ChatGPT編集 宮沢賢治原作「勲爵士ジョニーの冒険 春 水星少女歌劇団一行」第22話「発電所制御室のイリュージョン」
まえがき
発電所制御室に突入したジョニーたちの前に幻想的な映像が広がります。
本文
制御室の大理石配電盤は、太古の海を映すのをやめて、発電所の外見をみせはじめました。
映像の発電所の後ろには、雪に覆われた白い岩の山がそびえ立ち、満ちていく二十日の月が錫色の光を放っています。赤い落水管から水が澱んで流れ、ガラスづくりの発電室が存在感を示しています。また、余水吐きからは青く輝く滝が流れ落ちています。
ヤンセン:「すごい活動写真だ。総天然色だ。」
ジョニー:「大型の飛行系モンスターに乗りながら撮影したようですな。敵による勢力のアピールですかな」
エミリー:「ジョニー、あそこ!見て、天井に幻灯機が!」
ジョニー:「お手柄だ、エミリー。高度な幻灯機と活動写真映写機だが、あんなに小型とは。だが確かに活動写真のフィルムよりは解像度は低い。8ミリか、それ以下のフィルムか。3色のフィルターを着けた3台のカメラで総天然色に撮影したんだろう。あの幻灯機はあとで押収しよう」
映像は配電盤に切り替わります。
配電盤上の図や部品に映像が投影されます。黒く陰りを帯びたカタツムリのような水車が回転し、春の夜空を轟かせています。発電機が闇夜の中で微かな振動を感じさせ、大きなトランスの六つの図からは三万ボルトの電気が春のぽかぽかした野原の映像の方へと放たれています。
ジョニー:「ヤンセン殿、この野原に見覚えはありますか?」
ヤンセン:「よくわかりません。盗電かもしれません」
ジョニー:「盗電!電気を盗むのが敵の目的かもしれませんね。ただ、それにしては見張りも置かないのはおかしい」
メーターの上に人形のような表情の映像が写し出され、魅惑的な十の電圧計と情熱的な電流計が並びます。
マリア:「ジョニー、メモがあったわ。古代文字ね」
ジョニー:「お手柄だ、マリア。古代表意文字で『視る』『聴く』『人数』『増やす』とあるな。親指を立てた象形文字もある。きっと幸運を祈るハンドサインだ。古代ラテン文字の『ダブリュー』が文末にやたらとたくさんあるのが不思議だ。敵は古代文明の信奉者か。カラーリボンのタイプライターで打ったようだな」
エミリー:「ちょっと見せて。これはタイプライターじゃないわ。4色の顔料インクによる印刷物ね。凸版印刷でも凹版印刷でもない。強いていえば孔版印刷に似てるけど、版と紙の間に微妙な隙間があってインクを吹き付けたようなニジみがあるわ」
ジョニー:「おおっ、すごいなエミリー!印刷にそんなに詳しいとはしらなかったぞ。敵は高度なのか無駄なのかよくわからん技術を使うな」
マリア:「ぷっ。エミリー、ごめん」
エミリー:「なによ、マリア!全力でお手伝いするって言ったでしょ!もう」
巨大な大理石のフズリナ配電盤はまるで交通地図のような模型に変わっていきました。玩具の汽車たちが元気よく走り出し、海の向こうからささやかれるような優しい声が耳に響いてきます。まるで眠りに誘われるような、安らぎに満ちた空気が広がっていました。
ジョニー:「停電で現実の電車を停めた奴らが、活動写真で配電盤の上に玩具の電車を走らせるとは、悪趣味だな」
ヤンセン:「待ってください!これは!お嬢様の声です!」
あとがき
次々と見つかる手がかりの遺留品。敵の正体とは。市長令嬢は無事なのでしょうか。
次回、氷の女王との対決です。
今回の原作は宮沢賢治「詩への愛憎」です。
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