見出し画像

ばっちゃんたちの味 筍の混ぜご飯

♪春が来た 春が来た どこに来た♪
頭ん中も春〜なわたしです。そう言えばなんでspring?かえるぴょこぴょこ3ぴょこぴょこする季節だから?てなわけないよな〜、と思って調べたら飛び出る、湧き出る、という意味だとか。泉もスプリングも意味するから、かえるぴょこぴょこもあながち間違えではないかも(笑)。

で、なんのお話かと言うと
もうnoteのご近所のみなさま、春の旬、竹のお子様、筍お料理されてて。もう魅惑的な品々。筍食べた〜い気持ちマックスになってて。で、先週までは4桁行ってて、こんなん買えんがな〜、と貧ちゃん性のわたし。なんでうちの近所だけ高いねん、と、指を加えてみてるだけ〜の我慢の日々。

それが、出会ってしまったのです。極安のが。と言ったら頭ん中はもうこの曲しかありません、って前にも一回使ったような。ま、流れてしまうものは止められまへん。

ううう、小田さんファンの方、ごめんなさい。

雨後の筍ってよく言ったもので、雨降ってあったかくなったので、にょきにょき出てきたんでしょうね。直滑降なみの価格下落。ここで会ったが百年目、じゃなくて折角の出会いでございますので、一期一会の気持ちで。

そういえば、なぜ角を折る、っていうねん、と思って語源由来辞典調べたら

漢語の「折角」は、朱雲という人物が、それまで誰も言い負かすことができなかった五鹿に住む充宗と易を論じて言い負かし、人々が「よくぞ鹿の角を折った」と洒落て評したという『漢書(朱雲伝)』の故事に由来する。

と、よしなしごとを置いといて。

関西ご出身のいこまゆきこさんや京都にお住まいになったことのあるゆのきりょうこさん、色目も美しく仕上げられてて、もう、憧れしかないのですが、どうもこういうお料理になると地が出てしまって。

ご幼少のみぎり、山に掘りに行っての筍。普通に売られてる筍より太くて大きくて風味も強くて、当然硬くて。ほんとに雨降った後とかにょきにょき出てくるんで取り放題。取立ての筍、焚き火に埋めてじっくり焼いて湯気の上がるまんまを食べた懐かしい思い出。あとは大釜いっぱいの筍煮。日持ちするようにしっかり味付けして。じいさんたちは山に筍取りに、ばあさんたちは台所で料理、でした。

で、育ちは争えない、のばっちゃんたちの味で筍料理を。ただ、売っている筍、竹林の栽培もので、今の家庭に合わせてなんでしょうけど、小ぶりで柔らかく風味がやさしいので、すこし今風にアレンジして、の今日のお話。作り方はみなさまご存知だと思いますが、細部の違いなどお楽しみいただければ。神は細部に宿るとも申しますので。

下拵え

今日の筍2本。筍の皮って産毛のような毛が生えてて、なんか可愛らしい、って"愛からわず"の変態全開で。

画像1

火が入りやすいように穂先を切って、皮に切れ目入れて。この時、御本尊にまで切れ目が入ってしまうと糠が入り込んで取るの大変になるのと風味抜けるので気をつけながら。刃先が柔らかいところに入った瞬間を捉えるようにして。んんんん、ここだって探り当てたらそこからぐぐっと切り裂いて。気分は外科医、って筍手術してどないすんねん。香りや風味が強く残るので皮は剥かないで。裸じゃはずかしいでしょうし、って惻隠の情もありますのよん。

画像2

今は便利ですね。筍買うと漏れなく糠もついてきて。それも唐辛子入り。ほんと至れり尽くせり。ま、もう糠床作ってる人も減ってるだろうし。
糠なんで入れんねん、て、ちゃんと比較実験して残留量調べたのは見つけられなかったんですが、経験的には、糠入れた方がアクは抜けて風味が残るように感じてます。これは好みですね。30分くらい茹でて、蓋したまま2時間くらいそのまんま放置プレイ。

画像3

画像4

身ぐるみ剥いで置いてけ〜、って追い剥ぎのように皮剥いで。きゃ〜って筍が言ったとか言わないとか。食べやすいぐらいに切って。硬いところは薄めに、やわらかいところは厚めに、ってあったりまえですね(笑)。

画像5

味付け

お出汁は鰹節、でなくて削り節です。もれなく鯖節も入ってるやつ(笑)。もっともばっちゃん風、少し雑味があった方がらしいので、悪くはないです。本枯れ節を削って、とかできるといいなあ。あのしゅっしゅって削る音と立ち登る香りが好き。沸騰させて、火を止めてから投入。沈むまで待って。これ眺めてると気持ちまで澄んでくるような。削り節を濾して。

