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野崎集落跡-時代に置いていかれた姿

 野崎島で心を揺さぶられたのは、旧野首教会だけじゃない。
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 野崎港のすぐそばに野崎集落跡がある。前の記事に書いたように、今の野崎島は無人島なので、基本的に住民はいない。だから、集落跡なのだ。この集落跡も、見る者に島の悲しい歴史を思い起こさせる。
 瓦礫の山となった廃屋が両側に並び、その合間を縫うように小路を歩いてみる。


 小路から見える、塀の向こうに残された布団は、中綿が飛び出し、黄ばんでいる。

 この集落の時計は、1971年から止まっているような気がして、何だかタイムスリップしたような気分に陥る。
 歩いて進むうちに、次第に廃屋が綺麗に手入れされた家屋に変わっていき、そして住民が現れて「こんにちは」とでも声をかけられそうな感覚に囚われる。


 時折、廃屋の瓦礫の陰からガサゴソと何かが動くような音がする。

 まさか、本当にタイムスリップして、昔の住民が現れた!?

 大概は、鹿が立てる音だ。人間が住んでいないので、野生の鹿が自由気ままに闊歩しているのだ。



 そして、時には風のせい。
 しかし、小路のその先に、きちんと手入れされ、誰かが住んでいそうな屋敷が本当に姿を見せるのだ! まさか、本当に1971年にタイムスリップしたのか!?
 それは「沖ノ神嶋神社神官屋敷跡」なのだが・・・。歴史を後世に伝えるために整備されているのだった。

 今回は、野崎島の中のほんの少しの地域だけしか見ていない。旧野首教会や集落跡と並んで、是非見ておきたいのは、沖ノ神嶋神社なのだが、これはとても軽い気持ちでは行くことができない。今回行けなかったことはとても残念だ。

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