見出し画像

高円寺で巡り合えた銭湯と暮らしの新しい掛け算(小杉湯となりが出来るまで)

小杉湯との出会い

どうも、ちゃんぽん(@cyanpon)です。コロナウィルスの拡大が留まるところを知りませんが、東京都やその他近隣の県が外出自粛を要請してから2週間余り経ちました。僕自身 ご多分に漏れず、職場ではリモートワークが基本になり、また 個人活動の方も、コミュニティやイベント運営も オンラインに移行しています。国民ひとりひとりの行動が、回りの人たちへの感染を予防し、withコロナの収束を早めるのです。

現在、そういう混沌とした状況にある中、この半年の間に頻繁に出入りしている 杉並区の 高円寺 にスポットを当ててみたいと思います。生粋の埼玉人である この僕が、何故 高円寺に行くことが多くなったかというと、ミルク風呂で有名な 小杉湯という昭和8年から続く銭湯があるからです。昨年から ひとつのライフスタイルを確立するために、銭湯やサウナを体験する。というのがミッションだったのですが、この小杉湯との出会いが コミュニティとの関わり方、地域と場所の在り方、銭湯と暮らしとの間にある人と人との繋がり方を 色々と学ばせてくれました。有難いことです。

そんな素晴らしい出会いを教えてくれた小杉湯も、つい先日 登録有形文化財 として答申されたとのこと。子供心に嬉しくなりました。本当におめでとうございます。これからも 由緒ある銭湯として後世に語り繋いで欲しいです。

始まりは ひとつの note だった

銭湯巡りをして感じたことは、情緒溢れるノスタルジーな雰囲気と、歴史ある瞬間を肌で感じることのできる重みを体験できることでした。それぞれの銭湯を訪れると、そこには ひとつのコミュニティ が形成されていて、常日頃 お風呂に入りに来る人たちで賑わっている世界だったのです。こんな身近なところに素晴らしいネットワークが出来上がっているのだなと感心したものです。そんなある日、ひとつの note に出会いました。

銭湯ぐらし の人たちが、高円寺の銭湯「小杉湯」の隣に、銭湯と一緒に利用できる複合施設「小杉湯となり」を計画中 との 謳い文句で告知しているではありませんか!当時、イベント運営に参加して、コミュニティを模索していた自分にとって、そのモヤモヤ感を払しょくするには十分でした。真っ先に応募していたのは言うまでもありません。そこから、小杉湯となりに関わる接点が生まれたのです。

銭湯ぐらしな人たち

小杉湯となりを建築する一大イベントを計画したのは、銭湯ぐらし を運営する 様々な特色をもった人たち。僕は 彼らに出会えたことで、銭湯をより身近に感じることが出来たし、小杉湯となりもっと沢山の人に知って貰いたいと思えたんです。加藤さん始め、安藤さん、青木さん 他 皆さんと走り出した 小杉湯となりの建築プロジェクトは、ずっと心の中に居続けました。

"銭湯ぐらしなご飯会" という名の、小杉湯となりの進捗報告が唯一の楽しみでもありました。一方で、小杉湯では 地域の人々との触れ合いを大切にする傍ら、イベントを行使しながら地元の人と結びつきを生んでいました。その中のひとつが、毎月第3日曜に行っているパパママ銭湯。小さなお子さん連れの家族をサポートする 今では恒例のイベント になっています。

そして、銭湯ぐらしイベント部 が立ち上がった

画して、青木さんを中心にイベント部が発足され、小杉湯となりがオープンするまでの半年間限定で活動していくことになる訳ですが、僕自身 迷いもなく、部員として 小杉湯となりを盛り上げていこうと決意したのでした。

銭湯ぐらしイベント部_募集!

