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MANGA都市TOKYO


どうも、かわうそです。

今回は国立新美術館で開催されているMANGA都市TOKYOについてのレポートです。

はじめに

漫画大国の日本で生まれ育った私たちにとって、漫画やアニメの存在はとても身近なものです。中には心の拠り所や指針とした人達も多く居るのではないでしょうか。

アニメや漫画は時代の写し鏡です。江戸〜昭和、平成、令和と時代が流れ文化が発展すると共に二次元の世界も進化し続けています。また、作品だけでなく作り手の熱量も日々強くなっています。いつも私達を魅了する二次元の世界は歴史教科書であり未来への希望、これからも絶えず発展し続けて欲しいと願っています。

1、MANGA都市TOKYO

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東京という大都市を舞台とするマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品の原画やコマ割りなどの展示、そしてイントロダクションには1/1000巨大東京都市模型が設置されかなり豪華な催しとなっています。
同展は、2018年冬にパリのラ・ヴィレットで開催されて3万人超を動員したという展覧会『MANGA⇔TOKYO』の凱旋企画。出品コンテンツは『新世紀エヴァンゲリオン』、『AKIRA』、『ゴジラ』の他90を超える作品を扱うボリューム満点の内容で日本国内外、老若男女問わず楽しめる企画展示です。


2、展示レポ

私が美術館へ訪れたのは金曜日の13時頃。平日で予約制だったこともあり人もまばらで混雑する事なく入場出来ました。入ると大きなタイトルパネルとイメージキャラクターが出迎えてくれ、より一層、楽しみが募ります。

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この先を進むと、メインの1/1000巨大東京都市模型が広がります。巨大スクリーンと東京の巨大模型は圧巻で、巨大スクリーンから流れる映像と音は迫力がありました。

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スクリーンで流れる作品は『AKIRA』、『ラブライブ!』、『機動警察パトレイバー』、『エヴァンゲリヲン:序、エヴァンゲリヲン破』、『ゴジラ』など日本を代表とする豪華作品。スクリーンで作品が流れるたびに作品とゆかりある東京の街にスポットライトが当たる演出は、見てる者の視覚と聴覚を刺激し今にもこの模型の中に引き込まれるようでした。

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スポットが当たる地域はしっかりと作り込まれており、場所や街の雰囲気がイメージしやすく他府県の人にも見やすい作りでした。


写真が撮れる場所はこのメイン展示のみ。他の展示はこの模型を囲むように3つのテーマに分類され、それぞれの部門に各作品の原画や原稿、映像など資料の展示となっていました。

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1『破壊と復興の反復』

大震災や戦争によって破壊されその後復興し、繁栄を遂げる東京。そして新たな姿を描いた作品が展示されています。

【展示作品】エヴァ、ゴジラ、AKIRA、千年女優、火要鎮、他2作品

2『東京の日常Ⅰ〜Ⅲ』

江戸時代から現代までに至る作品を時代の歩みとともに展示。大正時代〜高度経済成長までの変化はとても勢いがあり、きらびやかで個人的にとても印象深いゾーンでした。

【展示作品】佐武と市捕物語、るろうに剣心、あしたのジョー、シティーハンター、機動警察パトレイバー、カードキャプターさくら、あしたのジョー、ソラニン、げんしけん、孤独のグルメ、他64作品

3『キャラクターvs都市』

アニメと企業との関わり、または聖地やコミケについての資料展示となっています。会場内に初音ミクとのコラボコンビニなども。

【展示作品】こちら葛飾区亀有駅公園前派出所、機動戦士ガンダムシリーズ、コミケの映像展示、他7作品


作品の原画や絵コンテを見ていると作家の癖やペンの使い方、筆圧の濃さ、たったワンシーンへの強いこだわりを感じる事が出来てとても興味深い展示内容でした。例えば、庵野監督作品のエヴァンゲリヲン:序のとあるワンシーンの原画には使徒の仕草や色使いの細かな指示だけでなく、山や建物の色や破壊具合などにも具体的な記載があり監督の作品に対する熱量が伝わってきて数分間見入っていました。そんな展示が90作品近く展示されているこの空間はアニメ好きにはたまらないものです。


3、作り手の熱量

私はこの展示を通してアニメや漫画は作者、クリエイター達の強い熱量と身を削りながら作る魂そのものだと感じました。

聞こえによっては大袈裟かと思うかもしれません。けど私達が今まで見て育ってきた作品は誰かが人生をかけて身を削りながら作り上げたもので、視聴者の想像以上に作り手のエネルギーが込められているのです。

アニメ市場は今や2兆円を超える規模でありながら、アニメーターの平均収入は250万といわれています。(例外もあり)決して多くない給料でも目指す人が後を断たずアニメが作り続けられるのは、このジャンルへの大きな愛と情熱を持って作る人たちが数多く存在し、その人達によって守られ継承されているからだと思います。

あくまでも私達視聴者は、与えられる側であり作り出す事はできません。だからこそこの文化を守るために、アニメや漫画、特撮に勇気づけられ楽しむ時は還元しなければならない。海賊版や版権を無視したものは身を削って作り出した人々の努力を無駄にする行為であると思うからです。

これはこのジャンルだけでなく、ファッションや映画、音楽、ゲームなど世の中に溢れる娯楽作品やものに対して言える事だと思います。与えられる事が当たり前の今、全ての事には裏側と背景があることを知り意識する事で趣味や好きなものをより一層深く楽しめるのではないでしょうか。


4、最後に

日本には漫画やアニメ文化を伝えるための場所は数多く存在しています。私が住む京都にも漫画の博物館がありますが、今回訪れたMANGA都市TOKYOはとても見やすい展示内容でした。

理由としては、海外で行われていた事もあり現代的で日本を代表とする作品が多く展示されていたので全てに関心が持てたこと。展示作品は多いがコンセプトと部門が作られ時代や歴史と合わせて作品を楽しむ事ができたから。

そして何より、時代を作ってきたクリエイターや漫画家のこだわりや熱量を間近で感じる事が出来たからです。


有名作品の本物の原稿や原画を一気に見れる機会はなかなかないと思います。
こんな時期ではありますが、万全の対策を取って足を運んでみてはいかがでしょうか。かなりの刺激を受ける事間違いなしです。なお国立新美術館では混雑緩和のため、日時指定の事前予約制による入場を実施されています。

詳しくは公式ページにて確認してみてください。



それではまた。

かわうそ



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