画像6

切った筍入れて、水8:みりん1:薄口醤油0.8ぐらい。ばっちゃんたち濃口醤油使ってて、でも、売ってる筍風味がお上品なので、薄口醤油にして。筍ご飯用はすこし薄めの味付け、煮付け用は少しみりん多めで。30分くらいことこと茹でて、あとは火をとめてしっかり味を馴染ませて。

ご飯用

画像8

筍煮。すこし大ぶりに切ってます。色目の違いはわかんないですね。

画像7

炊く

掘った時に筍煮たくさん作っておいて、そっから食べたい時にご飯にしてたので、ばっちゃんたちの作り方は混ぜご飯スタイル。
お米を研いで、30分くらい水に浸して、水切りして30分くらい。乾燥しないように濡れ布巾かけて。

画像9

画像10

油揚げは熱湯かけて油抜きして、小さめの短冊切りに

画像11

画像12

お米、筍の煮汁、油揚げを入れてご飯炊き上げ。ほんとは土鍋で炊いた方が美味しいんですけど、この日は家事曜日。怒涛の掃除洗濯アイロンがけと他のことやりながらなので、ここは放置できる電気釜で。うちの釜だと一度炊き上がってからもう一度炊飯スイッチ入れて5分くらいおくと、いい感じでおこげができます。

画像13

炊けたら飯台にあけて、筍と胡麻入れて、切るようにまぜて。いい感じでおこげができてま〜す。この香りがたまりませんです。

画像14

筍ご飯のか・ん・せ・い〜〜〜!

画像15

おかかふりかけ

お出汁取ったあとの削り節、もったいないので、うちはふりかけにしてます。みりん、砂糖、醤油加えてトロ火でくつくつ。ただ、絡みやすいので、かき混ぜるとどんどん大きくなって、固〜くなるので、広げるようにほぐすようにしながら。って、なんで知ってるのかな〜(笑)。

画像16

仕上げに胡麻降って

画像17

すこししっとりしたふりかけの完成。

画像18

おかず

”なんでもいいけど肉がいいな”というお言葉
さていつものようにこれをどう読み解くか。ま、これは難しくないですね。
”肉が食べたい”ですね。だったら”なんでもいいけど”はいらんやん、と口が腐っても言ってはいけません(笑)。

ちょうど厚切りの豚さんと茸が超特価だったので、これで一品。生姜焼き焼き合わせ、っていうのかな、な、感じで。

いつものように茸さまたちは干して。この日はぴーかんだったので日当たりのいいところで少し風にあてて。もう、これだけで香りと味がぎゅっとしてきて好きです。

画像19

豚さまは筋切りして、濃口醤油1:みりん1:お酒0.5 生姜皮ごとすりおろしたもので30分くらいお休みいただいて。生姜は汚れてるところだけごしごしして皮ごとの方が香りが立って好きです。お肉柔らかくする力も強くなるし。

画像20

お肉だけ取り出して、表面布巾で軽く拭ってから薄力粉ハケでぱふぱふ。うす〜く衣を纏わせて。

画像21

サラダオイルうす〜く引いたフライパンを少し熱くしておいてじゅじゅ〜っと。半分くらい肉の色が変わってきて焦げ目つきだしたら、ひっくり返してまたじゅじゅ〜。お肉はいったん取り出して。

画像22

豚さんから脂がでてるので、これで茸をソテー。中火で煽りながら水分とばすような感じで。

画像23

ここにさっきの豚さんの漬けダレ入れて、煽って馴染ませて。で、茸さまたちはいったんご退場願って、残りの漬けダレ投入。茸の風味とともにシュワワワ〜っと軽く煮詰めてからお肉さん戻して味絡ませて。ここ、ちんたらしてると焦げちゃうんで写真撮れず。

フィナーレ

で、今日のお料理たち

筍の混ぜご飯 おかかふりかけのせ

画像24

豚肉生姜焼き 色々茸の風味

画像25

筍含め煮

画像26

うーん、味はびったしうちの好みですが、見事に茶色い田舎風。関西の方だともう、この色見ただけで”アウト〜”でしょうね。
んんん、しかし見事なまでのまっちゃっちゃ、おもちゃじゃなくてお料理の茶々茶、蘇る茶(色料理)道家元の彩!
わたしの料理が茶色くなるルーツはここにあったんだ〜と改めて。
なるへそでべそぶたのへその納豆食くうじゃなくて納得。大阪暮らしながくても、血筋は争えん、ということでした。ち〜〜〜ん。

今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
明日がもっと素敵な日でありますように。

画像27

路傍の灯台躑躅(ドウダンツツジ)。この小さな花の可憐さ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?