部員のメンバーは、16Personalities の性格診断テストを行うと、とにかく広報運動家の人たちが数多く、イベントを企画して運営することが大好きな人間の集まり(ちなみに、僕は 擁護者でした)。中でも、小杉湯×医療 のイベントに関わっている ふじはるさん(@_fujiharu_)は、医療従事者とのコミュニティを作って、小杉湯の保健室を担当しています。

あかりちゃん(@tasoooow)は、実家が花屋を経営していて、小杉湯でバラ湯を担当してました。僕はというと、Nサロンから強力な助っ人を2名(@yas_lolq & @ktana_)紹介して、一緒にメンバー入りした経緯があります。皆んな 銭湯が 心底 好きなんですよね。

それぞれの企画が動き出した定例会

イベント部の皆んなで、小杉湯で何をやりたいか?何でそれをやるのか?を語り合っていたのが10月も終わり掛けの頃。ひとりひとりの思い描くアイディアと、それを実現できる可能性を模索してブレストしていた時間が今でも忘れられません。汁ものを楽しむ会(汁会)、餅つき大会、ボドゲ会など 様々な企画が練り出されました。僕が、銭湯という馴染みのある空間と、高円寺の地域交流を深めるという2点を軸に考えて思いついたのは「ウクレレの弾き語り会」。老若男女問わず、小さい子供からご年配の方まで、銭湯に赴いて自由に楽器を奏でられたら 何て素晴らしいのだろう。と感じたのがきっかけです。ウクレレは、それほど高額ではなく庶民的な楽器で、一般家庭ならお土産として置いてありそうなアイテムというイメージだったので、次のような企画書を出してみました。

*上記の Google Docs は、閲覧権限のみです。

反応は上々。銭湯の浴室をハワイアンな雰囲気に。その空間で奏でられる音の相乗効果に期待して、先ずはウクレレを弾ける人を探すこと。そして、実績を作れたらウクレレ教室を打診しようというミッションを作りました。

YOUTUBEでもウクレレを弾いている人が多く、コミュニティ界隈でもウクレレはワーディングとしてポピュラーだったので、Twitterで声掛けすれば 良い人は見つかるはずと期待して 2019年は幕を閉じます。銭湯と地域を結ぶ企画を考えることは 人生でも掛け替えのない時間になりました。

snackbar flatで開催した忘年会も、色んな界隈の人たちと大いに盛り上がった記憶しかありません。TONJIRUSTANDの豚汁、あの柔らかい豚の角煮は絶品でした。また、皆んなで集まれるよう願いを込めておきたい。

餅つき大会から始まった2020年

新年は あかりちゃんの企画、小杉湯初の『餅つき大会』で幕が上がりました。このために 餅を蒸す装置をレンタルして、近所の餅つき職人のご年配の方もスタンバイ。イベント部の皆で 朝早くから お餅を振舞いました。小杉湯に入ってきた人、たまたま通りすがりの人、SNSを見て駆け付けてくれた人、本当に有難かったし、銭湯再興PJに参加している人たちも支援してくれて、何はともあれ大盛況でした。来年は 小杉湯となりでやることも決まっています!それまでに コロナ収束して欲しいなあ。

小杉湯となりの家具をアップサイクルで再現しよう!

2020年3月にOPENした『小杉湯となり』ですが、屋内の家具はアップサイクルという手法で利活用しています。アップサイクルとは、元の形状や特徴などを活かしつつ、古くなったもの捨てずに再度磨き上げることで別のモノに生まれ変わらせるサスティナブルな考え方を差します。この小杉湯となりでも その考え方を取り入れて、使わなくなった家具を募集したのでした。

無印良品の方を講師に迎え、計3回に渡って開催したアップサイクルWSは、とても貴重な体験を 参加した全員が味わうことが出来ました。一度購入した机や椅子は ずっと使われていそうでも、家族構成の変化や、子供の成長期と共に、長い間使わないまま放置されてしまうものもあったりします。そういった家具をアップサイクルで生き返らせることが出来ます。小杉湯となりでは、その家具を1階から3階まで随所に見て取れます。 僕も 2月某日、嫁と子供ら一家総出で2回目のアップサイクルに馳せ参じた訳ですが、小2の息子と小5の娘は 早々に離脱するも、銭湯の裏側は見れたし、高円寺のラーメンも食べれたということで、とても充実した記念の日になりました。

