東京パフォーマンスドール「逆光×礼賛」

光のきらめきを音にしたかのような、流れる音とともに登場する白黒のタイトな衣装を着たメンバーたち。浅倉サウンドが盛り込まれたこの曲は、MVを見ると近未来の曲なのではないかと錯覚してしまう。

「逆光×礼賛」は東京パフォーマンスドール(TPD)4枚目のシングルで、オリコンでも自身最高位につけている。
これまで省略しているが、ここで言っている東京パフォーマンスドールは2013年にデビューした「新生」TPDのことである。篠原涼子がいたころの話ではないです。

この曲を聴くと、僕より前にTPDを好きになっていた友達が「逆光」をリリースとともにラインのプロフィール曲にしていたことを思い出す。当時の僕は他のアイドルを推していたこともあり、TPDを追いかける余裕まではなかった。この曲も、その友達が好きだからという理由で一回聴いたのか聴いていないのか…覚えていない。礼賛なんて言葉がでてくるから宗教色があるのかなと思った程度であろうか。それから2年程度してTPDのライブにやっと行くようになったときになってようやく、彼の先見性に感服した。

曲としても良いのだが、個人的には振りが独特で曲に色を与えているのだと思っている。
以前に書いた「SURVIVAL!!」以上にこの曲では手を上に挙げる振りが多い。しかも、よりすっと天に伸ばしている感じもどことなく受ける。まるでメンバーの手から一本の光がでているかのようである。サビではまた、マイクを両手に持って左右に揺れる振りや、腕を回し斜め上45度に伸ばす振りなど、一風変わったものもあり、これらも一度見たらなかなか忘れないだろう。真似しようとするとコミカルさが抜けないと思う難しい振りなのだが、メンバーが入れると様になる。

また、サビでは上下パートに分かれるのも特徴的である。

メンバーを上下2グループに分け、ある部分では一つの歌詞を両グループが互いに歌い、ある部分では互いに独立した歌詞を交互に歌う。
たとえば、階段(下)から(視た)あのきらめき、 といった具合である。
正直このパート自体になにかメッセージ性が秘められてるわけでもないと思うし、改めて歌詞を見ても何のこっちゃ、という感じなのだがこれが妙にクセになる。ライブではどちらのパートを中心に聴くか、考えながら観るのも楽しい。

こうして書いてみると、なかなか斬新な要素が盛り込まれた曲だったのだろう。
TPDを推すまでは、デビュー当時に植えついたイメージから「かっこいい曲が多い」と一緒くたにして見ていたが、その実は少し違ったようである。

TPDはハロプロに似ている、といわれる。パフォーマンスレベルの高さゆえ、なのかコールに「mix」など俗っぽい物がないからなのか、ダンスしながらとは思えない力強い生歌を出せる稀有なグループだからなのかは分からない。ファン層なんかも、少し高めなところはハロプロのそれに似ているとは思うが本質ではないのだろう。し、キビキビとしたダンスがハロプロファンを取り込みやすい一因であるなら、「逆光」なんかはまさにそれを代表するような曲であると思う。くだんの友達も、元はハロプロ好きの子だった。かくいう僕もハロプロは経由しているので、そのうちの一人だが。

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