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ジェリー・ピンクニーの想いと描く絵が素晴らしい。絵本の紹介『うさぎとかめ』 イソップものがたり。

うさぎとかめ イソップものがたり
原タイトル:THE TORTOISE AND THE HARE
原作者 イソップ
 ジェリー・ピンクニー/作 さくまゆみこ/訳

ある時、うさぎとかめが、どちらが速く走れるかで言い争いになりました。それでは競争しようと思いつき、きつねの合図でふたりは走りだしました。うさぎの脚の速いこと、それに比べてかめはゆっくりとしか追いかけることしか出来ません。ところがうさぎは、脚が速いからとゆだんして途中で居眠りをしてしまいます。いっぽうかめは、じぶんが遅いことをしっているのでやすまず焦らず進みつづけました。そして...。


鮮やかな絵本いっぱいに、作者の想いが広がる世界。
絵本の内容は、親しまれてきた方も多いイソップ物語の「うさぎとかめ」のお話しですが、描く絵に作者の想いが籠められているのです。

「ゆっくりでも着実なものが競争に勝つ」というメッセージは、わかいころのわたしにとっては、特に大きな意味を持っていました。わたしは難読症で、学校で苦労したからです。

『うさぎとかめ』
作者あとがきより

わたし自身も学習に困難を覚える者として、その場でパッと素早く応えることが出来ません。繰り返し、暗唱したり、見たり、聞いたり、体験することで、やっと人並みに近づくのです。それはまるでかめの様。絵本の中のかめも、ゆっくり、ゆっくり、あせらず、ゆっくり、健気に進む姿にそっとエールを送りたくなるのです。

そして、今、時代も速さを求めることに疲れを覚えているのではないでしょうか?競争社会や仲間を蹴落として伸び上がることに対して、もっとゆっくり暮らしたいと願う人が増えている様に思うのです。

更に作者は続けてこう言っております。

うさぎにも「勝つことがすべてではない」ということをかたらせたいとおもいました。中省略
競争相手は、チームメイトや友だちになるのです。

『うさぎとかめ』
作者あとがきより

絵本の最後は、かめの勝利に終わりますが、うさぎはかめに悔しがるのではなく…続きは是非、絵本を手に取ってご覧いただければと思います。
『一番だからカッコいいわけじゃないんだよ』と子どもに優しく伝えたい。
内表紙の最後に描かれた動物たちの姿が物語っている素晴らしい作品。


大勢の前で読み聞かせる絵本と言うよりも、
子どもを膝にのせてゆっくりと動物たちの鼓動を感じながら、丁寧に描かれた絵を鑑賞するように読み聞かせたい一冊。大人もその鮮やかな絵に感動することでしょう。

図書館や書店などで絵本を手に取る機会がございましたら、是非、作者のあとがきもお読みくださいね。より深く鑑賞することが出来るとおもいます。









最後までお読みいただきありがとうございました。
親子で楽しむ絵本タイムが素敵にお時間となりますように♪

タイトルのイラストは
ももろ 様 のイラストを使わせていただきました。
ももろ 様 ありがとうございました。




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