『(r)adius ラディウス』 スーパー・スプレッダー(病原体をまき散らして感染を拡大させる人)のメタファー

〈核心や結末に関する記述があります〉

スーパー・スプレッダー(病原体をまき散らして感染を拡大させる人)、あるいは無症候性キャリア(症状が顕れないために本人が気付かないままに感染源として周囲に伝染させる人)のメタファーじゃないか?と考えてしまいますね。記憶喪失の女性はたまたま抗体を持っていた。主人公のスーパーナチュラルな力を相殺?中和?できる仕組みはともかくとして、離れたくても離れられない男女の逃避行というのは、ヒッチコックの『三十九階段』や『逃走迷路』に代表される、サスペンスの王道です。

『心の旅路』『白い恐怖』『悪魔のようなあなた』など、昔から記憶喪失ものの映画は多いですね。もちろん小説に記憶喪失ものが多いということもあるのでしょうが、映画に適した題材なのでしょう。
また、精神障害で別人格の自分が罪を犯しているという『サイコ』や、『エンゼルハート』のように、実は自分(主人公)が殺人犯だったという映画は数えきれないほどあります。

カナダのSF映画というと、太陽嵐ものとか、地球寒冷化人体瞬間冷凍ものとか、悪い予感がしたのですが、意外や意外、映画ファンに受けるようなサスペンス作品なのした。



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