集客に苦慮したEVERY DENIMの湯♨

EVERYDENIMの湯

2月は、"EVERY DENIMとのコラボ風呂" ということで、販促から集客含め、銭湯ぐらしイベント部主導のもと 青木さん中心に進めました。『EVERY DENIM(エブリデニム)』は、瀬戸内エリアに集積する工場で作られるジーンズの作り手と売り手の距離を縮めることをテーマに、“消費されないデニムを届ける”という理念で2015年に誕生したブランドです。 クラウドファンディングで資金を募り、店舗を持たないジーンズの移動販売を行っています。

このコラボイベントは、小杉湯 3代目の平山さんと、EVERY DENIM 山崎さんで実現に漕ぎつけた企画で、"トークイベント+インディゴ染め体験会" が目玉でした。とにかく 準備期間が短いということもあり、仕事の合間を縫って 何とか形にしようと 全員必死に動きました。facebookページでイベントを立ち上げる係、小杉湯入口のDENIM暖簾をこしらえる係、オリジナルドリンクを作って販売する係、良い感じの写真を選んで 浴室にパネルを貼る係など幾人かに班を分けて分業していく中、後方支援していた自分でも なかなか集客の手応えは図りづらく戸惑いを隠せませんでした。

『インディゴ染めの体験会を申し込むハードルをもう少し下げた方が良いんじゃないかな、、その方が気軽に参加してくれそうだし。』
「ハードルを下げるというのは、具体的にはどういうこと?」
『例えば、流石に "無料" とは言わないまでも、徴収する金額はギリギリのラインまで落として、とにかく共感を得やすい人にシェアする。そうすることで同じ興味を持った人を連れてくるので、母数も増えやすい』
「なるほど...」
【ただ、判断するには時期尚早なので、もうちょっと様子見てみよう】

と言ったような会話を、イベント部専用のLINEグループの中で毎日のように繰り返されていた日が今となっては懐かしいですね。最後の砦として、平松さんや、銭湯ぐらしメンバーの皆さんに協力を仰ぎながら、SNSの拡散を行った結果、人数も予定通り集まりました。応募してご参加頂いた皆さま、本当に有難うございました!!! 改めて感謝の意を込めさせて下さい。

おおつかさん(@yas_lolq)も、改めてお疲れ様でした。DENIMブランドの手作り暖簾、この目で確かめられなかったのが唯一の心残りだけど、Nサロンからの繋がりで ここまで頑張ってくれるとは嬉し過ぎました。この note でストーリーが全てを語ってくれました。感謝です。本音を言うと、棚橋さん(@ktana_)が発明した「あらごし瀬戸内レモネードとドリンク」を、小杉湯で飲みたかったよー(泣)

withコロナで日本が大変な時だけど、落ち着いたら 銭湯ぐらしイベント部で、DENIM HOSTEL「float」へ瀬戸内合宿に行く計画を立ててみたい。

ウクレレ職人 SHINさんとの出会い

僕の企画した「ウクレレの弾き語り会」はどうなったのか?というと、1月も終わるころ、Twitter の bosyu に投稿して反応を探っていました。

すると、それほど時を待たずして SHINさん(@ukulele_fullest) から応募があり、即 DMでお会いする日取りを決めました。銭湯に身近な楽器を持ち寄って音を楽しむというコンセプトは良いものの、ウクレレに拘るからこそコミュニティの要素も見えてきて、そこには やはりプロの演奏者を探す もしくは、ウクレレ教室への提案も打開策として浮かびました。僕の中では、少なからず確信はあって、youtubeでもウクレレを演奏する動画が流れていたり、ファミリー層の家庭でもウクレレが置いてあるイメージもあり、それならばと、SNSの拡散に頼ってbosyuを行使したのです。結果、SHINさんという頼れるウクレレ職人と出会えて、ホッとしたというのが正直な感想ですw

画像3

SHINさんとは、その後 3月9日の夜 小杉湯にて、イベント部リーダーの青木さんと一緒に ウクレレ企画のコンセプトと、小杉湯となりとの関わり方の2軸で話し合いました。双方納得のいく落としどころを見つけて、このwithコロナの状況の中 どうやって盛り上げていくか とても面白い話しになったと思います。現在、緊急事態宣言が発令されてしまったので、SHINさんの出番は まだ先になりそうですが、本当に強力な助っ人をお招きできたという印象です。これから楽しみです!(SHINさんのウクレレの音色、最高でした)

そんな SHINさんが、『弾きこもり音楽教室』というサービスを立ち上げました。皆さんもぜひ、このお家で過ごす間に ウクレレの門下生になってみませんか?

