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〈物語〉シリーズと青春を歩んだオタクが〈物語〉シリーズの曲を聴いていく 其ノ弐


前回のあらすじ。〈物語〉シリーズ ファーストシーズンのOP曲をひたすら聴いた。

その結果として僕は、"あの頃"を思い出した。今振り返ると〈物語〉シリーズをはじめとする"あの頃"のアニメと出会ったことがトリガーとなり、僕の内向的マインドが完成されたような気がする。それでも青春時代の思い出とは、常に何処かキラキラして見えるからずるい。なんて思うくらいちょっとセンチメンタルな気分だ。それは僕の精神は未だ、"あの頃"と接続されているからだろう。それならば更に進むしかない。前向きか後ろ向きかも分からないけれど。


猫物語(白)

つばさタイガー/chocolate insomnia

セカンドシーズン1曲目にして、羽川翼(堀江由衣)の3曲目。本編にて羽川さんは、トレードマークとも言えた三つ編みメガネを捨て、ショートヘアかつコンタクト美少女へ見事に変身した。そして楽曲もファーストシーズンの、ダークな雰囲気を帯びた暗い曲から一変、明るく軽快な仕上がりとなっている。相変わらずストリングスアレンジだが、歌詞にもある通り"雲ひとつない 初めての青空"を思わせとても美しい。全体的に晴れやかな曲だが、ラスサビ後のギターは切なく涙を誘ってくる。

アニプレックス公式YouTubeより

傾物語

まよいキョンシー/happy bite 

健やかロリ代表、八九寺真宵(加藤英美里)の2曲目。ひと昔前のポップスを思わせる曲だが、何が良いって歌詞が良いよね!何気ないしあわせを噛みしめるって表現が素敵だなと。まさにhappy biteだなと。ラスサビの"いつか過去形になったって"が切ない。

アニプレックス公式YouTubeより

囮物語

なでこメドゥーサ/もうそう♡えくすぷれす

撫子がこんなことになるとは想像できなかったよ……千石撫子(花澤香菜)の2曲目です。ギャップが凄い。全体的におどろおどろしい雰囲気の曲なんだけど、ボーカルはかわいさとあどけなさが全面に出ていて、それが良い違和感を生んでいると思う。あと歌詞の表記がすべて平仮名になっていて狂気的。イントロのピアノオシャレだなぁとか思ってたら、不意に撫子の笑い声が左右から聞こえてくる。これがかわいいけどけっこう不気味で、罠の中に誘い込まれる感覚に陥りますね。1Aの"いいわけとか りゆうだとか めんどくさいな"が心底めんどくさそうで好き。サビ前などで入るエレキギターの音が印象的。サビはストリングスとギターがメインで張り詰めた空気を演出している。ラスサビ後の"ラララ"終わりのめちゃくちゃウィスパーな"せ〜のっ"を聴くと、脳味噌がクラっときちゃう。最後は"ドキドキ"で締め。中毒性が半端ない曲だなと思う。蛇の毒にやられちまったのかもしれない。

アニプレックス公式YouTubeより

鬼物語

しのぶタイム/white lies

忍野忍は歌わない。切なげなギターから始まり、そこにピアノの旋律が合流し、何処かデカダンスなもの悲しさを感じさせる。ストリングスも合わさった後の1:20〜からの盛り上がりが好き。こういう壮大な盛り上がりって、アニメOPであんまり無い気がして新鮮に感じました。

アニプレックス公式YouTubeより

恋物語

ひたぎエンド/木枯らしセンティメント

ボーカルはまさかの戦場ヶ原ひたぎ(斎藤千和)×貝木泥舟(三木眞一郎)。阿良々木くんより先にお前が歌うのか、と当時のオタクは驚愕しただろう。そして驚愕ポイントは他にもある。思いっきり昭和ムードな曲に、まさに昔のアニメといったセル画の映像。制作陣の遊び心が光るOPだ。戦場ヶ原さんの透明感のある歌声と、貝木の気だるげな歌声のマリアージュはちょっと面白い。軽快で軽めな打ち込みのビートに、哀愁漂うメロディが乗り、見事な昭和歌謡曲となっていて、もはや逆に新鮮に感じたのを覚えている。ラストが"置き忘れて"で締められてるのが、センティメントな感情を増幅させている気がする。

アニプレックス公式YouTubeより

fast love

アニメでは使われていない(はず)。なんで作られたのか分からない、戦場ヶ原ひたぎ(斎藤千和)のボーカル曲。作られた経緯とか知ってる方、もしいらっしゃれば教えてほしいです。曲は「木枯らしセンティメント」と大差ない、というか多分同じだと思う。それでも貝木とのデュエットと聴き比べて、物足りなさがあまりないのは凄い。寧ろ美声が際立ってるとすら感じる。Bメロ前に戦場ヶ原さん曲に入りがちな"パパッパーパーパ"みたいなやつ入ってたの初めて気付いた。ラスサビ転調後、ところどころ声に加工入れてるのもきれいで好きです。「木枯らしセンティメント」よりも圧倒的に"冬"感が強い。

花物語

するがデビル/the last day of my adolescence

相変わらずそういうバンド感強めな、神原選手(沢城みゆき)の2曲目。切なさと疾走感に、青春の甘酸っぱさを加えたような曲だなと思いました。おそらく「ambivalent world」では使ってなかったピアノが、それを演出してる。まさに曲名通り、思春期最後の日って感じ。ところどころに入る4つ打ちが気持ち良い。途中の青春の悩みを吐露するように叫ぶパートは、スクリーモ的と言って良いのだろうか?いや違うかもしれない……。締めに鳴ってるギターがかっこいい。

アニプレックス公式YouTubeより

今回のオチ

今回はセカンドシーズン、全7曲でした。其ノ壱と合わせたら16曲。羽川さんや撫子など、作中で大きく変化があると、曲調もがらっと変わってますね。おかげで更にバラエティ豊かになり、聴きごたえがありました。男性ボーカルが入ったり、インスト曲もあったから余計にね。

セカンドシーズンのアニメ2013年らしい。そう聞くとそんなもんかって思うけど、10年前って聞くとビビる。怖いね、時の流れが。身を任せたくない。

感覚的にはもはや聴きながらアルバムめくってる。記憶のアルバムを。どのキャッチフレーズ好きかを友達と語ってたなぁ。僕は囮物語の「かみついて、君を感じる 罠の中。」が好きでした。

次はファイナルシーズン。まあアニメが放送してた頃、僕の青春はほとんど終わってた訳ですが、いろんな意味で。でもここまできたら最後まで聴かない手はないですね。僕が好きなあのキャラも歌うので!

最後まで読んでくださり、有難うございました。

#物語シリーズ #アニメ #アニソン #音楽レビュー #名曲





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