コミュニティ・カフェ@大久保オープンから1年を振り返って
こんにちは!CWS Japanの高橋です。気づいたらあっという間に年度末ですね。4月から新たな生活が始まる方も多いと思いますが、皆さんどのようにお過ごしでしょうか?
CWS Japanとしては、東京・大久保でコミュニティ・カフェ@大久保をオープンしてから、2024年4月で1年が経とうとしています。
国内外の災害支援に取り組むCWS Japanは、なぜコミュニティ・カフェを始めたのか?
国内外の災害支援に取り組むCWS Japanがなぜ大久保でコミュニティ・カフェを運営しているの?と疑問に思う方も多いと思います。ここにも防災の視点があります。
CWS Japanが拠点を置く東京・新宿区は日本で最も多国籍な人が暮らす場所です。そして東京は30年以内に首都直下型地震が発生すると予測されています。
日本などの災害が多い国だとしても、大規模災害が発生した時に、脆弱性の高い人たちには支援が届きにくい現状があります。ここで言う災害時に脆弱性が高い人とは、高齢者や障害者、乳幼児や妊婦のほか、外国人らも含まれます。
そこでCWS Japanでは、外国ルーツの人々、そして外国ルーツの人々をサポートする支援者・団体と日ごろからつながるべく、多文化・多世代共生のための居場所を目指すコミュニティ・カフェ@大久保を、2023年4月にオープンしました。
大久保地区の地域資源・人道支援拠点として、地域住民・市民と、難民・移民が出会い、支えあう機会を生む場として、さまざまな交流企画・日本語学習支援・生活支援を行っています。
そんなコミュニティ・カフェ@大久保をオープンするにあたり、当初から継続してご協力いただいているのが、日本福音ルーテル東京教会です。
1923年(大正12年)から現在の地であらゆる人々のための場所として開かれている歴史ある教会で、今回は日本福音ルーテル東京教会の松本牧師に、コミュニティ・カフェ@大久保の事業担当である牧職員とお話を伺いました。
日本福音ルーテル東京教会とCWS Japanの出会い|地域内のつながりを生む場をつくりたい
松本牧師:
日本福音ルーテル教会として、災害時に教会としてできることを考えるきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災からでした。
当時、東京でも多くの方が帰宅困難者となる中で、市ヶ谷教会などで帰宅困難者を受け入れていました。東北には宮城・仙台にしか教会がないのですが、東日本大震災発生後は日本福音ルーテル教会として連携し、仙台に数名が赴いて地域での復興支援に取り組みました。
その後、2016年の熊本地震でも同じように連携し、教会としてできる限りの支援に取り組んできましたが、蓄積されたノウハウやネットワークがあるわけではなく、災害時に教会全体として何ができるか、そしてそれぞれ個別の教会で何ができるかを考えることは喫緊の課題でした。
牧:松本牧師が東京教会に赴任されたのが、2020年のちょうどコロナ禍が始まったころでしたよね。
松本牧師:
私が日本福音ルーテル東京教会に赴任してきた日はちょうど、コロナ禍のはじまり、緊急事態宣言発令の日でした。
牧:
CWS Japanは当時、防災の備えについていろいろな教会にヒアリング調査をしていました。その中で、一緒に防災に向けた取り組みができる教会を探していたところ、松本牧師と出会いました。
松本牧師:
当時は赴任してきたばかりで、有事を想定して東京教会としてできることを検討しなければ…と思っているところでした。CWS Japanと出会ったことで考える機会と視点を得ました。
東京という土地柄、首都直下型地震も避けては通れません。新宿区は外国の方がたくさん住んでいるので、大規模災害が起こったときに支援から取り残されてしまう人が多くいることは容易に想像できます。牧師としてそんな状況を見過ごすことはできません。
教会の目標は地域に貢献することです。ただ、東京教会は周りに住んでいる教会員が少ないのもひとつの特徴で、有事の際に人手が足りないという現状がありました。そこで、CWS Japanからコミュニティ・カフェ@大久保の構想を伺い、それであればぜひ教会という場所を活用してほしいと思い、手を組んだのが始まりです。
宗教や人種などの区別なく、開かれた出会いの場として
松本牧師:
東京教会では2020年まで「牧師カフェ」というものを実施していました。地域の人とのつながりを生むための場として親しまれていたのですが、コロナ禍に入ってから中止になっていました。そんなタイミングで、コミュニティ・カフェ@大久保が始まることになり、教会員の皆さんも応援してくださいました。
コミュニティ・カフェ@大久保で徹底しているのは、布教が目的ではない、ということです。聖書も出しませんし、もちろん教えを述べることもしません。あくまでも宗教や人種などの区別なく、地域における開かれた出会いの場として機能していければと思っています。
たとえば、震災が起こった時に、東京教会にイスラム教の方が避難してきた場合、教会の中でイスラムのお祈りをしても全く問題ありません。
より地域の皆さんに親しまれることを目指して
牧:
コミュニティ・カフェ@大久保では、これまでさまざまなイベントも実施してきました。この1年を振り返って、いかがでしたか?
松本牧師:
難民の方のメンタルヘルスに関する講演会(2024年2月に実施)は学びになりました。各分野のプロフェッショナルが存在していて、彼らと連携することが重要だと気づきました。
イベントごとに訪れる層が違うのもコミュニティ・カフェ@大久保ならではの部分かもしれません。地域のお祭りへの参加なども通じて、少しずつ地域から認知されはじめているのを感じますが、どうすればもっと地域の皆さんに来ていただけるようになるかは引き続き考えていければと思っています。
東京教会は人手が少ないこともあり、毎日開いているわけではないのですが、本来はいつ訪れても開いている、という状態が理想です。そんな中、コミュニティ・カフェ@大久保は、第1・第3水曜日に定期的に開かれているのがとても良い点です。地域において多文化・多世代のつながりを生む場として、これからも続けていきましょう。
コミュニティ・カフェ@大久保は毎月第1・第3水曜日にオープンしています。ぜひ近くにお住まいの皆さん、新宿区近辺に通学している学生の皆さん、気軽に遊びに来てくださいね☕️
学生インターンも随時お問い合わせを受け付けています。活動に関心がある方もお待ちしています!
(インタビュー・文:コミュニケーション担当 高橋明日香)
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