能力の限界がもたらす空虚な積み石遊び/木村夏樹覚書2022.06

アイドルマスターシンデレラガールズ運営の能力の限界

2022年6月以降のモバマスのサービス縮小が発表された。ショックではあれど以前からサービス縮小は段階的に発表されていただけに受け入れることはできる。だがしかし、そのすぐ後にショックどころではない、モバマス運営そのものに限界を感じるとは思わなかった。

5月31日からが6月11まで『第66回ドリームLIVEフェスティバル』がモバマスで開催された。
このイベントではライバルユニットとして、様々なアイドルユニットが登場する、その一つに村上巴・藤原肇・松永涼・白雪千夜の4人組ユニット「清風明月」として登場した。

しかし、このユニット名が問題であった。「清風明月」というユニット名は以前にも、涼宮星花・水野翠の2人組ユニットに名付けられていたからだ。

登場してすぐにプロデューサーたちからユニット名被りの指摘を受けており、その後に不具合として修正された。

今のモバマスには、アイドルのユニット名という調べればすぐ分かる過去の蓄積すら、まともに管理できないのだとショックを受けた。だがそれだけで終わらない、更なるショックを受ける羽目になる。

ドリームLIVEフェスティバルにはメインで登場して報酬ともなるアイドルたちがいる。今回はランキング上位報酬に二宮飛鳥、その他にもランクやメダル報酬として多田李衣菜・江上椿・南条光が登場した。しかも多田李衣菜は“[ロッキングセッション]多田李衣菜”つまり「ロック・ザ・ビート」の合わせ衣装での登場だ。

そのうえ今回の開催時期は、6月9日のロックの日が重なる。となれば「ロック・ザ・ビート」が何かしらの形で登場することを期待せざるを得ない。

だが今回「ロック・ザ・ビート」に関して登場も何もなかった、影も形もない。なぜだろうか。

実は、多田李衣菜は以前にも2020年に「雨と歌おう♪ドリームLIVEフェスティバル」で登場と報酬になったことがある。開催時期も今回と同時期で6月9日に重なり、衣装も同じ様に「ロック・ザ・ビート」で合わせた“[エイトビートロッカー]多田李衣菜”だった。

その期間中に木村夏樹は「ロック・ザ・ビート」の合わせ衣装“[ハートビートロッカー]木村夏樹 ”の姿で、なおかつ「李衣菜の相棒」という肩書で、ライバルユニットとして登場した。それも6月9日というロックの日に合わせての登場だった。

おわかりだろうか、過去のモバマスなら出来たのだ、登場するアイドルに合わせて、ユニット関係で他のアイドルを登場させるということを、多田李衣菜が「ロック・ザ・ビート」の衣装で、6月9日の期間中に開催されたイベントに登場するなら「ロック・ザ・ビート」のつながりを大事にして、木村夏樹を登場させることが出来たのだ。

つまりは、現在のモバマス運営は、過去に出来たことが出来ないほど劣化している、アイドルたちが積み重ねてきたユニット活動を管理する能力すら欠けている、サービス縮小どころではない、サービス能力そのものに限界をきたしているというこだ。

なお、今回のドリームLIVEフェスティバルで、木村夏樹は6月6日の楽器の日に合わせて、松山久美子・東郷あい・有浦柑奈と共に楽器演奏に関わるユニット「ジェーン・セッション」で登場した。前身となる「オータムセッション」というユニットからの発展系だろうか、このユニット自体は面白いメンバーということもあり、いいのだが。

いかんせん木村夏樹の積み重ねに欠かせない「ロック・ザ・ビート」に運営が理解が足りていない現状からすると、素直に喜べない。そのうえこのユニットのメンバーである松山久美子が、つい先頃、その担当プロデューサーから限界を吐露する記事を公開したことで、プロデューサー界隈で共感と話題を呼んだこともあり、何かしらの不運なめぐり合わせを感じざるを得ないのだ。

