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出すぎた杭?

何かいけないことをした?
気に触ることを言ったかな?

期待に胸を膨らませてワクワクしてたの嬉しさを表に出し過ぎていたのかもしれない‥。

 

小学校6年生の春に、新しい学校に転校した路瑠。

路瑠が5年まで通っていた小学校は転校生が来ると
「どんな子?」「男の子?女の子?」「一緒にドッジボールやろう!」と
みんなが集まってわいわいともてはやし転校生は人気の的。

『きっとわたしも人気者!!』
そう思い期待して登校する路瑠。

今日出会う友達は、
『過去のわたしを知らない友達』
『家族の事情も知られていない』
『変な同情も、気遣いもされない。』

路瑠は、小学2年から4年までの3年間お母さんが蒸発して
家にいませんでした。
「路瑠ちゃん家のお母さんいなくなったらしいよ」の噂は広がり
友達と楽しく遊んでいる時に、
「路瑠ちゃん大変ね」と優しく声をかけてくれるのは嬉しかったけど、
楽しい気分が白けてしまう‥
小学生の路瑠にはどう反応していいのか分からない。

可哀想な子・変わった家族・同情
どれも幼い路瑠には窮屈に思えてならなかった。

3年間いなかった母が帰ってきて
噂が広がっていた町とも別れ
わたしたち家族を知らない町でやり直すことに決めた父母の様子は今までとちがい和かに見えました。

 小学校最後の学年で転校
どんな一年になるかと期待して迎えた転校初日‥
 

それが‥

 出だしは、出来るだけ空気のように大人しくしていた方がよかったの?
人の顔色ばかり気にして小さくなって自分らしさも無くなって
私は出すぎた杭だった?
頭の中は『なんで?』と言う思いばかりが渦巻いて
大人には話せない気持ちを抱え重い体を引きずって我慢して登校する毎日。


 
人にもそれぞれのカラーがあるように
地域にもそれぞれの色があり
学校もそれぞれの色があるからなんて‥そんな分別子どもには分からない。

でも親には言えない、隠すことだけはしっている。
 

路瑠は『いじめ』にあいました。
クラスの友達から無視され仲間から外され孤立して‥。

親は「仲良しの友達が出来てよかったね。」と喜んでいる
今やっと掴んだ家族の幸せ、わたしのことでこれ以上家族に
心配ごとを増やしたくなかったから‥
『いじめ』られているとは言えません。

リーダー格のしのぶは、いじめをしていることを先生に知られないように
見張りのつもり路瑠の家まで毎日迎えに来るのです。
以前いじめをして不登校になった友達がいたから‥。

無視される程度で陰湿ではないから?
軽いいじめだから大丈夫なの?
いじめられないように大人しくやり過ごせばいいの‥?


子どもは子どもらしく生きる権利がある。

自分らしく元気に過ごしていいし
自分の気持ちを表現してもいい。

世界中の全ての子ども達は、暴力、貧困、飢え渇きから守られ
世話を受け関心を向けられ、温かな愛情のもとで愛され見守られる。

あなたは守られる。
いじめからも守られる。

いじめはいけない
執拗な嫌がらせや暴力だけが『いじめ』じゃない。

相手のこころからだをキズつけること
たとえ相手がいやがっていることをしらなくてやっていたとしても
相手がキズついていたら、それは『いじめ』。

子どもが発信していたら本気で受け止めて
「大丈夫」なんて言葉で流さないで。

でも子どもはなかなか言えないの‥だから‥

子どもが発信していなくても気づいて欲しい
元気がなかったら声をかけて

元気そうでもちょっとした表情を逃さないで

こころ優しい子どもは「自分がいけなかったの?」
「努力が足りなかった?」「あと少し我慢したら‥」と
閉じ籠ってしまうから。


第7話
 

 
 

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