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相手を知る、自分を伝える

今日のバイト先のグループホームにて。

口数は少ないが、表情豊かでチャーミングなSさん。いろんな拍子におちゃらけた面が垣間見れる。その様子から、絶対子どもなんかにもこの調子で関わってたんだろうな、と思い、聞いてみる。

「ねぇねぇ、Sさん、子ども好きでしょ?」
と声をかけると、
「うん。わたしがこんなんするけん、子どもが泣くんよ。笑」
とSさん。

「そしてまたそれを喜ぶっちゃろ?」 
というと、
「そうそう。だけん、主人にもうそんなんしなさんな、って言われよった。」
と話す。

他愛もない話だが、Sさんの口から旦那さんのことが出てきたのは初めてで驚いたし、よりSさんのことを知れて嬉しかった。

虫や動物なんかも生体がわからないと怖いけど、どんな動きをするものなのかとか、毒があるのかないのかとか、実態を知ると安心しというか、怖さが軽減されていく。
人同士も自己開示があればあるだけ、安心領域みたいなものが自然と拡がってくんだろうな。

そして午後、となりの棟に新しい入居者さんが入られた。男性で70代後半、目が見えない方で、何やら大変そうだと話すスタッフたち。
確かにスタッフも大変なことがあるだろうだけど、入居者さんは不安なんだろう。
今日知った情報では、自宅で介護をしていた奥さんが入院されたたため、その方もある病院でレスパイト入院をしていた。そして、その病院からグループホームへ入居となったのだと。

「ご本人さん、どんな説明を受けてここに入られたんでしょうね。初めての場所が続いて、そりゃあ落ち着かないでしょうね。」
と心の声がそのまま出ていた。

「確かにね、落ち着かないし、不安でしょうね。」とわたしと同じ棟にいたスタッフ。

と、そこで会話は終わっていたが、帰宅後にふと思い出し、グループホームで暮らすということは変えられなくても、不安を軽減することはできるよな、と想像してみる。

その人の馴染みのあるものを持ってくるとか?部屋のどこにベッドがあって、ここに𓏸𓏸があって、と部屋の様子を伝えておくとか?
うーん。
あ、自己紹介はしただろうか。とふと気になった。どんな スタッフが迎え入れていて、どんなサポートをしているのか伝えただろうか。夕方になったら夜勤の人と交代することも伝えたかな。
どんな生活がはじまるのか聞いてきたのかな。

せめてその日、自分が頼る相手のことを知ったら、少しはほっとしないかなぁ。
ってか、そもそもどんな不安があるのか直接聞いてみることもできるよな。観察して情報収集することもできるしね。
大変なのは、相手の行動の裏にある気持ちや考え、状況を知らないまま関わること。
お互いにストレスがかかりやすい。

自分のことを伝える練習、していこ。

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