フト、思い出したこと 「パチンコ屋にも連れて行かれたな」

2020年1月17日

「こうやって打つねんで」

おとんは、パチンコ台の右横に空いてる丸い穴に、
玉を一つ入れ、下に落ちたら、引き金をパッチンと弾いた。

「ええか、こうすんねんで」

左手で玉をゴッソリ握りしめながらも、
穴に、なんと、一つ一つ素早く、確実に入れていき、
引き金をマシンガンの様に弾いていった。

「ははーーーん・・・!」

その規則的な流れがリズミカルに続いて、続いて、続いて行く。
途中、玉が無くなると、無造作に素早く、玉を握りしめにいき、
元の穴の位置にスタンバる。

「分かったな!ここでやってるんやで」

ちょっと玉を受け皿に入れ、どこかへ消えて行った。

昼日中・・・。

「何で、そこに、おったんかが分からない。そこに、おるんが変な感じで
落ち着かない。なんで、こんなことしてるん?」

分からんから、玉を一つ一つ入れ、パッチン、パッチン、弾いた。

「でも、廻りにも、そういう大人がいっぱいおる」

一つ入れて、パッチン、もう、一つ入れて、パッチン・・・
引き金を引いた。


記憶はここで消えている。
思い出そうとする・・・、

「えーっと・・・映画館、出て、ジャリの坂道、降りて、
そこにあったパチンコ屋入って行ったのか・・・」

朧げだ。


で、

「ほな、もう帰ろか」って、
元気のないおとんの声について、
ボンネット型のバスに乗って帰った。


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