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Summer Songを聞くと思い出す、大学一年の夏

去年の夏、YUIの Summer Songを聞いた時、

あの時の、とてつもくキラキラしていて、
自分が少し大人になった気がして、
でもどこかで何かしっくり来てないなと思いつつも、
でもやっぱり初めてなことに舞い上がっていた18歳の自分を

俗にいう、エモい…という感情を、

彼氏が運転する横で助手席に乗りながら、ひとり噛み締めていた。


高校生の自分は恋愛経験がゼロに等しかった。
入学してすぐ付き合った人はいたけれど、
なんだか恥ずかしくて、慣れないことをしている自分に慣れなくて、
適当に理由をつけて別れてしまったから。

だから、大学1年のイタリア語のクラスで出会った彼は、
私にとって初めて、淡〜い純粋な恋心を教えてくれた人だった。

今思うと、四国という田舎から出て来たばかりの私は、
部活で短かった髪を、ただ伸ばそうとしているへんてこりんな髪型で、
化粧も初めてで、服もなんのセンスのかけらもない、
典型的な田舎で育った子!だった。

そんな私と対照的に、彼は横浜生まれ、横浜育ち、高校も私学で、
身長も高く、おしゃれで、クラスの中心にいるような、
典型的な、都会っ子!だった。

きっかけは、使っていた筆箱が色違いだったこと。
後ろの席から、

ねえ〜色違い!

と、目の横にしわを作りながら笑顔で話しかけてきた。

偶然、二人とも体育会だったから、なんとなく話があうし、
他のサークル何にしようか〜と迷っているクラスメイトとは、
あまり気が合わず、よく話すようになった。

そんな典型的な都会っ子だから、
さらっとキュンとすることを言ってくるし、
突然夜に電話してくるし、
ご飯も誘ってくる。
筆箱が色違いだったことも、運命なんじゃない?
とか勝手に妄想しちゃうくらい、浮かれてた。

今の自分だと、キュンなんかしないのかもしれないけど、
その時の、田舎で育った子!だった私は、
まんまと彼に惹かれて、いつしか夜の電話や、何気ないLINEが楽しみになっていた。

彼が好きなのは、私みたいな人ではないと思いながら、
どこかで期待していた自分がいた。

でも、そんな淡い期待は、彼が夏休みに載せた、
超絶可愛い彼女との楽しそうなストーリーをみて、
儚く散っていった。

そこからは、普通に部活の相談をしたり、
たまに共通の話題があれば連絡を取ったり、
なんやかんやで、大学4年間関係が切れることなく、
繋がったままだった。


そんな彼が、この前、


なんで俺あの時好きだったのに、告白できなっかたんだろう。
派手さに惹かれて後悔してる。


と突然連絡をしてきた。

酔ってる?


とだけ返すと、


酔ってる。


と返事をした彼は、何事もなかったかのように一方的に話を終わらせた。

きっとこういうところなんだろうな。あの時から感じていた、
彼とはどこか合わない、と感じていた違和感は。。。

と思いつつ、酔った勢いで連絡してきた彼が、
異様に面白くて、日曜の夜に元気をもらった。

元気をもらったという表現は少しずれているかもしれないけど、
5年前の話をしてくる彼が面白かったのだ。

きっと彼は、筆箱が色違いだったことなんておぼえていない。
2人で行ったご飯屋も覚えていないと思う。

好きだったとか言いつつ、それくらいの感情だったはずだ。

なのに、今になって酔った勢いでそんなことを言ってくる彼に、
笑ってしまった。

と同時に、完全に消えていたあの頃の感情を少し思い出させてくれた気がして、ちょっぴりハッピーになっていた。

これは、彼が未だに好きとかそういう感情ではなくて、
自分という人間が誰かに初めて抱いた恋心、
それを思い出させてくれたからだと思う。

そしてこれから先、夏にSummer Songを聞く度に、
思い出してしまう気がする。

キラキラした18歳のあの夏を。

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