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自作布マスクはコロナ対策になるのか? 緊急投稿(1)

米国公衆衛生局(PHS)長官のジェローム・アダムス医師(中将)自ら、布マスク自作方法の動画を投稿するまで追い詰められたアメリカ。それまでCDC(疾病予防管理センター)やPHSでは「一般市民はマスクをする必要はありません、咳が出る時には腕で口を覆いましょう」と言っていたわけですが、腕で覆うよりマスクをした方が良いに決まっています(一方でCDCは早い時点から医療従事者には空気感染の可能性を考慮した防護を推奨していました)。マスクの備蓄量や供給量を見ながら、マスク着用勧告を出すか判断するつもりだったのだろうと、個人的には推測しますが、医療機関での消費量に全く追いつかず勧告を出すタイミングを逸してしまったのでしょう。4月3日になって、一般市民も「とにかく布で顔を覆う」という勧告を出しました。ちなみに日本の布マスク2枚全世帯配布が発表されたのは、この2日ほど前だったと記憶しています。

さてCDCの4月10日発表に"COVID-19 is primarily transmitted by respiratory droplets"「主に呼吸飛沫によって感染する」という一文を見つけました。primarily(主に)というのが重要です。私はそれまで、飛沫核感染(はっきり言えば空気感染)もするが、主にウイルスが付いた手で眼をこすったりすることで感染すると思っていたのですが、CDCは呼吸飛沫のほうが主だと、何気に言っているのです。

まあ、1か月以上前から6 ft (1.8メートル)のソーシャル・ディスタンスと言っていたので、fomite transmission(物を介する感染)だけじゃないという意味だったわけです。呼吸飛沫で感染するということは、会話でもリスクがあるわけで、日本でもナイトクラブなど接客を伴う飲食業が名指しされたのもそのためです。スーパーのレジの店員さんに対するねぎらいの言葉は心の中でかけましょう。COVID-19と、従来のコロナ(つまり風邪)やインフルエンザとの違いは肺に達するとウイルス性肺炎を引き起こす(ふつう風邪やインフルエンザをこじらせてなるのは細菌性肺炎)ことのようです。ここ最近、日本でやたら言われるようになった、スーパーのカゴやドアノブなんか介したfomite transmission(物を介する感染)で感染しても、もしかしたら重篤化しないことが多く、実は会話のほうが危険なのかもしれません。


さて本題の「自作布マスクはコロナ対策になるのか?」に入ります。多くの方がなんとなく「マスクは感染した人が感染を拡大させないための効果はあるけど、自分自身を感染から守る効果は期待できない」と考えているのではないでしょうか(医師でもそう断言している方もいます)。その点も併せて見ていきたいと思います。

他所からお借りした図ですが、一番見やすそうなチャートを選びましたが、大体どこも同じような内容です。サージカルマスクというのが、不織布3層の四角い普通のマスクのことです。花粉症の人が使う一般的なマスクです。

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サージカルマスクは、なかなか優秀でN95とあまり変わりません。サージカル・テープで顔との隙をふさげば、N95の代用になるかもしれません。FFP1というのはヨーロッパの規格で、アメリカのN95より性能が落ちます。画には呼吸弁が付いていますが無関係なので無視してください。アメリカのN95相当はFFP2、日本のDS2です。バクテリアというのは細菌のことです。dustは埃、pollenは花粉ですね。

スポンジマスクは話になりませんね。この図ですと、布マスクはスポンジマスク同様、ウイルスに対しての防護効果はなさそうです。


次は他のサイトからお借りしたグラフで1μmの粒子に対する効果です。コロナウイルスは0.1μm程度の大きさらしいので意味がなさそうですが、咳やくしゃみの飛沫は5μm(飛沫とは5μm以上の大きさの感染病原体を含む粒子)なので、飛沫感染に対する効果が推測できます。

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ディッシュタオル(ふきん)がわりと優秀ですね。

次のグラフで0.02μmの粒子に対する効果です。飛沫として空気中に飛散した病原体が、空気中で水分が蒸発した5μm以下の微粒子が飛沫核です。呼気の87%を占める1μm以下のエアロゾルに対する防護効果も推測できます。

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意外とTシャツも効果がありそうです。化繊とコットン混紡のほうが、100%コットンより効果が高いです。

次は2枚重ねにしたら効果がどのくらい増すかです。

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なんとディッシュタオルの2枚重ねはサージカル・マスクと同じです。


次はスポンジマスクの0.3μmの粒子に対する効果です。

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スポンジマスクは効果ゼロですね。一桁小さい0.02μmの粒子にTシャツですら効果が期待できるのに。スギ花粉は20μmらしいので、スポンジマスクは花粉用ですね。中国のマスク工場で不織布をワザと靴にこすり付けている動画もあり、コロナ騒動以降に粗製乱造された中国製マスクは衛生面で不安です。また、数日中にはスポンジマスクは店頭でも容易に手に入るようになると思いますが、自作布マスクのほうがよさそうです。


まとめますと、医療従事者でなければ自作布マスクでも新型コロナ対策になりそうです。一時期ニューヨークでは病院が医師や看護師に自分のマスクは自分で作ってくるようにと指示するところまで来ていたという話もあります。

「ウイルスの大きさは布目の1/100程度なのだから布マスクでウイルスを防げる訳がない」と言っているお医者さんもおられます。 しかし実はBrownian motion(ブラウン運動)のせいで、ウイルスが繊維に引っかかり透過できない割合が多いようなのです。

自作布マスクを使用するうえでの注意点として

●毎日、洗濯する

●人ごみから帰ったら、洗濯済みのマスクと交換する

●仕事などで長時間着用する場合は、食事や休憩などのタイミングで洗濯済みのマスクと交換する

●裏表を区別して間違えないようにする

などの配慮が必要です。一人当たり複数必要になりますね。とはいえ針と糸を使うのは面倒という人も多いでしょう。

そこで米軍おススメのハサミを使うだけのTシャツマスク。

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1インチは約2.5㎝です。現在、米軍の支給品のTシャツは100%ポリエステルの速乾性の素材だと思います。

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本当に米軍でやってるのかな?

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海兵隊が実際に使っていました。


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