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favy式面談フローの詳細 #22

日常で使えるオブジェクト指向は例えツッコミ #21 や 最近面接した人の話 #2 の補足になります。

自分の実際行っている面談フロー

自分がやっている面談フローは、
1. カジュアル面談
2. 体験入社
3. 雇用条件整理
4. 試用期間
5. 本採用
になります。僕はエンジニアの採用をしています。

それぞれの要素別に解説していこうと思います。

1.カジュアル面談

一般的になった単語ですが、ここ7~8年で出始めた単語だと思います。
少なくとも僕がfavyを創業する前にはこの言葉はなかったなと。

すごく雑に言うと「軽い気持ちで話そうぜ」というやつ。会社によってはゲーム面談とかラーメン面談など、本当になんかのついでだからみたいな軽い雰囲気でやろうよというやつです。
マッチングアプリでお互いいいねしあったから連絡とったぜというフェーズ。

スーツ着てたらほとんどアウトです。勘違いしてるので。
履歴書や職歴書出してきてもアウトです。どうでもいいので。

カジュアル面談をやる意味

書類に書いてないこと、ネットの情報ではわからないこと、熱意等の温度感、繕っていない本音、等々。
それらを知りたいというのがその意味だと思っています。

人は嘘がつけます。そして9割9分の人はその嘘を付き通すことができません。必ずどこかで崩壊します。これができます!と嘘をついて入社して、できないじゃないかとなったら終了ですよね?
プライドが高い人や土壇場でケツをまくるような人の典型で、嘘をつかないと話ができないような関係性・信頼度で僕は仕事ができません。

そして、そういうフランクな面談で、大体の知識量とか頭の回転の速さなどもわかります。話してて面白い人や感心する人もいますし、こちらの話を興味深く聞いてくれる人がいます。
知識量と書いたけど、エンジニアだからそういう専門のというわけではなく、全く関係ないことでも良いと思います。専門知識や周辺知識はあったほうがいいけどどうせ仕事してく上で勉強することになるし知らん事いっぱいあるでしょと思っているので気にしません。

マッチングアプリで連絡とったりしたときに、くっそみたいな対応されましたという人とデートしたい!とは思いませんよな?

旧態依然の面接をやらないのはなぜ?

学生時代に面接のやり方みたいなものを学んだと思いますがアレは面接ではなくて礼儀の勉強ですね。あの"面接"というものは人を嘘で固めて入社できるようにするための嘘のスーツを着る作業で、僕個人の意見ですがまじでゴミだと思っています。

先にも書いたけど面接をやらない理由は、結局嘘ついて入ってきてもボロが出て崩壊するから、ですね。

2.体験入社

会社に来てもらうことを主旨としてます。最近はCOVID関連でそうもいかない時もあってZoomでやったりしてますが本意じゃないです。

体験入社というフローも同じく7~8年ぐらい前まではなかったと思います。他所でやってるところもあったと思いますが、あまり誰かから得たわけじゃなくてこういうフェーズがあっていいよなと独自で入れたような記憶です(当時の採用部分を担当してた人に詳しく聞きたいが)。

やってることは、デートですね。デート。

体験入社をする意味

お互いの検証という点が実施する本意になります。

先の逆側の話になりますが面談担当者(企業側)も人なので嘘をつくことができます。
エンジニアで採用されたと思ったら営業だったとか結構あるあるだと思うんですが、僕はこれは詐欺だと思います。巷ではやりがい搾取とか言うんでしょうか?よくわかりませんが。

つまり入社希望者側も「嘘じゃないよね?私の想定通り、話に聞いてた通りだよね?」という確認をしてもらうという意味があります。

そしてメンバー(既存の企業側の人たち=将来の同僚や先輩)にも「本当にこの人と働きたいのか?」と自問自答してもらって結論をもらうようにしてます。

どんなに優秀な人でも、既存チームを崩壊させるようなことになったら困りますもんね(そんなことなさそうだけど)。

体験入社の超重要ポイント

やってもらうことは、
・会社内の雰囲気をみてもらうこと
・メンバーとコミュニケーションをとってもらうこと
・上記のように強烈なネガティブ要因がないかのチェック
などです。仕事はしてもらいません。
月並みな言い方すると「フィーリングチェック」ですかね。

そして、体験入社の通過権限を有するのはメンバーです。
僕(=面談担当者)は体験入社の状況を見てNGとかOKとか先んじて言わないようにしてます。みんなの意見が出てからは言うことあるけど。
僕の意見がみんなを誘導したり示唆してしまわないようにしてます。