小杉湯となりがOPENする日

2020年春、"食事をして 作業もして 自由な環境でのんびり過ごせる新施設がOPENするよ!! "とプレスリリースを打ち出したのは、11月末のこと。それから、4カ月も経たない 3/16(月)、高円寺小杉湯の隣に "小杉湯となり" という3階建ての小綺麗な施設が出来ました。それは、10月から 銭湯ぐらしイベント部が発足してから、半年間の軌跡が終わりを告げる笛の音が聞こえてくるかのように、あっという間の出来事でした。

1階がラウンジスペース、2階が作業スペース、3階が居住スペースとなっていて、銭湯と暮らしをリンクさせる打ってつけのエコロケーションがそこにはありました。訪れた人を幸せにしてくれる、銭湯に入ってほっこりした気持ちを真意に受け止めてくれる、そういう温もりを与えてくれるコミュニティの場作りを目指した 小杉湯スタッフ、銭湯ぐらしメンバー含め 関わった全ての人の熱いメッセージが、小杉湯となりには 込められています。

夢の続きをまた描いていこう(小杉湯となり)

3月16日プレオープンの初日、銭湯ぐらしの一員として 小杉湯となりの様子を見にお邪魔しました。慣れない手つきで全員がフォローし合いながら、一階キッチンを忙しなく動いて接客している姿が印象的でした。コロナ対策の一環として座席数も間引きしての調整でしたが、先ずは地域の皆さん、次は交流のある人たちに声掛けしながら、少しずつ未来を見据えて試運転していきます。僕は、小杉湯となりに訪れた人たちと実際に会ってみて、小杉湯というコミュニティに巡り合えたことを、これほど大切に感じたことはありません。夢は形になったばかり。また、皆んなでこの軌跡の続きを描いていけたら喜ばしいことだなあ。

厳しい船出を乗り越えた先にあるもの

自粛ムードの中、プレオープンを手放しで喜んでいられる訳でもなく、コロナによる緊急事態宣言の発令は、小杉湯となりの運営に多大なる影響を与えているのは事実です。小杉湯も、高円寺近隣で且つご自宅にお風呂が無い、入浴に不自由な人のみ受け入れる体制になりました。こういった状況に対して、フレキシブルに対応できる柔軟さが求められている現状に、自分たちでは何もできないもどかしさを感じずには入られません... 

ただ、銭湯ぐらしのメンバー、小杉湯スタッフ全員で、来るafterコロナに向けて精一杯の努力をしています。小杉湯となりでは、テイクアウトメニューと、デリバリーを始めました!! どれも美味しいお弁当ばかりです。僕のお勧めメニューは、ポテサラと、サバの味噌煮です。#高円寺テイクアウト

また、 #StayHome でも楽しめるように、小杉湯となりで オンラインショップを始めることになりました。お手元に『銭湯のあるくらし』を届けられるまで しばしお待ちください。 きっと素晴らしい出会いが待っています。

あと書き

この半年間、貴重な経験と体験が出来たことを改めて心から感謝します。小杉湯となりが出来て間もなく、withコロナの渦中に巻き込まれてしまいましたが、この機会をピンチをチャンスと捉えながら、銭湯ぐらしの人たちと また一歩ずつ 歩んでいけたら こんな嬉しいことはありません。小杉湯となりに訪れる人々の笑顔をまた見ることが出来たら最高です。

また会えるその日まで。

おまけ

緊急事態宣言で在宅勤務が原則になったことをきっかけに、WEB会議やオンライン飲み会が増えている昨今、バーチャル背景を変えて楽しんでいる方も多くいらっしゃるかと思います。

ただ、余白を設けず詰め込み過ぎるのも、頭が疲れてしまう要因のひとつ。

そんな時は、小杉湯の番頭でもある塩谷さんが全国の銭湯に呼び掛けて始まった #オンライン銭湯 で、心身ともにリフレッシュさせましょう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?