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還暦日記:廊下は読書空間

人様の家を設計する時は、極力廊下はコンパクトに、或いは設けずに、居室優先のプランを心がけることがほとんどだけど、個人的には廊下とか階段とか、本来居座る場所ではない空間が、なぜか昔から好きです。
思えば僕の両親の実家は、父母ともに東北のけっこうな片田舎の旧家で、それこそ昔は、「ぽつんと一軒家」に出てくるような古風な家だった。
主室(いわゆる茶の間)から応接室、続き和室、離れまでを東西に貫く広縁が南にも北にもあって、子供のころ遊びに行くと、僕はここをぐるぐる回るのがそういえば好きだったから、たぶんこの辺が原風景なんだと思う。

大人になっても家の中をぐるぐる歩きながら考え事をする癖のある僕は、なんか思いつくとその場で(そこが廊下なら廊下で)、スマホにメモしたり、ノートに書き留めたりすることがままある。
だったら廊下も、もう少し快適にしようと思い立ち、、、いっそ書斎チックにしてしまおうと。
でもお金かける気はさらさらなく、ありものでどうにかしたい。手間も掛けたくない。簡単に簡単に。
で、リビングにあった本箱と突っ張りポールをこっちに並べて、本棚スペースと即席のベンチを設えた
有効幅850mmしかない廊下に奥行290mmの本箱を並べることは、決して得策とはいえないけれど、歩くのに不都合は特にないし、まあ自分の家だから気にしない。
(なんか大きなものを運ぶときは、キッチン経由のルートもあるし)
本群に加えて、ミニカーやらドリンクホルダーやら照明やら娘の写真を並べると、十分すぎる居住空間になりました。(追加出費は0円^^)

長さ7.6mの廊下

ちょっとした調べものにかぎらず、休憩とか読書とか、歯を磨くときとかも(目の前が洗面所なので)、このベンチが思いのほか重宝する。
座らないまでも壁に寄りかかるだけで、調べものくらいなら事足りる。
ベンチや寄りかかれる壁、そして寄りかかる理由(しかけ)があれば、そこは立派に留まる場所(居住空間)になるというささやかな実例。

食事以外では座ることが少なくなったこの頃だけど、家の中にあるいくつかの椅子の中でもっとも座っている場所はどこかといえば、お気に入りのロッキングチェアでもシェーカーでもなく、最近はこの即席のベンチだという現実が、廊下好きを裏付ける証左になったというお話し。

一汁一菜

なんだかんだ作業を終えたらごはんの時間。
めんどくさいのでこっちもありもの。
コロッケに半熟卵をむりくり押し込んだ丼。
とインスタント味噌汁。
十分に幸せ♪

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