10年間好きだったキャラとお別れしたいが、別れ方がわからないオタクのお話
お気持ち書き殴り長文だから同病相憐れむ奴だけ読んでくれ。
そうでない奴はこんなの読まずに美味いビール飲んで美味い唐揚げ食って面白い漫画読んで、とにかく幸せに過ごしてくれ。
結論から書くと、アイドルマスターシンデレラガールについていけなくなったのに未練を断ち切れないので、もういっそ介錯してほしい。という話だ。
私の担当アイドルは、いや、キャラは松山久美子という。シンデレラガールズのサービス開始当時からいて、看板キャラとはユニットを組んでいる設定だった。声はついていない。10年間彼女の声を聞いたことはない。
松山久美子がどんなキャラクターかについては、敢えて語ることはしない。調べれば5分で把握できる量の情報しかないので、気になる人は調べてみたらいいだろう。
私が10年、好きでいたキャラはその程度のキャラクターだ。声もない、ストーリーもほとんどない、カードもそんなにない。グッズもごく僅かで、毎日検索しても24時間で引っかかる発言の半分はbotだ。
応援するPの数も少ない。というか減った。
そりゃそうだ、報われないんだもの。
頑張ってお金使って総選挙の票を集めたこともあった。キャラのアピールもした。なんなら看板キャラの本田未央とユニット組んでるから、と本田未央Pからの支援をあてにしてユニット推し活動もした。未央Pからしたら迷惑な話だろう。そのユニットはPの大半が占めるデレステには名前すら出ていない、なかば葬られたユニットなのだから。
ともかく、これまで10年、それなりに自分も他のPも頑張りはしたのだ。けれど報われることはなかった。人気は上がらないし、圏内に入ることもできない。だから応援していたユーザーだって疲れて離れてしまう。仕方ないことだ。
そもそもなんだが、ダイマなるアピールで他Pが靡くことってあるのか?そんな可能性万に一つしかないだろ。そして他の魅力的なソシャゲに客を取られ、Pというユーザーの総数は減っているように見える。つまりもう皿の上に乗っているパイは大きさそのものが小さくなっているのだ。それを今更他のアイドルも好きになってくださいと奪い合うことができるだろうか?
私は無理だと思う。10年分の過去を持つキャラを履修するぐらいなら、ポッと出の、声もカードもライブも初期装備で持ってる新キャラを好きになる方がずっと効率がいい。
つまりこれは、もう詰んでる世界なのだ。
ポツポツと、「まあこのキャラなら声優つけても採算が取れるな」と運営が見込んだキャラだけが年に3人ほど掬い上げられるだけで、その席が松山久美子に回ってくることは多分ないんじゃないかな。
そう思う。
何が悪かったんだろうな。
キャッチーさがなかったのかな。
松山久美子はピアノが得意だけど、音大も出てないし、多分アマチュアのなかでも下の方の、ちょっと上手にサントラとか弾けるぐらいの腕しかない。第一、ピアノが得意なアイドルなんて他にもたくさんいるから特筆することでもない。
松山久美子は美しくなることにひたむきな女の子だ。でも美しくなろうとするなんて、ぼんやりした特徴だよな。エクササイズ?食品系?化粧品?流行追い?それとも精神性?松山久美子は全部やる。実際やろうとする描写がある。でもそれでは印象に残らない。だってそれぞれ専門キャラがすでにいるんだから。
松山久美子はかつて脇見せポーズが特徴だった。でも脇見せポーズなんて他のキャラでも当たり前のようにやる。独自性なんてない。
つまるところ、松山久美子というキャラクターは考えれば考えるほど特徴のないキャラクターなのだ。個性となる要素はほとんどなく、年齢も、特技も、好きなことも、どれをとっても平均的、一般的。他のキャラのようにはっきりと立たせる要素が一つもない。
そんなことないよ、とフォローのつもりでピアノや美しさを挙げてくれる人もいるかもしれない。でも、実際担当Pしていたらその特徴の薄さに悩むはずなんだ。だって全部他のキャラで代用可能なのだから。
だから公式だって間違える。
デレマス公式はセクシーデリバリーが合言葉の松本沙理奈と松山久美子を間違えたことがある。予想変換で間違えたんだろうけど、これは結構堪えた。
