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【自治体インタビュー】”万能アイテム”DQ Worldで三方良し!肝付町が進めるGIGAスクール時代の情報モラル教育に迫る

今回は、EdTech導入補助金2022による実証導入を経て、2023年度よりDQ Worldを正規導入する肝付町教育委員会の教育総務課 教育指導係 岩﨑喜好氏にお話を伺いました。DQ Worldの導入経緯から導入効果、そして教育委員会目線での教材活用のマネジメントのヒントまで他の自治体でも役に立つ様々なお話をお届けします。

トピック1##  DQ Worldを導入するまで

GIGAスクール構想が始まる前の令和2年10月頃から、肝付町ではタブレット端末を整備しました。整備した当時は、勝手に友達の写真撮るなど、子どもたちはその端末を自分の家で使うスマートフォンと同じような感覚で使う様子が見られました。

本来ならば、タブレット端末はモラルをしっかり身につけた状態で使用しないといけないものだと考えています。ロイロノートも同時に導入しましたが、いろんな意見が書き込めて便利な一方、書き込むにあたっては注意しないといけないことがあると思います。

そうしたモラルの基盤がないまま、令和2年度から令和3年度に向けてタブレット端末を使った学習を行った時に、やはり並行して情報モラル教育(デジタルシティズンシップ教育)の必要性を実感しました。生徒指導に関わるトラブルに発展する可能性があると思い、何らかの教材アプリみたいなものを導入する検討をし始めたのが、DQ Worldの導入の背景にありました。

様々な企業の教材を見ましたが、鹿児島市立学校ICT推進センターの木田博所長から「鹿児島市はこれを今使ってますよ」とご紹介をいただいたのがDQ Worldでした。実際に教材に触れてみて、子どもたちにとって学習のハードルが低いと感じました。活用する上で、ゲームのような感覚で、自分のペースでどんどん進めていくことができ、楽しく学んでいけるようなところが良いと思い、導入に至りました。

トピック2##  DQ Worldの導入から展開

DQ Worldの導入前は、携帯会社から講師を派遣していただき、各学校で情報モラルに関する講演を実施していました。 恐らく、これまではそれが大体主流だったと思います。各学校で申し込み、年1回程度は実施していました。

ですが、年1回の講演だと内容が限られます。例えば、DQでは8つのスキル分野がありますが、講演ではSNS上のトラブルくらいしか扱う時間がありません。他にももっと重要な内容があると思うので、やはりある程度情報モラル教育の内容を網羅したような教材でないと、今の子どもたちに必要な知識やスキルは身につかない、との意見が教育委員会の中で出ました。

令和4年度に、初めてEdTech導入補助金でDQ Worldを実証導入した時に、サイバーフェリックス社から講師派遣をしていただき、各学校で教員向けと児童生徒向けの研修を実施する機会を設けることができました。

「このアプリいいから使ってね」と言うだけでは学校現場ではおそらく活用されません。 研修で、「授業のこういう場面でこのアプリが使えますよ」というように具体的な活用場面を示すことで各学校にある程度周知できたと思います。

トピック3##  DQ Worldの効果

DQ Worldで学習する様子

授業でDQ Worldのコンテンツをもとに展開したり、学校の空き時間で個別学習として進めたり、学校の状況やニーズによって活用方法は様々です。端末を持ち帰らせる学校がいくつかあるので、そこは自主的に「DQ Worldのここのステージを自分で進めなさいね」という指示を出していました。 2023年12月の時点で、各校の活用状況を確認しましたが、中にはDQ Worldをすでに6周も学習した児童もいるようです。

また、授業の中でDQ Worldを話し合い活動の題材にして意見を出しあうという取り組みをした学校からは、「中学校1年生及び2年生の道徳の授業では"著作権と肖像権に関するもの"を、中学校3年生の学級活動の時間では"個人情報に関するもの"を題材にし、各生徒が主体的に学びながら教材の中でスコア化された成果を自身で確認し、授業の自己評価を行いました。インターネットの仕組みやSNS上でやりとりする際の判断基準や対処方法について学び、インターネットをより肯定的かつ自律的に使用できるようになることが期待できると思います。」といったコメントが届いています。

他の学校でも児童生徒が楽しみながら学んでいたという声は聞いていますし、定量的な効果ではないですが、児童生徒数の数の割には、ICTやSNSに関するトラブルや生徒指導上のトラブルはあまり教育委員会に報告がありません。そういう意味では、ある程度効果が出ているのではないかと思います。

教職員の視点では、情報モラルの講演を実施していた時と比べて、講師を呼ぶための様々な手続きや対応をしなくてよくなったことは、負担の軽減に繋がっているのはないでしょうか。DQ Worldさえあれば、基本的に情報モラルで学ぶべき内容はほとんど網羅していますし、授業でこの項目について何分間扱うなどの計算がある程度できるので、資料の準備の時間などがかなり減ったのではないかと思います。

トピック4##  マネジメントの工夫

学校には、「基本的にDQWorldの8つの項目を全部網羅して活用してください」とは伝えていません。学校の実情に応じて、「うちの学校の子たちはここが足りないよね」と判断したら、そこに特化していただければいいと思っています。 

先生方はしっかり取り組んでくださっています。しかし、全部扱わないといけないと思われる方も中にはいます。まずは使ってもらわないと何も始まらないと思っていますので、「1学期か年度内にどれか1つ学校や学級の実情に応じて使ってみてください。」と伝えることにより、先生たちも使ってみようかなと思ってくれるのではと考えています。

もちろん、各学校に「DQ Worldを導入したので使ってくださいね」と丸投げで伝えても100%使ってもらえません。授業や行事など、先生方は毎日多忙ですが、DQ WorldにしろAIドリルにしろ、校内研修などでいろんな活用事例を先生たちにお示しして、実際に活用されるまでにはどういう手立てを教育委員会の方で考え伝えていけばいいかということは、いつも考えているところではあります。

トピック5##  令和6年度の目標

鹿児島県が実施したインターネット利用状況調査の結果から、「この学年にしては見逃せない」と感じる課題(使用時間など)ありました。子どものインターネットの使用に関する課題が浮彫になり、早急な対応が必要だと感じています。

子どもたちが被害に合わないため、また学校でも安心安全にタブレット端末を使えるスキルを身につけられるように、というのはもちろんですが、並行して保護者の意識付けというのも今大きなテーマとして考えています。

町内各学校のPTA会長が集まる会議の際、DQ Worldを紹介して、「こういうアプリを無償で使えるようにしていますので、家庭でお子さんと一緒に学んではどうですか?」と案内しています。DQ Worldは、持ち帰ったタブレット端末で使えるし、特に説明をせずに自分でログインすれば、自主的にどんどん進めることができるので、そういう意味でも情報モラルを身につけるには一番良いツールではと思います。

トピック6##  DQ Worldの導入を検討する自治体・学校へのメッセージ

DQ Worldを一言で表すなら「万能アイテム」です。 子どもたちに必要な学習項目に全部対応しており、また、学習のハードルが低い切り口になっていますので、簡単に学習が進められる情報モラル教育の優良なツールと感じています。

導入を検討している自治体には、「情報モラルに関連するいろんなアプリがあると思いますが、DQ Worldならではのいい部分が多々ありますから、そういう部分を各自治体の実態に合わせてぜひ使ってみてください」と伝えたいです。そうした各自治体の課題にもしっかり対応できるようなツールになっていると思います。

ーーーありがとうございました!

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