見出し画像

神聖かまってちゃん10周年に寄せて

午前4時半。風の音で目を覚ます。瞼を開けると、開いた窓から覗くピンク色に染まった空と目があった。しばらく見惚れていると、まだ完全に起きてない頭は夢の続きを探しているようだった。夢の中で、最近アップされた神聖かまってちゃんの「33歳の夏休み」を口ずさんでいたことを思い出して、朝焼けを見ながら彼らの曲を聴き返す。 少し目を離していた隙に、彼らは本当に"ポップロックバンド"になっていた。本当に素晴らしい事だし、目を離していた事を悔やむ。

神聖かまってちゃんとの出会いは19歳。2010年。銀杏ボーイズが新しいアルバムを出すと言ったことをまだ信じて待っていた頃。
真夜中の、真っ暗な部屋の中でYouTubeで夕方のピアノを聴いて大粒の涙をぽろぽろこぼした事を今でも良く覚えている。あの時の神聖かまってちゃんは、の子は、確かに救世主だった。の子の叫び声には色んな意味がつまってた。存在のもどかしさとか、怒りとか寂しさとか悲しみとか不安とか、自分ではどうしようもできない感情が、裸のままで外に出される姿に、どんどん惹き込まれていった。そんな風に振る舞えることが羨ましいとも思ったし、同時にひどく苦しくもがいている様子に胸が苦しくなったりもした。それでも、そのくるくる回る表情に目が離せなかった。心の中に溜め込んだ色んな事を、全部代わりに叫んでくれているような存在だったし、あの頃神聖かまってちゃんに魅了された人は、みんなそんなような事を少なからず感じてたと思う。

久しぶりにPVを見ると、色んな思い出が蘇ってくる。行ったことも無い千葉ニュータウンの街が、乗ったことも無い電車の車内が、懐かしく愛おしく感じることに驚く。自分で感じていた以上に、色んな景色を見せてくれていたし、そのひとつひとつが全部大好きだったことを改めて感じた。神聖かまってちゃん、10周年おめでとうございます。これからも応援しています。

#神聖かまってちゃん
#エッセイ #日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?