松山久美子はよく他のキャラと間違えられる。興味のない他のPからしたら同じ顔に見えるんだろう。茶色のセンター分けロングヘア、あるいはポニーテールの他キャラと混同されるのも仕方ない。
でも公式に、それも松本沙理奈と間違えられるのは、辛かったなぁ。
相手は同じ声なし。
同じく初期からあるブルーナポレオンというユニットの一員。
同じ茶色髪でロングヘアでセンター分け。
でも松本沙理奈には特徴がある。「セクシーデリバリー」というキャッチーな武器、彼女以外の全員が声付きのブルーナポレオンというユニット。その支持は確固たるもので、松本沙理奈は多分次で声がつくと思っている。
そういうキャラと、間違えられた。
辛い。
こっちは何も、持っていない。なんのキャッチーさも持ち合わせていない。
辛い。
美しさを追求する気高さなんてごく一部の人にしか刺さらないよ。
ピアノが好きだけどプロになることのできない、才能の中途半端さからくる葛藤なんて、もっとごく一部の人にしか刺さらないよ。
その両方の要素が刺さったから私は松山久美子をずっと好きでいられたのだけれど、他の人にそれを求めるのは無理がある。
辛い。
私の知ってる人はもうみんな声付きのPだ。だからライブやイベントや新曲に一喜一憂できる。
それを見るのがもう辛い。
昔はもっと穏やかに、祝福もできた。でももう今は無理だ。
ライブの告知、イベントストーリー、報酬、グッズ。そういうので喜ぶ人を、私は白面の者みたいに見上げている。「いいなあ、あっちは暖かくて光ってて楽しそうで。なんで自分はああなれないんだろう。なりたかったなぁ」と恨みがましく見上げている。
なんて不健康なんだ!
本当にそう思う。
あーあ、もっとキャッチーなキャラを好きになれば良かった。
声がついてるキャラを好きになればよかった。
早すぎたんだよ、出会うのが。
あの頃、松山久美子に会った頃、声がついてるのは数える程しかいなくて、だから誰を好きになっても待遇に変わりなかった。いや、その頃からすでに格差はあったけど、それでも、声を目当てに好きになる理由はあんまりなかった。
もっと遅くにシンデレラガールズと出会えばよかった。そしたら多分声付きのキャラから探すから、松山久美子を好きになることなんてなかった。
声付きは声付きで待遇差あって辛いみたい。知ってるよ。
でもさ、待遇差云々語れる土俵にいない私からしたら、羨ましい限りだよ。声がついてるんだもん。
埋没するモブアイドル、それが今の、デレマスユーザーの半分ぐらいが思ってる声なしアイドルの立ち位置だ。その層からしたら古参の声なしPは邪魔でしかなく、さっさと切ってしまえという存在だ。声なしアイドルは全員リストラしてしまえ、なんて意見も常にある。もしかしたら運営から見てもそうなのかもしれない。
私はかつてそうした声に傷ついてきた。なんて酷いことを言うんだろうと思った。
でも今は、それもいいなと思っている。
いや、むしろそうして欲しいとまで思っている。
デレステは10周年だ。だからこれが区切りでもいいだろう。
声なしアイドルを全部リストラして、新しい区切りのゲームを出してもいいんじゃないか。声ありだけで回して、追加は新キャラにして声も装備の方式でいいだろう。
そうしてくれ。
そして介錯してくれ。
もう新規のグッズも情報もカードも絶対に出ないから、追わなくていいんだよと言ってくれ。
そしたら楽になれるんだ。
思い出として終われるんだ。
私は松山久美子が好きだ。
多分ずっと好きだ。
でももう疲れたんだ。他の声付きPを羨むのも、出てこない新規のカードを大人しく待っているのも、マイノリティのくせに毎日票を集めて投じるのも。
追記)メールでたくさん通知が来た。思ったよりたくさんの人に読まれてしまったようだ。
デレステは10周年じゃないやろ、という指摘を頂いた。10周年なのはシンデレラガールズだった。間違えた。ごめんね。
予防線は張っておいたが、それでも乗り越えて読んだ猛者がいるらしい。不快に感じたり悲しくなったりした人もいるようだ。お好み焼きのキャベツは何ミリが最適かについて考える方がずっと有益なので、この記事のことは3秒で忘れて欲しい。