なぜならみんなが決めてほしいからです。コードレビューと一緒かも。僕だけがOKというのではなくみんながOKって言った、その連帯責任、一蓮托生をもってGOしないといけないと思ってます。
面談担当がOK出してそれでGOなら、体験入社をする意味ないかなと。

デートと書いたけど、親に挨拶には行ってますね。。。

3.雇用条件整理

これはどの会社でもやっていることですが、
・給与
・仕事内容やポジション
・出勤形態(日数や場所)
・契約形態(正社員、アルバイトなど)
などを決めます。

これは面談フローというより法的に必要だからって感じ。労務という意味合いかな。ですので特に弊社の場合はですが、体験入社(=デート)が最も高い壁でそこを突破した場合はほぼ粛々と入社手続きまでいく形になります。

雇用条件整理の超重要ポイント

先に書いた通り労務的な意味合いで整理しとかないとという点が最も強いですが、その他の点として大事なことがあります。

契約形態などはその典型で、例えば副業してますとかなら、じゃあ正社員じゃないほうがいいんでは?とか、人それぞれで事情が異なります。
法人と個人との契約上最も不都合がない契約を結べよと思っています。

基本軸は正社員雇用になると思いますが、法的な立場の違いが大きくあれど仕事をやる上での権限などは弊社ではあまり区別していません。
仕事上の関係と法的なメリデメは別軸で考えています。

またもう一点。面談フローの中で3番目に位置させてる通り、最初に金額や仕事内容を限定しないことです。
お金や待遇の具体性は、他のいろんな情報よりも色が濃く眩しく映ります。とあるお酒の席で、お金の話をした瞬間に目が$マークになる女性とあいたいしたことがありますが他の事が入らなくなってしまう人が多くいます。
お金や数字って魔力がすごいので、他を目眩まししてしまう情報は周りの情報を理解してもらってから出すようにしてます。

結婚するにあたって共働きでやっていこうとか、子供は○人ほしいねとかを決めると思うんですがそれです。

4. 試用期間

実質の入社です。内定という意味であってるのかな。
最大3ヶ月でやっています。特例で6ヶ月とかに延長とかも過去あったけど稀なケースです。

試用期間中を「オンボーディング期間」とかいう言い方もします。要は会社に慣れてね!という期間ですね。

同棲です。よっぽどなことがない限りは結婚するでしょう。

5.本採用

会社からすると4に毛がはえた程度の話です。契約更新みたいな話。
入社側からすると正社員など肩書がちゃんとするので意味のあるマイルストーンです。

いよいよ結婚ということです。が、結婚は結婚してからが始まりです。

本採用の超重要ポイント

結婚と書きましたが、世の中には愛人関係や不倫関係、内縁の妻や主夫など、いわゆる夫、妻以外の関係性も存在します。つまり結婚関係にも例外はあります。大体は罪になりますが。

就職にも例外があります。雇用条件整理で書いたとおり、正社員以外にアルバイトや副業、業務委託みたいないくらでも組み方は存在しますので。

そして最も大事なのはやっとここから始まるんだということですね。

僕が面談で最も大事にしてること

自社のサービスにどう役に立てるのか?という打算的なことはあまり考えてません。

本来、経営側に携わる身としては最優先だろうという人もいると思うんですが、なんかその捨て駒感というか歯車感が好きじゃなく。
少なくとも自分がそう判断されて入社するというのはちょっとなぁと思うので。

スタンス

入社してくる人に最も大事にしてほしいことはこの会社をちゃんと使い倒すことができるのか?ちゃんと利用できるのか?という点です。
入社したいと思う理由の中には、未経験なら仕事の経験を積みたいとか、老練な人なら役に立ちたい(=自分の評価を高めたい)などがあると思うんです。

そのエゴや欲望を剥き出しで仕事にあたっていいすよと思ってます。やることやって「どや?」でOK。
というか剥き出しでやってもらったほうが自身のポテンシャルが最大発揮されると思いますし、サービス強化や会社の強化という点では絶対にプラスに働くと思っています。

稀に逸脱してしまう人もいますが、それは会社の文化や先輩らが歯止めをすればいいだけの話。

自分への投資という考え

労働基準法をベースにすると大体1日8時間ぐらいは仕事をすることになると思いますが、残念ながら人には24時間しか用意されていません(相対性理論とかを持ち出すとその枠を超えますが人外という条件なのでここでは除外)。

8/24 = 1/3 ということで、1日の1/3は仕事。
大きく捉えると社会人人生の1/3ぐらいは仕事をすることになります。
人生のサンブンノイチ ってかなり大きな掛け金じゃないですか?