運営の盾になる声優

6月20日のデレラジに、伊達朱里紗さん(難波笑美役) 松田颯水さん(星輝子役) 山下七海さん(大槻唯役)、そして安野希世乃さん(木村夏樹役)が出演した。話題になるのは、やはり10thファイナルLIVEの思い出。

しかし、過去の公演を振り返るコンセプトのファイナル公演について語るのであれば、何をどうしたって過去の公演、ことに7th大阪公演について、木村夏樹が感動ポルノにされた公演を、振り返ることになる。

自分でも思ったよりも7th大阪公演について思い出すと苦しかった。思い出すにも事前に心構えがないとダメだ。7th大阪公演だけじゃない、連鎖的に今までの木村夏樹への運営による公式のろくでもない扱いについてワーッと思い出してしまい苦しくなる。自分はただ木村夏樹が好きで、木村夏樹に活躍してほしいだけなのに、どうしてこんな苦しい思いをしなければいけないのか。

そう思う反面で、デレラジを聞けば安野希世乃さんの温かい人柄、フワッとした雰囲気、そしてこれまでのライブや演技で見せてくれた熱い気持ち、その頑張りに救われているんだと改めて思う。

だが、それも考えても見れば、結局は運営がやらかした誤りを、声優である安野希世乃さんが頑張ってカバーしているようなもので、それは運営のための声優の盾になるということだ。

どうしてこうなったのだろうか、どうしたって越えられない何かがある。木村夏樹が10thファイナル公演で世界線を塗り替えるようにクリムゾン・ロッカーズを着て「Unlock Starbeat」を歌っても、結局は7th大阪公演でIMAJOがいたから木村夏樹も実質登場した扱いのコメントもあったり、そもそも既にリスアニで披露していることも認識されていないのだと、やるせなくなる。どうしてこうなったのだろうか、何が足りなかったのだろうか。どこまでいっても運営のやらかしが残り続ける。

空虚な積み石遊びに付き合う覚悟

それにしてもまあ、今月はアイドルマスターシンデレラガールズの運営の能力の欠如について、改めて再認識する羽目になった。

もとより必要な能力が欠如しているのだ。

デレマスに限った話ではないが、世の中どうしてこんなろくでもない結果になるのだろう、誰が何を考えてこんな結果になってしまったのだろう、一体これで誰が得をするのだろうと考えることはよくある。

大抵の場合、それは誰か黒幕がいて悪い結果になるように操作する、というわけではない、誰もが必死に頑張って良い結果になるようにしたはずが、ほんの少しのズレから取り返しがつかなくなり、地獄をもたらす。地獄への道は善意で舗装されている。

だが大元から必要な能力が欠如しているばかりに、頑張ってもどうしようもないことがある。

アイドルマスターシンデレラガールズがなぜ地獄への道へ続くのかと言えば、それはもう道を舗装しているのが熟練職人や高度な設計士ではなかった、頭が空っぽで、わけもわからずただ踏石を適当に置いているだけだったからだ。善意もクソもない空虚な積み石遊びに、担当アイドルの行く末が委ねられていたのだ。

ハッキリと自覚しよう、もうアイドルマスターシンデレラガールズの運営は、少なくともモバマス運営に関しては、アイドルたちが最高に輝ける舞台を用意して、プロデューサーたちの心を震わせる、あの頃の運営ではない。もう訳もわからない空虚な積み石遊びに付き合わされているのだと、期待をしてはいけない、失望が当たり前だと心構えしていこう。

そんな中で開催されるシンデレラガールの総選挙、その組分け発表もあった先日あったばかりだが、どんな結果になろうとも期待してはいけないのだと覚悟しておこう。

端から正解を求めることなく自由というより自分勝手でバラバラで、ちぐはぐなことを続けて、とっちらかってどうしようもなくなる、中身のない空虚なやらかしを覚悟しておこう。期待して苦しくなる前に心構えしておこう。

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