがでるようにしないと茹でた時、ふにゃふにゃになって。お察しの通り、何度かやってます。”これ茹ですぎのひやむぎじゃね?”って(泣)。
粉はいつものデュラムセモリナ100% 全卵 加水率53% 岩塩1%。気持ち水分少なめの硬めの麺で。細麺にする時、加水率高いと、お互い愛し合ってしまって、離れなくなったりするので。これも何度か経験済み(泣)。はい、伸ばし直し〜、切り直し〜、校庭一周(?)ってなるのは悲しいですから。
水廻し、っていうか卵回し。いつもより多く廻してま〜す。
まとめて15分くらいやさしく捏ねて、30分くらい休ませて、を2回繰り返して、お肌は秋田美人、な感じになるまで。何かに17歳の少女のお尻の硬さ、って書いてあって、しらんがな〜、どうやって確認するねん、と思ったことが。
スパゲティーニにする時はいつもの2倍くらいの厚みに伸ばして
少しだけ乾燥させてから、カッターで切って、打ち粉をしっかりして。"二度とくっついたらだめよ!”って、しっかり釘さしておいて(笑)。
鯛のラグー
お察しの通り、使ったのはアラです。安い、出汁がよく出る、意外に身が取れる、の3拍子そろってますからね。そういえば、最近アラが早く売り切れるようになってて、ぼんやりしてるとなくなることも多くなって。自宅勤務が増えたのと、お財布厳しい方が増えた影響かしらん。
沸騰したお湯で、さっと湯引きして、氷水の中で血合いと鱗を丁寧に取り除いて。ほんと、しびれますね。いえ、指先がですが。
深めのフライパンに入れて、白ワインどぶどぶどぶっと入れて足りない分は水たして、半分くらい浸かるように。生臭いの飛ばしたいので、落とし蓋して強火でが〜っと10分くらい。身にも薄く塩味つけたいので、途中で塩ふたつまみくらい入れて。ええ、ほんとは最初に塩振ってなじませておかないといけないの忘れましてん。
出たお出汁を濾して、トマトピュレに入れて少し伸ばして、トマトが濃すぎず、酸味と旨みのハーモニーがいい感じで、ほのかに鯛の香りと味を感じるくらいのバランスにして。1:1くらいかな。30分くらいくつくつトロ火で馴染ませて、仕上げにオリーブオイルたら〜っと。
と、ここまできて、美味しいけどちょっと平坦な感じが気になって。途中で食べ飽きそうな。アクセントが足りないな、と。
と、思い出したのがanco.labさんとみちさんのレモン祭り。阿吽の呼吸のようにシンクロされてて、素敵なデュオ。もう、おひとりでもキケンなのに、お二人でのダブルパンチ、もう、頭ん中レモンの香りでいっぱいになってしまって、そうだ!レモンで行こう!と。
それがですね。まさかのレモン切れ。う〜、買っておいたの使われてしまってて。レ、レ、レモンをくれ〜、と禁断症状(?)。
代わりになるものないかな〜と冷蔵庫ごそごそしてたら、だいぶ昔に買った酢橘様の残りが野菜室の奥に!。まだ運に見放されていかなったようで。で、玉ねぎとじゃがいもの間に挟まれていたのを救出して、ちょっと一絞り。だいぶお肌が乾燥してて、たしか、これ買ったのって、、、ま、黴が生えてなければ良いということで。
こちらは身だけ取り出しましたの図。鯛は骨も鱗も凶器ですからね。硬いしキレッキレで。で、しっかり取り除いて。ソースに戻すのは直前に。あんまリ煮るとパッサパサになるので。ん?身を煮込んでないのにラグーと言ってよいのかしらん?
トッピング
流石にアラだけではあら〜、なんか寂しい、になりそうだったので、冊を少々。サクで策を弄する、なんて。
トマトソースに合わせるので、身に少し強めに塩と胡椒振って。と、味をぎゅ〜っとさせるなら昆布〆がいいかな、と。
で、折角酢橘つかったので、身の方にも風味を、と思って、下からの昆布で旨み、上からの酢橘で香りと酸味、必殺、コブスダチ締めってプロレスの技みたいな(笑)。ラップして冷蔵庫で数時間おやすみ。この後食べる30分くらい前に、そぎ切りにしてオリーブオイル少々でマリネしてカルパッチョみたいにしておきました。はい。写真撮り忘れです。
フィナーレ
香り付けの酢橘の皮すりすりしておいて。レモン使うと一気にイタリア〜ンな感じになるのに、酢橘だと、あ!じゃぱん!!な風味。隠し味に醤油つかってもよかったかも、と思えるくらい。
いつものように、海水くらいに海塩入れたお湯でパスタ茹でて、湯切りしてから温めておいたソースに少し茹で汁入れて、全体を煽るように馴染ませて。麺細めでソースさらっとしているので茹で時間は短め。ここでとっておいた身をまぜて、さらに数回煽って。
お皿にパスタ盛って、昆布酢橘〆した鯛のカルパッチョと酢橘の皮をトッピングしてフィニ〜〜〜シュ!
今日の○と×
○やっぱり鯛のアラさまはえらい!優しくて滋味深い味がしてます。
○麺はスパゲティーニの細さが良い感じ。ソースとの相性も。
○トマトソースとお出汁のバランス、いい感じでした。これ以上トマトピュレ入れるとトマトが勝ってしまいそう。
○これもお初だった昆布酢橘〆、トマトソースに埋もれない強さが出て、カルパッチョで感じる仄かな生臭さが薄らいでマル。
○酢橘のアクセント、爽やかな香りでふんわりと覆うのはいいかも。次は完熟レモンでやってみたいな〜。
×麺のコシはしっかり出ましたが、少しだけもちっとした感じがあった方がバランスが良かったかも。ちょっと強面になってしまった。
×安直にトマトピュレに頼ってしまいましたが、フルーツトマト使った方がバランス良かったかも。。。とはいえ、おいしいのはアホみたいに高いしな〜。悩ましいところです。
ともあれ、合格点もらって、また作ってコールもあったので、お初にしてはよし、ということで。ほっ、と胸を撫で下ろしたのでございました。
ん?また作るってことは定番化、ってことはまた新しいもの作れなくなる!?ま、定番いっぱいふやすことにいたしましょう。なんて。
明日が素敵でありますように。
小さな喇叭水仙。ちょっと健気。
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