「人生のサンブンノイチ」というチップを、どっかの会社にベットする。考えてみてください。

損したくねーー
と思いませんか?

そのチップの賭け先、本当にここでいいんだっけ?という点は確かめ算として絶対にやってほしいです。

未経験でも大丈夫ですか?

これほんとよく聞かれるんですが、先人達の面接官が経験者しか取らないからって言ってるからですよね。馬鹿め。

全員が経験者しか取りませんとしたらどうやって経験積むんじゃ?と。未経験だろうとなんだろうと上記のようなスタンスや考えを持って取り組む姿勢があればいくらでも逆転できると思うので問題ないです。

あと技術進歩がえげつないです。齢41、約20年ウェブ業界に居ますが知らん事いっぱいだし新興サービスばんばん出てきます。20年前Githubとか無かったし。それらを新しく勉強する時だって僕も未経験なのだから大丈夫。20年浸かってる人が未経験だって言ってるんだから大丈夫ですよ。

が、スタンスや考えは必須です。
また就職後は未経験だからとか新人だからとかいう口弁は「言い訳」になってしまうので入社後にこれをクチにするのは止めましょう。

責任逃れのように聞こえることもありますし、他所の人から見たら1年生も15年生も同じプロですから。できないことはできないけど、プロとしての矜持(過信はNG)は持ってください。

退職していく人たちとの関わり

将来、採用した人が巣立っていったとしても僕は何も後悔はないです。しょうがないよねと思う。

法人や経営側からすれば「なんでせっかく育てたリソース手放してるんだよ」と言うんでしょうが、旅立つ理由なんてくさるほどあるんで引き止めれるような状況なら引き止めるでしょうし、申し訳ないけどそんなに役立ってない(重要人物ではない)なら、引き止めるということがおかしいと思いますし、さらにいうとそこまでの歴史や流れもあるでしょう。
重要な人に辞められたら困るってのは伝えますが、辞める人は辞めます。

さらにいえば別に今生の別れってわけじゃないので、いつでも戻ってきてもらっていいすよと思ってます。
ちなみにちゃんと巣立った人は、僕や会社のことを宣伝してくれたり、なんなら紹介してくれたりといいイベントにつながることがあるので、大きなデメリットは無いです。

逆にですが、失意で退職していったり、「この職場最悪だったぜ」という印象や思いでリタイアしていく人は減らさないといけないです。こういう人はネガティブキャンペーンをするので企業にとってメリットがないです。
またこの人自身も他責にしてしまっているので成長がないため、この人にとってもメリットがないです。

どっちに責があったのかはどうでもいいです。どっちにも責があるんだと思います。そこの正解は本当にどうでもいい。言ったはずだ、聞いてないみたいな水掛け論などがよくネガティブ退職の時になりますが、どうせどっちも悪いんで。
自責にして反省して次に活かすことでしか価値はでないだろうなと思います。

今後について

変わっていく要素があるかもなーと思っているのは、
2の体験入社を4と併合してしまう(形骸化してる4を超重要ポイントに変える)などはありうると思います。面談後に仮入社みたいな感じにしてしまって実際の仕事に通じるようなミニプロジェクトを取り組むみたいな感じですね。

また会社のステージによっては、1で重要視するポイントがポジションだったり知見だったりというのは出てくるかもしれません。

新卒採用とかは実施してないので(スタートアップ企業なんてほとんどやってないと思う)、そういうのも検討の余地入ってくるんでしょうね。

まとめ

会社という組織(=環境)をうまく利用して、人生のサンブンノイチという投資をして、きちんとゲインを得ていただけたら、その仕事人生は最良だったのではと思う次第です。

その人の仕事人生の中の良き経験歴の一筆に混ざれればよいなと思って面談させていただいています。こういう面談が広まればいいのになぁと思う次第です。

あざした。

元々SEOの人でしたがウェブ関係ならなんでもござれの悪食です。言語、CMS(modxなど)、自転車、サッカー、オウガバトル、WCCF、ミニ四駆、TVゲーム全般、麻雀、武器・銃火器、未来・未知な物に反応します。