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2023.9.9 PSM vs北海道 卒のないPG

(ヘッダー写真提供:ばんばんさん@banno_sports )

遂にお披露目となった、FE名古屋の新シーズンの試合。ルーク・相馬が欠場していたこともあり、全貌はまだまだ分かりませんが、いいプレーも随所に観られ、期待の膨らむ試合になったと思います。
特に注目したいと思った選手が見つかったことが、個人的には収穫でした。その選手は秋田から移籍してきた川嶋です。

1Qから2020年スティール王の実力の片鱗を見せた川嶋ですが、特に自分が感じた川嶋の魅力は、「視野の広さ」と「パスの"間"(あいだ、ではなく、ま)」です。

魅力①パスの"間"

パスの"間"とは、味方にパスを出す際、味方がより有利な状況で受け取れるよう図ったタイミング、を指します(自分が勝手に言っているだけです、悪しからず)。

 例えばこのシーンでは、ピックアンドロールから中にダイブしたザックにパスを出していますが、すぐには出さず、ザックがより有利な状況になるまで待っています。より有利な状況とは、よりゴールに近く、ディフェンスを背負っていない状況です。ディフェンスを背負った状態のザックにパスを入れれば、ザックはそこで1on1をしなければなりませんが、ザックが脚を縦に入れた状態になればそこから振り向くだけでシュートまでいけます。その状態になる時間を、川嶋は待っていたのです。
またその次のシーンでも、川嶋はディフェンスの背後に走り出した中山にパスを出しますが、これは中山についていたディフェンスに川嶋が反応して重心が前にかかったタイミングに出しており、ディフェンスが中山に戻るのに一番時間がかかるタイミングになっています。個人的にはベストなタイミングだと思います。

魅力②視野の広さ

昨日の試合で一番ひかれたのがこのパスです。

オマラとのピックからミスマッチを作り出し、そのオマラにコーナーのディフェンスがヘルプに行こうとしたその瞬間、コーナーの満尾にノールックパスを出し、満尾のオープンスリーをクリエイトしています。
パスを出す方向としては、ヘルプしてきた選手が本来ついていた選手に出すのは定石なのですが、オマラのところにミスマッチができていること、そのミスマッチを使おうとする気配を見せコーナーの方に視線を向けている様子が全くないところ、そして何より、この間全く急いでいる素振りがないところが、このオープンスリーに繋がっているのだと思います。これもまた、魅力①でもあるかと思います。

川嶋のいいところ

公式の選手紹介で、自身は「観てもらいたいプレーはよく分かんない」と言っていた川嶋。もしかしたら、スピードや3ptなど見た目に派手なプレーを得意としているわけではない、というのがあるのかもしれませんが、上に書いたような、痒いところに手が届く、「抜け目のなさ」「卒のなさ」が彼のよさなのだと個人的には思います。そして、それはとても立派な強みだと思います。
今シーズン、これからも注目していきたいと思います。

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