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組織の説明責任〜HAPIC登壇報告

こんにちは🙂イガラシゴーです🐧
2023年11月11日、東京都内で開催された社会課題に取り組む団体・企業・個人等が参加する大型イベント『Happiness Idea Conference (通称:HAPIC /ハピック)』で登壇してきました。今日はその内容を報告します。

↓↓↓HAPICの概要はこちらをご覧ください↓↓↓

『支援』という力を持つ者の責任

わたしが登壇したのは「支援者の説明責任」をテーマにした分科会で、国際協力NGOセンター(JANIC)の3つのワーキンググループ「ジェンダー平等推進」、「子どもと若者のセーフガーディング」、「性的搾取・虐待・ハラスメントからの保護」合同で企画しました。

3つのワーキンググループは、それぞれの専門分野の視点から、支援現場における多様性の尊重し、より脆弱な立場にある人びとの保護の重要性を啓発し、こうした視点を支援の実践に反映されるように取り組んでいます。

これらワーキンググループが取り組んでいる共通の課題として、支援者とその支援の受け手(裨益者)の力(立場)の差から生じる不適切な行為(搾取や不正など)をどのように予防し、残念ながらこうした事案が発生した際はこれを迅速に把握し、被害を受けた人に対して必要とされる保護と支援を提供できるかということがあります。

↓↓↓登壇した分科会の概要はこちらをご覧ください↓↓↓

↓↓↓JANICのワーキンググループの解説はこちらをご覧ください↓↓↓

説明責任を果たすべき相手は、支援者だけではない

「説明責任」というと、支援活動を支えてくれる寄付者や助成金を拠出していただいたドナーへの説明というイメージがありますが、支援の現場においては支援の受け手(裨益者)や支援活動の影響を受けるその地域(コミュニティ)に対する説明責任が重要視されます。

支援者の判断、行為または不行為は支援活動の内容に影響を及ぼします。災害や人道危機により脆弱な立場にある人びとは、支援の有無や多少により、その生命や生活の安全性が大きく変わってきます。支援現場において、支援者は支援という「力」を持っているため、搾取や不正が生じ易くなってしまいます。

だからこそ、支援者は「力」を持った強い立場にあるということを自覚して、この「力」をどのように適切に使うかということを、支援の対象者(コミュニティ)に対して説明する責任があります。

ドナーに対する説明責任に対して、裨益者に対する説明責任は軽視されがち
(引用元:Sphere Training Package 2015)

組織の責任として

支援者による搾取や不正は、支援者と支援の受け手との間での認識の不一致や誤解、思い込み等により意図的・意識的でない形で生じる場合も多くあります。支援を受ける人の中には、支援者の「力」に対する恐れや不安、または支援の感謝からくる遠慮から、支援者に対して意見を言うことをためらう人も多くいます。それを支援者は一方的に受け入れられている(同意している)と思い込んでしまい、結果として支援の受け手が断れない要求をしてしまうことがあります。

こうした事態にならないように、支援者一人ひとりの倫理性が問われるのは当然ですが、こうした不適切な行為が支援活動による「力の差」から生じる構造的な課題である限り、個人の責任だけを問うだけでは不十分です。支援を実施する組織自体が、職員やボランティアを適切に管理・教育し、弱い立場にある支援を受ける人びとに負の影響が生じないように担保する責任があります。

CWS Japanは支援活動に加え、支援活動を実施する団体としての責任を果たす「より良い」支援の実施を目指して、自団体および他の支援団体と連携した取り組みをこれからも積極的に行っています。

(文:プログラム・マネージャー 五十嵐豪)

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